きりん座方向、およそ980万光年の距離にある渦巻銀河NGC 2403の姿です。夜空では、天の北極に比較的近く、おおぐま座の熊の頭上付近に位置する銀河です。多くの渦巻銀河には、中心部に明るく特徴的な突出部“バルジ”が存在しますが、この銀河のバルジはあまり目立たず、まるい形ではなくやや伸びた形にも見えます。このバルジが細長く棒状になっている銀河を「棒渦巻銀河」と呼びますが、NGC 2403は「渦巻銀河」と「棒渦巻銀河」の中間タイプとして分類されています。
大量の水素ガスを抱く銀河: 円盤の中ではたくさんの赤い色の星雲(水素電離領域)が目立ち、また、渦巻きの腕には青く輝く若い星が数多く見られることから、渦巻きの円盤の中で星形成が活発におこなわれていることが分かります。また、腕に沿って星間塵(じん)が作る暗黒帯も多く見られ、星を作る材料となる中性水素ガスが大量に存在することが考えられます。すばる望遠鏡の主焦点カメラSuprime-Cam(シュプリーム・カム)で捉えたNGC 2403の全容からは、このような銀河の特徴の詳細が浮かび上がってきます。
<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」
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