くすぶる星
NASA/ヨーロッパ宇宙機関のハッブル宇宙望遠鏡が撮影したこの新しいイメージには、キャンベルの水素星(Campbell’s hydrogen star)としても知られる HD 184738 が写っている。赤みを帯びたガスの噴煙に包まれており、燃えるような赤とオレンジの色は、水素や窒素などの輝くガスによって引き起こされている。
HD 184738 は、この小さな惑星状星雲の中心にある。この恒星自体は [WC] 星(続くリンク参照)の一つとして知られており、はるかに重い星である ウォルフ・ライエ星 に似た珍しいクラスである。これらの星達は、19世紀半ばに初めて発見したフランスの天文学者、シャルル・ウルフとジョルジュ・ライエにちなんで名付けられた。 ウォルフ・ライエ星は、太陽の20倍ほどの質量を持つ高温の星で、物質を急速に吹き飛ばし、質量を失っている。 WC 星は、その一生の終わりには低質量の太陽のような星になる。これらの星達は、最近、元となる質量の多くを放出したが、高温の星の核は依然として高い速度で質量を失い、熱風を生み出している。これらの風がウォルフ・ライエ星に似ているのである。 しかし、天文学者達は、これらの風の組成を更に詳しく調べこれらの星達を見分けることができる。 WC 星は、風の中の炭素と酸素によって識別される。真のウォルフ・ライエ星の中には、代わりに窒素に富むものもあるが、これは低質量の星の中では非常に稀である。 HD 184738 は、スペクトルの赤外線部分でも非常に明るく、地球が形成された物質と非常によく似たダストに囲まれている。このダストの起源は不明である。 このイメージは、ハッブル宇宙望遠鏡の秘宝(Hubble's Hidden Treasures)画像処理コンペティションに応募された。
<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。
<出典>: Space Science
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