毎日会う 2016-01-09
放射線治療が毎日なのは、妻だけで
なく、誰でもそうらしい。だから3日
も通うと嫌でも顔なじみになる。お早
う、こんにちは、は当然として、毎日
大変ですねとか、今日で何回目ですか
とか、会話が進行して行く。
女性患者どうしはすぐ仲良しになる。
私は少し離れた席で一人で居ても、男
性患者の付き添いの奥さんから、「ご
主人、元気ですね」と声かけられれば
「はいお蔭様で」とか「有難うござい
ます」とか返事することになる。
こちらが聞いた訳でもないのに、その
奥さんが「うちのは肺がんなんですよ、
たばこばっかり吸ってたので」と言わ
れると返答に困る。「そおうですか、
この治療で良くなると良いですね」と
答えたが、「お宅の奥様どこが悪いの」
と聞かれたら、私はどう答えたら良い
のだろう。「どちらにお住まいですか」
と聞かれたので「洋光台です」で済ん
だ。
でも結果的に、私が聞いた訳ではなく、
知りたい訳でもないのに、あの人は
乳がん、あの人は子宮がんと判って
しまう。