酔眼独語 

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小沢発言は傾聴に値する

2009-02-27 05:43:31 | Weblog
 民主党の小沢一郎代表の発言が波紋を広げているらしい。といっても、民主党内の亀裂や野党の足並みの乱れを誘おうという、自民党の悲しい悪あがきに過ぎないのだが…。

 《民主党の小沢一郎代表は24日、在日米軍再編に関連し「米国もこの時代に前線に部隊を置いておく意味はあまりない。軍事戦略的に米国の極東におけるプレゼンス(存在)は第7艦隊で十分だ」と述べ、将来的に日本に駐留する米軍は海軍関係だけで十分との認識を明らかにした。

 同時に「あとは日本が自らの安全保障と極東での役割をしっかり担っていくことで話がつくと思う」とし、政権交代を実現した場合は、国連活動への協力など日本の軍事的役割の拡大を通じて在日米軍基地の整理、縮小に取り組む考えを示唆した。奈良県香芝市で記者団の質問に答えた》=共同=


 小沢氏の見解は別に目新しくもない。米軍の世界戦略もこのような方向に動いているのではないか。たとえば、オバマが軍事力を集中するといっているアフガンである。キルギスに基地を断られたら、ウズベクが提供を申し入れてきた。前方展開する米軍は、いざというときの足掛かりがあればいいのだ。これを日本に当てはめれば、有事の際は自衛隊基地をつかうということだ。

 日米首脳会談をくさされたばかりの麻生首相が、小沢発言に沈黙するわけにもいくまい。で、次のように言う。


 《民主党の小沢代表が、アジア地域の安全保障政策について「(米海軍)第7艦隊で米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」として在日米軍を削減し、日本が自国防衛に責任を持つべきだという認識を示したことに対し、政府・自民党から「日米同盟にひびが入る」「軍備増強の発想だ」などの批判が相次いだ。

 麻生首相は26日、小沢発言について「いま極東で核実験をしたという国があり、日本をあたかも敵国かのごとく言っている国が存在する状況に置かれている。その時に同盟国である米国が海軍だけ。あとは空軍も海兵隊も陸軍もいらないと。防衛に少なからぬ知識がある人はそういう発言はされないのではないか」と記者団に語った。河村官房長官も同日の会見で「日本における米軍の駐留を第7艦隊に限定するという考え方は非現実的ではないか」と指摘した》=朝日com=

 
 麻生君に「防衛に少なからぬ知識がある」のかどうか心配になる。第7艦隊は平時で2万、戦時は7万人近い兵力を誇る世界最強の機動部隊である。航空機も400機近い。ミサイル原潜は4隻以上が在籍しているはずだ。第7艦隊所属を除く、在日米軍すべてが束になって第7艦隊に挑みかかっても一ひねりだろう。

 米軍はフィリピンから引き、韓国でも削減を始めている。在沖縄海兵隊もグアムに移転する。「地元と軋轢を生む基地を恒久化させる必要はない」というのが、近年の米国の方針と見るべきだろう。


 小沢発言が「正論」にすぎて、自民党がうろたえているということだ。

 ただ、小沢の真意はよく分からない。米軍離れは、自主防衛力強化とイコールなのかどうか。

 総選挙も近い。民主党の安保・防衛に関するしっかりした政策を示してもらいたいものだ。


 

 
コメント
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