ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

おばあちゃん

2008-08-11 13:10:45 | 年老いた母
今日は姉と二人で、安城から柏崎に移動。電車でとなると、非常に不便だ。昔は名古屋から乗り換え無しで柏崎に行けたのに。

まず安城から名古屋に新幹線で行く。そして、名古屋から長野まで特急。でも、安城から柏崎まで普通乗車券を通しで買えない。安城から名古屋までと、名古屋から柏崎までと二枚買わないといけない。何故なのかを説明してくれたが、損したようで、どうしても納得が出来ない。新幹線と在来線では線路は違うが、一カ所、戻るような場所があるのだとか。変な話。長野で乗り換え、又、直江津で今度は普通電車に乗り換える。荷物を持っての、大旅行に感ずる。

その間、母は老人施設に入ってもらう。

朝、母は目が覚めて、隣に私が寝ていると喜んで涙を流す。「朝は何も分からない。ここがどこなのか、自分が何者なのか。毎朝、泣いてる。目が覚めたら、ふみちゃんがいて、嬉しかった」と泣く。私は、母を抱きしめて背中をさすってあげる。私がいる間の毎朝の儀式。

働き者で明るくて気丈だった母が、小さくなって弱くなって自分では何も出来なくなって、誰かの庇護が無ければ生きて行けない。

母を見てると、年をとって老いて行く事の辛さを思う。母が私の年には、今を想像もしなかったただろう。私だって母の年の自分なんて想像も出来ない。

母は、跡取り長男が戦死したので婿を取った。だから、生まれた家で87年も生活した。姉の所で大事にしてもらっていても、田舎を思い出して悲しく辛くなる時があるのだろう。「ふみちゃん、私は生まれた所で、ずっと住んでたんだねェ」「帰りたかったら連れて行ってあげるよ」「いや、止めておく」

一杯働いて、百姓で苦労して節くれだった手を握りしめ、さすってあげた。

母は迎えに来た、優しそうな介護司に連れられて車に乗った。「おばあちゃん、元気でね。また来るから」と言ったら、すねたように下を向いてしまった。下を向いたまま手を振る。何か、可愛くて笑ってしまった。車が出る時には、こっちを向いて泣き顔で手を振った。

これ以上ボケないようにと、一生懸命に算数の計算集をやったり、いつまでも自分の足でトイレに歩いて行けるようにと、リハビリにも励んでいる。姉に迷惑をかけないようにと。

もっともっと長生きしてちょうだい。時々、話相手に行くから。

実家に帰ったら、家と庭とお墓のお掃除。そして、父にお経をあげてもらわなければならないが、家に「ただいま」と帰ると、父が「おー、よー来た」と、中から出て来そうな気がする。父には、思うように孝行出来なかったと、悔いが残る。まさか亡くなるなんて想像もしてなかった。母だって、いつどうなるか分からない。私だって…。

久しぶりの実家はどうなっているだろう。今、誰も住んでいないが、やっぱり、生まれ故郷は特別な気持ちになる。
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