人工内耳 2015-01-07
人工内耳は補聴器ではない。音は
音波として耳の穴から鼓膜に達する
と耳小骨を介して内耳に届く。内耳
で音波信号は電気信号に変換され、
電気信号が聴力神経を通じて脳に
伝えられ脳が音を聞く。
このメカニズムが遺伝や病気で破壊
されていると、補聴器がいくら音を
増幅しても音を聞くことができない。
人工内耳は電極を10-20本有し、電極
番号が音の高さを表し、電流の強さ
が音の大小を表す。
音を正しく聞き取るために個人別に
各電極の働き具合を調整（マッピン
グ）しなければならない。先日病院
の通訳で、これを担当した。人工内
耳はパソコンに繋がっており、先生
が操作して患者に信号が送られる。
患者に何がどう聞こえているかは、
通訳者には全く聞こえない。患者が
右手を挙げると、聞こえた、理解
できたことは判る。その後先生は
手話で患者に何かを指示する。通訳
に行っていながら、沈黙が20分ほど
流れる。終わってから先生から付き
添いの人に注意事項とか今後の治療
リハビリ方針、次回の予約など話さ
れる。そこで初めて通訳した。