アリエスは昨年11月に病を得た。朝晩の沁み入るような寒さの始まりが、それを思い出させる。
1年をどのように過ごしてきたのか、考えようとすると驚くほどに思い出せない。この日記を書いているから、読めばああそうかと気づくのだけれど。つらかったなと、ぽつんと思う。これからも多分そうなのだろう。母ちゃんはアリエスの見えない1年を、なんとか生きたよ。ここにこうして言葉を書くことは、どれもただ、あなたに会いたいと言っているにすぎない。わかってるよ、きっとね。
アリエスの死は私達をぶちのめしたが、それを救ったのはまた、アリエスの思い出だ。アリエスのかわいさは今も同じで、アリエスの優しさは今も変わらずに優しい。テレビをつけっ放しにしなくても寝られるようになり、少しの楽しみをアリエスに報告できるようにもなった。家事や庭仕事はやっぱりアリエスと一緒にしていたようにしている。心の底に絶えず流れる、何かが間違ったまま進んでいる感覚と、突然襲ってくる悲嘆については、いたしかたなしと自分を許している。
すべての生命を分かつ死を憎んでも、あれほど恐怖したアリエスの闘病の日々を疎む気にならないことは、我ながら意外だ。あの日々も、アリエスの生きた時間であったからだろうと思う。笑い合って過ごした時と同じ重さで、大切なのだ。アリエス、母ちゃん達は、待ちくたびれることはない。いつでもここに。
1年をどのように過ごしてきたのか、考えようとすると驚くほどに思い出せない。この日記を書いているから、読めばああそうかと気づくのだけれど。つらかったなと、ぽつんと思う。これからも多分そうなのだろう。母ちゃんはアリエスの見えない1年を、なんとか生きたよ。ここにこうして言葉を書くことは、どれもただ、あなたに会いたいと言っているにすぎない。わかってるよ、きっとね。
アリエスの死は私達をぶちのめしたが、それを救ったのはまた、アリエスの思い出だ。アリエスのかわいさは今も同じで、アリエスの優しさは今も変わらずに優しい。テレビをつけっ放しにしなくても寝られるようになり、少しの楽しみをアリエスに報告できるようにもなった。家事や庭仕事はやっぱりアリエスと一緒にしていたようにしている。心の底に絶えず流れる、何かが間違ったまま進んでいる感覚と、突然襲ってくる悲嘆については、いたしかたなしと自分を許している。
すべての生命を分かつ死を憎んでも、あれほど恐怖したアリエスの闘病の日々を疎む気にならないことは、我ながら意外だ。あの日々も、アリエスの生きた時間であったからだろうと思う。笑い合って過ごした時と同じ重さで、大切なのだ。アリエス、母ちゃん達は、待ちくたびれることはない。いつでもここに。