ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

稲城の里山

2006-04-09 21:52:56 | Weblog
暖かく爽やかな日曜日。家の目の前の里山“南山”に散歩に行った。途中、花一杯の家々の庭を愛でながら。毎年、りっぱな、見事な枝垂れ桃の花を咲かせる家に寄り道した。たまたま、庭の手入れしていた奥様と立ち話をする。広い庭は一年中、見事に手入れされている。美しい白色と紅色のミックスした花を一杯につけた桃の木は、年老いて手入れが大変との事。無数に咲いている花は、その後に硬い小さな実を付ける。その実は全て摘み取るとの事。そうしないと、木が弱り次の年に花を咲かせる事が出来なくなってしまうそうだ。

里山は今の時期、本当に美しい。秋の紅葉もきれいだけど、春の萌黄の頃がもっとも好きだ。無彩色の冬の里山が桜の花が散り始めると、徐々に徐々に淡いパステル色に浮かび上がって来る。まだ残る山桜のピンクと柔らかい新芽の様々な色が恥ずかしそうに山を染めている。

夫とゆったりと、なだらかな山道を歩く。空を覆い始めている木々の幼い葉の間から、春の日差しがキラキラとこぼれて来る。うぐいすが楽しそうに歌っている。途中、同じように散歩している人や、ロードレースの練習しているマウンテンバイクの人達と、挨拶を交わす。彼らはナカナカ練習をする所がなく、わざわざ引越しをして来た人もいるそうだ。

歩いていると時々、ふっと畑に出くわす。ちょっと高台に行くと富士山が見える。どんなにメチャクチャに歩いても迷子にならない。下り道を下りれば、必ず民家にたどり着く。そして、時には読売ゴルフ場のフェンスに行き当たる。

開けた場所から北西方向を望むと味の素スタジアムが見える。そして、誰かが言った“稲城のグランドキャニオン”の絶壁が下の草原に向かって落ちている。その左手方向にはゴールネットが据えられた草サッカー場があり、芝生の草野球場がある。今日も両方で試合をやっている。賑やかな声が上がって来る。

この、素晴らしい里山が開発の危機にさらされている。この稲城のグランドキャニオンの相当の部分が削られて無くなり、サッカー場や野球場を含めた広大な草原を大規模な住宅地に変えようとしているのである。空き地はムダであり、開発しなくてはならない所だとしか考えられないなんて、なんと悲しく寂しい事か。この豊かな自然があったこその、稲城のよさなのに。一目で気に入って、ここに終の棲家を求めたのに・・・。

引っ越してきた時、マンションの前の通りの両側はケヤキ並木の緑の長い長い川だった。それが一昨年くらいから、冬、枝を全て切り落としてしまうようになった。真夏になっても枝が伸びきらず、前のような緑の天蓋は作られなくなった。どうして、こんなに切り込んでしまうのだろう。青山の表参道の会社で事務員をしていた時、あの、見事なケヤキ並木が丸坊主になった事なんか一度も無かった。だから、市役所の人達の言葉はすべていい訳にしか聞こえない。

自然に対するデリケートな気持ちを無くしたくない。人間の心が荒んでいくのは、自然から遠ざかってしまったからでないだろうか。だから、残り少なくなった、この里山が未来の先まで雑木林として存在する事を望む。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« FC東京、攻めて勝つ | トップ | お帰りと言われる幸せ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事