ふみさんの日々雑感

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映画 「デザートフラワー」

2011-01-27 13:07:21 | 映画・ドラマ・小説・マンガ
娘に誘われて見に行って来た。

娘と映画館で待ち合わせて、私は早めに行って番号札をもらう。早く行って良かった。開場の時には満席になっていた。もっとも小さな映画館ではあるが。

トップモデルの自伝本の映画化という事で、ほとんどが女性だった。

ソマリアの遊牧民のの娘として生まれたワリス。まだ、少女の時に4番目の妻として老人と結婚させられそうになり、明け方砂漠に逃げ出す。僕も一緒に連れて行ってと、弟。寝床の中で、静かに涙を流す母。

ロンドンのソマリア大使館で下働きをして生活するが、ソマリア政変で帰らなければならなくなり、逃げ出してホームレスになる。

たまたま知り合ったマリリンの部屋に無理やり住みつく。

ダンサーを夢見てオーデションに落ち続け、それでも頑張って明るく生きているマリリン。逆立ちしても、ダンサーにはなれないだろう体型と踊りのマリリン。そして、安ホテルの女将さんや、そのホテルの従業員のさえない男性との日常が可笑しかった。モデル業界のエージェントのテキパキした女性も可笑しかった。

マリリンは、女として過酷な現実がある事を知り、衝撃を受け泣く。だから、いつもトイレが長いのね、とワリスの手をそっと握るマリリン。

そして、同じ女でありながら、マリリンのような生き方が普通なのだと知って衝撃を受け泣くワリス。

ハンバーガーのお店で掃除婦として働くワリスは、そこで一流ファッションカメラマンに見いだされてトップモデルになって行く。

彼女のファッションショーが素敵だった。ジッと前を見つめて歩く瞳が素敵だった。

TVで彼女のサクセスストーリーが放映され、高級誌のインタビューを受ける。

綺麗に金髪をセットし、高級ファッションに身を包み、最高級クラスの女性記者の前に、トップモデルとしてワリスは座る。

記者に向かって、遊牧民からトップモデルになったチェンジの話はしたくないとワリス。「私には、もう一つの別の物語がある」 と、言って黙ってジッと記者の目を見るワリス。

困惑する記者。「では、話してみて」 と。

ワリスは静かに話しだす。「私のチェンジは3歳の時」 と、衝撃的な話を始める。

砂漠の大地で母に抑え付けられて、麻酔も無く術者に直接切り取られる女性器。マッチ棒程の穴を残して、完全に縫い合わされる。結婚した初夜に夫がナイフで縫い目を切り取るまで、女性は痛みと苦しみを我慢してい大きくなって行く。

泣き叫ぶ、幼いワリスの映像に涙があふれた。

話し終わり、静かに席を立って帰って行くワリス。その後には、あの完璧に装っていた女性記者が、鼻水を流しながら泣く姿が残された。

最後に国連で演説するワリス。

ワリスの姉の一人は、その時の感染症で亡くなり、もう一人の姉は結婚してお腹の子供を産めないまま亡くなった。だから、私は大きくなって女にはなりたくなかった。

でも、今、私は“女になる”と、FGMの廃絶を訴えた。

それからFGMは激減したが、それでも、今日でも、一日、6000人の女の子がFGMされているという。

何の、予備知識もなく、ただ、世界トップモデルのサクセスストーリーと思って見に行って、衝撃を受け、そして感動した。

名前のワリスは、“砂漠の花”という意味だというが、過酷な人生を前を見つめて生きて行く彼女にピッタリの名前だと思った。

そして、その名のように、映画は決して暗くはなく、クスリと笑う場面も多くて、もう一度見たいなと思った。

女性の映画だけど、男性にも見てもらいたいと思った。



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