Aruiのスペース

自分の身の回りで起こったことの記録であったり、横浜での生活日記であったり・・・です。

たかがこおろぎ

2013-03-02 23:13:27 | Weblog

中国天津の生活              4N20

たかがこおろぎ、されどこおろぎ

庭の片隅を這い回っているこおろぎは、たかがこおろぎで
はないでしょうか。しかし明朝時代の焼き物の養盆に飼わ
れている闘うための蟋蟀(こおろぎ)は、されど蟋蟀と言
うべきでしょう。

最近読んだ本「闘蟋とうしつ」:瀬川千秋著
http://www.taishukan.co.jp/item/toshitsu/toshitsu.html
で初めて知ったのですが、中国のコオロギ文化、奥が深い
です。

雄の蟋蟀を戦わせることに、全く興味の無い人にとっては、
まさしく、たかがこおろぎでしょう。しかし、これに熱中し、
小金を賭け、全財産を賭ける大の男どもが居る、国の命運を
危うくした宰相が居たとなると、事は穏やかではありません。
されど、こおろぎとなります。

私が子供の頃、雄のえんまこおろぎを戦わせました。生垣の
葉っぱに巣をつくる小さな蜘蛛でもやりました(たしか、
じじばばと呼んでいたような記憶です)。しかし、闘いに
勝ったこおろぎを家に持ち帰って、大事に育てて、次の闘い
に挑むなどと言うことまではしませんで、その場限りの遊び
で、勝った負けたと騒いでお仕舞いの、たわいのないもので
した。

中国の闘蟋とは、(上記本より)コオロギを闘わせ、ひと秋
をかけて虫王(チャンピオン)を決める遊び。飼い主たちは、
戦士の育成に持てる金と時間と知識のすべてを注ぎ、熱中の
あまり家屋敷を失ったものは数知れず、一国を滅ぼした宰相
さえ居たと言う。この遊びが、革命中国で禁止され、滅んだ
かに見えながら、いままた、徐々に隆盛にむかいつつあると
のことです。

そして、流石に歴史の国中国、蟋蟀の闘わせ方から育てかた
まで、蟋蟀道とも言うべき作法、決まりが出来上がっており、
道具についても然り。蟋蟀の育成、特に精力のつけ方には
漢方薬の知識が導入されていると言う。病気の症状と原因と
治療法を記したマニュアル本が、明、清朝から伝わると言う
から驚きである。

1例:便秘(こおろぎが便秘するなんて知らなかった)
症状 食欲不振。まったく排便を見ないか、排便困難。戦闘
    意欲の喪失。
原因 水分のない餌を与え,水皿に水の補給をしなかった。
    水浴不足。
治療 緑豆の芽をすり潰した汁を飲ませる。甘草を煎じ、
   それを濾して冷ました汁に入浴させる。

私はこれを書くに際して、闘蟋の著者の瀬川千秋さんに許可
を頂きたい旨、mailを出しました。丁寧な返事を下さり、
天津は、中国で最初に蟋蟀協会ができたところで、闘蟋も
盛んで、道具を扱う骨董商も多いと教えて頂きました。私が
住む塘沽地区は、天津中心部から60km離れているので、
別な話になるとは思いますが、会社の連中で(本人ではなく、
親戚などで)闘蟋をやっている人がいるとのことなので、
いろいろ、聞きたい、見せて貰いたいと思っています。
そして塘沽の繁華街からやや外れた場所に虫の市場もある
ことが判りました。しかし今は蟋蟀の季節は終わっています。
来年が楽しみです。

◆筆者Aruiは、
以前、中国天津に駐在しました。
2002年12月から2006年1月まで3年
2か月、64歳から67歳まででした。
その時の日記を時々挿入します◆<iframe frameborder="0" allowtransparency="true" height="100" width="100" marginheight="0" scrolling="no" src="http://ad.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/htmlbanner?sid=3041565&pid=881745388" marginwidth="0"><script language="javascript" src="http://ad.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/jsbanner?sid=3041565&pid=881745388"></script><noscript><a href="http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=3041565&pid=881745388" target="_blank" ><img src="http://ad.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/gifbanner?sid=3041565&pid=881745388" height="100" width="100" border="0"></a></noscript></iframe>