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昨年東京にいる時に、郊外の美術館でウィリアム・モリスの作品展が開催されているのを見つけました。そして、これまでも何度も同じようなものを見ていたはずなのに、やはりふらりと足を向けてしまいました。
好きな物を安心して楽しむという以外には、とりわけ新しい発見はありませんでしたし、図録もすでに持っていますので、たいした目的もなかったのですが、これまたふらりとミュージアムショップに足を踏み入れてしまいました。
そこで、およそ展示とは全く関係のないページをぱらぱらとめくるうちに、どうにも止まらなくなって結局は買い込むことになってしまった本があります。それが、石井好子さんの「巴里の空の下 オムレツのにおいは流れる」と、「東京の空の下 オムレツのにおいは流れる」の2冊でした。
これは収穫でした。
この時代、こんなに太っ腹で、なのに繊細で、こんなに素晴らしい女性がいたなんて、、、
もちろん石井好子さんのことは、そのお顔も声も存じ上げていましたけれど、この本は彼女のセンスと魅力を余すところなく表しているものでした。なぜこれまで読もうとしなかったのだろうかと、遅い出会いを悔やんだぐらいです。
この本や著者についてはまたいずれ詳しく書くこともあるでしょうから、今日はその中のこんなフレーズをご紹介するに留めます。
「とにかく、私はよほどお料理ずきらしい。仕事に追われてくたくたに疲れていても、家に帰って台所にはいると、一日のつかれがいやされる。お酒など一杯入ろうものなら、何か食べさせたくなって、台所に行ってこまごまと料理をはじめる。『泣き上戸』『笑い上戸』というのはきいたことがあるが、『お料理上戸』というのははじめてみた、といった人があるくらいだ。」
これを読んだ時、「うわっ、まるでメイだ!」
石井好子さんは続けます。
「しかし、好きと上手はべつらしい。私の作るものがいつでも成功とはきまっていない。」
これを読んで、「うわっ、ますますメイだ!」(笑)
私の母はよく言っていたものでした。
「ねえ、メイ、お掃除や片付けはマイナスをゼロにするようなものだけれど、
料理はゼロをプラスにする仕事でしょう?面白くないわけがないわよねえ。」
というわけで、ありがたいことに母の遺伝子はしかとメイに組み込まれ、無器用この上ない身でも、料理をすることによって随分と助けられてきました。一生懸命作っている間は余計なことなど考えませんし、期待通りにおいしくできればとても嬉しくなりますし、それを食べてくれる人がいれば単純に幸せになります。ですからこの一連の作業をメイは勝手に「料理セラピー」と名付けています。幸いなことに、このDNAはメイの子供たちにもしっかりと受け継がれ、今では彼らは私よりもルンルンと料理を楽しんでいます。いえ、料理で鬱憤晴らしをしています(笑)。
料理好きの人間にとって台所は大切な場所です。広かろうが狭かろうが、快適ならば厭いません。たとえばこれはシアトルの郊外の友人宅の台所。
優に日本の八畳間いえ十二畳ぐらいはあります。ここでも楽しいお料理タイムを持たせていただきました。窓の外に広がるのは広大な自然です。
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こちらは同じシアトルでも私たちが借りていたダウンタウンの家の台所。
居間から続く小さな台所でしたが、ここでも随分たくさんの料理を作りました。
台所と居間が繋がっている分、お客様との会話を続けながら料理を仕上げられます。
窓の外に広がっていたのは高層ビルです。
そして
冒頭の写真のように
夕暮れになればどちらも窓が染まりました。
メイの顔も染まりました。
思い出すたびにキュンとするキッチンメモリーです。
台所に胸キュンなんて人、あまりいらっしゃらないかもしれませんが(笑)。
最後に一言。
並みいる家事の中でも「料理」はダントツに面白いものです。
世の男どもよ、これを女だけに独占させておくにはもったいないとは思いませんか?
(と、まずは夫に言わなくちゃ(笑))
ご訪問をありがとうございました。
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