ホワイトシェパード・アリエスの日々 ≪一雲日記≫

いつまでもどこまでも一緒に歩こう!

どうでもいいんだけど気になっちゃう話

2016-10-16 | 8~9歳
 いまさかんにテレビでやってる、アマゾンプライムのコマーシャル。

 幼い乳児と両親と、ゴールデンレトリーバー。楽しそうな家庭の様子だけど、その娘は犬が怖いらしく、ゴールデンが近寄ると泣いてしまう。で、犬は悟った表情をしつつ場を去り、遠くから親子の仲睦まじい姿を見ている。父親がそのさびしそうな様子に気づき、娘の好きなライオンのぬいぐるみに似たたてがみのかぶり物をアマゾンプライムで購入。届いた品物を犬にかぶせると、まるでライオン。そっと娘に近づけてみると、娘は興味をひかれたように犬に手を伸ばす。今後の幸せを予感させ、この子がこの犬と仲良く成長していくであろうハッピーエンドを思わせる・・・

 犬が仲間に入れるよう配慮する優しいパパ、いずれ犬が大好きになっちゃうであろう子供。いい話っぽいんだけど、結果オーライなんだけど、何となく違和感が。

 私はイヌについて広く知っている訳ではないから、アリエスと暮らしていて思うことなんだけど。彼は私がどんなであろうと変わらずに慕い、寄り添ってくれる。外見や恰好のみならず、疲れたりイラついたり、彼にとって解せない状態になっている時でも。また、自分の受け入れやすい状態に私を変えようとすることがない。こんな服を着てくれとか、こんな人でいてくれとか、ただのひとつも要求しない。そのままでいいし、そのままで大好きだ。そう言ってくれる。毎日毎日。

 ヒト社会で生きる以上、そしてその社会の中に出ていくなら、イヌも最低限のルールを守る必要はあろうが、ヒトは往々にしてそれ以上のことをイヌに求める。私の気に入るような姿でいて。私がちょっと誇らしい気分になれるような、あるいは飼い主として義務を果たしていると思えるような、いい子でいて。

 あのCMで、子供はあまりに幼く、犬を仲間と認識できなくても無理はない。そしてこれからの人生、愛犬家となるかもしれない。でも大人が犬を友達だと教える時、君の好きなあの子に似てるいいヤツなんだぜという方法は、どうも違う気がしてしまった。そのままのレトリーバーを受け入れられる方策を考えられればよかったな、と思った。それに、あのようにして受容する娘の姿が、昔アリエスをどうにかして自分の理想のように変えようとしていた自分に重なり、それからあの幼児も、確実に「ヒト」として成長するんだなと思ってしまったのだった。

 別バージョンでは、お父さんがたてがみを自分でつけて娘に好かれようとするほほえましい姿が描かれ、若干の救いのようにも感じるのだが、私のように犬寄りの見方をしてしまう視聴者をうまくかわしたなーとも思ってしまった。ちょっと考えさせられるという点でもさすが、というところなのかな。

 現実生活とは関係のない、どうでもいい話。でも身につまされたのでした。