中年アリエスが健やかに老年期を迎えられることを願って、チビチビと調べている食事のこと。これまたチビチビと、メモしていこうと思う。
メインディッシュを何にするかと考える時、フードか肉魚かと迷う。今はオリジンのフードなんだけど、そもそも数多くの種類のフードの中から選び出すのも迷うものだ。そこで信頼性を担保するっぽい「AAFCO」という有難げな単語が登場する。「AAFCOの基準をクリア」「AAFCO合格品」「AAFCOの承認を得た」などなど表現は様々。(けれどもこの機関は自主的な基準を公示しているだけであって「承認」も「認定」もしない。)
Associaton of American Feed Control Officials、米国飼料検査官協会。 1909年設立。1990年代に入り、犬と猫の栄養専門家小委員会が組織内に設置された。
日本では、1974年にペットフード公正取引協議会なる組織が公正取引委員会の認定を受けて発足している。国内の製造者・輸入販売者の加盟で成り立つ業界団体であり、AAFCOの栄養基準を採用して試売検査会などを実施し、罰則規定の約定・履行や公取委への報告等を行っている。ネーミングは経済活動に軸足がありそうな雰囲気だけど。
AAFCOに話を戻すと、検査官協会なので客観性がありそうだ。しかし、元はと言えばペットフード業界が共通の利益のために設立した半分内部組織みたいなものらしい。NRC(National Reserch Council、米国科学アカデミー内の米国学術研究会議)の中のCommittee of Animal Nutrition(動物栄養委員会)による推奨値あるいは試験方法が厳しく、これに反発した業界が独自に基準を策定したという経緯があるのだという。以下はある獣医の述べる内容を自分なりに解釈したもの。
NRCは長年、動物のすべてのライフステージにおける栄養要求について専門家を選定し、スタンダードを定めてきた。栄養が適正であるかを見定めるためには、給餌試験が最適であると広く考えられている。しかし給餌試験は時間がかかる。すなわち経済的に大変である。そこでAAFCOがダブルスタンダードともいうべき独自の基準を設ける。給餌試験の代わりに、NRCの栄養要求を満たすかそれ以上であるかの、化学分析をおこなうようになった。
化学分析には嗜好性や消化性、栄養素の生物学的有効性についての視点が欠如している。その限界に気づくとAAFCOは、自らの設定した最低栄養要求量以上の要求量を算定し、さらに安全性を考慮した数値を加えるなどの補正を施すという方法を採った。いわゆる「栄養許容量」というやつだ。
NRCは犬の栄養要求1974年度改訂版、1985年度改訂版をレポートしているが、ペットフード業界は1985年度版以降NRCのガイドラインを使用せず、独自基準のゴールドスタンダードを策定。これによりペットフード作製時に、NRCスタンダードに従う必要性がなくなった。大手のメーカーは給餌試験をするかもしれないが、経済性を優先する場合はしないかもしれない。現状では、AAFCOは「基本的な3種のフード」について給餌試験を実施。メーカーがこれらの「基本的な」フードの配合を使用するなら、給餌試験の再実施は要求しない。らしい。
さて。袋に燦然と輝く「AAFCO」の文字列だが、それが表す考え方というものをつかみ、どこまで納得して選ぶのかということを、自分は考え直さなければと思った。
定位置でごはんを待つ・・・AAFCOって、おいしいの?