杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

どろろ

2007年11月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年1月27日公開

ふ~~ん、これ、お正月映画第2弾位だったのかなぁ。時期的には合っていた気がする。明るいどろろのお喋りと、魔物退治のワクワク感と、親子の情愛、色んな要素が混じり合って、独りでも友人や家族とでも楽しめそうな作品でした。


戦乱の世を治める力を得るため、武将・醍醐景光(中井貴一)は魔物に生まれてくる子供の体を捧げ、強大な力を与えられる。体の四十八箇所を奪われて生まれた子・百鬼丸(妻夫木聡)は、呪医師・寿海(原田芳雄)の秘術により救われ育てられる。長じて、自分の体を取り戻す旅に出た百鬼丸は、身を守るため左腕に仕込まれた妖刀を狙うこそ泥・どろろ(柴咲コウ)と出会い、奇妙な二人旅が始まる。


戦乱の世を生き抜くために仮の姿で生きる百鬼丸とどろろ。妖刀を狙うどろろの目的は両親の敵討ちで、少年の格好をしているが、実は女の子です。
奪われた体は、魔物を倒す度に自分の身に取り返せるけれど、その際の悶え苦しむ様もリアルに表現されています。

自分の数奇な宿命への嫌悪感と哀しみに笑顔を失くした百鬼丸が、どろろと出会い、互いの境遇に似たもの同士の親近感と、彼女の明るさ、前向きさに癒され、笑顔も戻ってくる様子が、魔物退治の場を踏むことで自然に表現されているのがわかります。

原作は手塚治虫の漫画。映像化にあたり、ニュージーランド・ロケや、襲い掛かる魔物たちとのスピード感あるアクションシーンなど、漫画の雰囲気を損なわないように努力しているなという印象を受けました。

野望のために我が子を犠牲にして顧みない冷酷な父に見えた景光にも人の心は残っていたラストや、弟である多宝丸が、自分のアイデンティティに苦しむ心情、母の直感的な愛情など、人情の点でも後味の良さがあります。

育ての親である呪医師の、百鬼丸の再生過程は、かなり漫画チック(元が漫画だから当たり前)ですが、ブッキー主演の「ブラックジャックによろしく」を思い出してしまいました。これもある意味手塚繋がりですね。

どろろを演じた柴咲コウが、まさに体当たり演技、アクションに挑んでいます。
観る前は、「なんか、子供っぽい作品かも」と思っていたけれど、十分に楽しめる内容でした。

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