酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

誰もが買いたい「かんぽの宿」

2009-02-05 05:11:53 | Weblog
 1万円で買った物件が6000万円で転売できればボロもうけだ。誰もがそう思うに違いない。民営化前の旧郵政公社の「かんぽの宿」売却をめぐって噴き出した錬金術に驚く。100を超える施設を一括で購入しているのだから、中にはそうした物件も含まれる、とする声もないではない。だが、国の資産がたたき売りされていることに変わりはなく、なぜそうなったのかについて、きちんと説明すべきだ。

 こういう事例を見せられと、庶民は働く気がなくなる。右から左に土地や建物を転がすだけで、数千倍の利益が得られる。結局金を持っている奴が得をするんだ。こういう気分である。昨日の衆院予算委員会では、さらにひどい例が出てきた。評価額の1000円で買い取られた物件が何と4800万円で転売されていたのだ。


 《 07年3月に旧日本郵政公社が一括売却した不動産のうち、旧沖縄東風平(こちんだ)レクセンター(沖縄県八重瀬町)を評価額1000円で取得した東急リバブルが、那覇市の学校法人に4800万円で転売していたことが4日分かった。同日の衆院予算委員会で国民新党の下地幹郎議員が明らかにした。

 下地氏によると、学校法人は3500万円で契約しかけたが、東急リバブルが「競争相手がいる」と言ってきたため、最終的に4800万円で契約したという》=毎日web=


 こうなるとオリックスだけの問題で済ますわけにはいかない。郵政公社の民営化に絡んだすべての売却物件を総点検する必要がありそうだ。国鉄、NTT、郵政……、民営化の影に巨大な利権が渦巻いているのではないか。目端の利く政商が国の資産に群がり、おいしいところを食い散らす。この構図はいまも変わらない。

 かんぽの宿をオリックスが一括購入したことに噛み付いた法相を「勝手な物言い」と批判したのは朝日新聞だ。ところがここにきて、旗色が怪しくなってきた。「ちゃんと説明してほしい」などと言い出したのだ。

 入札がきちんと行われていれば何ら問題はない。朝日が当初こうした主張をした背景には、かつての自社の土地購入をとやかく言われたくないとの思いがにじんでいるように見える。有力メディアが大都市の一等地にある国有地を払い下げてもらっていることはつとに知られている。このあたりをほじくり返されたくないのだろう。

 罪なきものまず石をなげうて、である。

 
コメント
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