酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

宇宙は誰のものか

2009-02-15 09:52:57 | Weblog
 アメリカとロシアの大型人工衛星同士が、宇宙空間で衝突、大量のスペースデブリ(宇宙ごみ)が発生した。

 
 《米国とロシアの大型通信衛星が10日、シベリア上空の約780キロメートルの付近で衝突したことが11日、明らかになった。米航空宇宙局(NASA)や米軍の話として、米メディアが同日、一斉に報じた。ロイター通信が伝えた米空軍高官の話によれば、軌道上での人工衛星の衝突は初めて。 500から600に及ぶ大量の破片が「宇宙ごみ」として発生しているという。

 米国側の衛星は1997年の打ち上げで、米イリジウム・サテライト(メリーランド州)が衛星携帯電話サービスに利用している。重量は推定約560キログラム。ロシア側は通信中継を目的として93年に打ち上げた衛星で、推定約1トンの重さ。現在は使用しておらず、制御不能の状態にあったという。衝突は偶発的な事故とみられている。

 専門家によると、宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(高度約400キロ)とは高度が異なることから、影響は考えにくいという》=10日・日経net=


 以前からスペースデブリは問題視されていたが、大きくクローズアップされたのは2年前、中国が自国の衛星を標的にした撃墜実験を強行してからだ。


 通信、放送。気象、軍事、交通…。いまや衛星を利用したシステムに頼り切っているのが実情だ。その衛星群がデブリに取り巻かれているとしたら、大きな問題だ。

 宇宙の利用に関しての包括的な国際的取り決めは1967年に発効した「宇宙条約」しかない。米ソしか衛星を打ち上げる能力がなかったときのしろものだ。数千もの衛星が軌道上でひしめき合う時代には、もっと実際的な内容に改める必要がある。

 いま、各国はてんでに衛星を打ち上げている。中には姿勢制御もできない、ただの「金属塊」もある。衛星の能力や技術を評価し、軌道を振り分けるなどの調整がどうしても必要だ。

 しかし、軍事の壁が厚くこの実現は困難だろう。宇宙条約は宇宙の軍事利用を禁止している。ここを厳しく再確認することだ。MDなどの戦略とも絡んでくる。

 オバマ政権は核軍縮を推進する意向を示している。「宇宙軍縮」についてももっと前向きに取り組むべきだろう。戦争経済で成り立っているアメリカを一新させるメルクマールにしてもらいたい。
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