ホワイトシェパード・アリエスの日々 ≪一雲日記≫

いつまでもどこまでも一緒に歩こう!

前進の子

2008-06-23 | 0~1歳
 ここ数日嫌々やっているデスクワークの間、アリエスは私の足元で眠っている。この寝息に救われちゃうな。雨も降ってることだし仕方ないか。雨だと室内で遊ぶが、昨日は急に頭を持ち上げたアリエスと私の前歯が激突。ぐぐぐぐ・・・痛ぇ。折れたかと思ったぞー。あわてて彼の額を見たが、何事もなかったようにしっぽを振っている。頑丈でめでたい。私は子供の頃、頭突きでアリ子母の前歯をへし折ったことがあったそうだ。まったく親子そっくりで。

 私にとって雨といえば、二度寝。早朝に起きてみて降っていると、散歩に出られないのでアリエスをトイレに行かせて再び一緒に眠る。パタパタと屋根に落ちる雨音、アリエスのあくび、あーあ幸せだなぁと思う。・・・寝過ごして慌てる運命なのだが。

 私が出かけると、見送っていたアリエスはもう一度自分のソファへ戻っていくのだが、他の家族が言うには「えらくあきらめがいい」のだそうだ。鳴くこともごねることもなく、時に2階から洗面所まで見回って、いないと納得するときっぱりあきらめるらしい。
 犬達は仲間が別の場所で死んでしまったりしても、それを敏感に察するそうだ。哀切な一声をあげるものもいれば悲痛な沈黙をするものもいる。けれどそれはわずかな間のことで、まるで意識的に前進するかのように淡々と日常を再開すると何人もの観察者が述べている。不治の病にかかった犬が、少なくとも人間の観点からは、死に対して過度の恐れを抱いたり落ち込みながら日々を過ごすということはないときく。ただひたすら、自分の生を過ごしてゆくと。彼らにとって別離や死とは、分かりきった自然な道筋なのだろうか。自分が受け入れているから、他者に起きたその出来事も受け入れることができるのだろうか。うちのアリエスも、もし急に私が姿を消しても、ほどなくこの日常を繰り返すことができるのかもしれない。少し寂しい気もするが、そうあってくれればいいなとも思う。不幸なことにこの親子関係は、一般的には私達のほうが長くこの世にいるものだけれど。
 いやに大げさな話だが、アリエスの曇りない瞳を見ていると、まっしぐらに生きていく悟りのようなものを感じる。駆け足で過ぎる彼の人生。一緒に過ごす時間は、私達にとって何よりも貴重だ。

 こんなまじめな内容なのに、なにそのちょろりん足。