シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

哀しすぎ・・です 「ダニエルとマリア」

2006-10-01 22:27:23 | Weblog
72年、エンニオ・デ・コンチーニ監督作「ダニエルとマリア」

当時10代の恋を描く作品がわんさと出てきた中の1本。
私はどうしても主演のダニエル役の男の子の顔がNGで、劇場鑑賞しなかったが、妹は母と見に行き、なかなかどうして感動した模様。

ダニエルは政治家の息子、裕福な家に育っているが、今で言うところの「引きこもり」。
たぶん16歳くらいかな。繊細で音楽好きな彼は、空想の世界ではオーケストラの指揮者、音楽をかけながら、ひとり部屋でタクトを振る。

マリアは使用人の娘。この役を演じた女優さんは瞳が美しく印象的でしたが、これ1本のあとの活躍はなし。

唯一ダニエルが心を通わす人間だ。

10代の恋を描いている作品はたくさんあるが、この「ダニエルとマリア」は「ロミオとジュリエット」路線、家柄の違いなどから絶対に許されない恋、結ばれない恋路線で悲惨な結末を用意している。

今見ると、結構いけているのかもしれないね。

ふたりは一緒のベッドに寝ても、子供のように添い寝するだけ。マリアの親がわざとダニエルと結びつけ、ダニエルの親から金を巻き上げようと画策しても、ふたりは純粋な恋心を貫く。

ていうか、我慢して純潔をキープしたというよりダニエルという少年が大人になりきっていなかったから・・なんだろうけど

これはビデオ化もされておらず、もう見る機会はないかも・・

ラスト、ダニエルと引き離され、父親ほども年上のおっさんと結婚させられることになったマリアは式の当日、死を選び、湖に身を投げる。湖面に浮かぶ彼女の片っ方だけの靴・・
何も知らないダニエルは、遠い宙を見ながら、ひとり部屋でタクトを振る・・

悲惨だ、悲惨すぎる!つらすぎるぜ!

音楽はテーマ曲が美しく、サントラのドーナツ版をもっていました。
今になってみると、ちょっと見て見たい作品のひとつですね