Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
雨でも晴れでも歩きましょう!
世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

問いかけている限り

2014-01-06 22:19:37 | 


昨年、たいせつな友を二人亡くしました。

一人は、私が昼夜逆転したワシントンにいるなどとは思わずに
寝静まった深夜、入院先の病院から電話をしてきました。
そしていつものように優しく
けれども、力のなくなった声で言いました。

「メイさん、僕、もうすぐ死ぬ。
 ありがとう。さようなら。」

突然のことにうろたえて、帰る日を告げて
成田に着いたらすぐに病院に飛んでいくことを約束しました。

約束の日は、じっとしていても汗が流れてくるような夏の日でした。
哲学者のようにいつも世界を考え、遠くの宇宙を見ていた友は
ますます細くなって、ベッドの上から大きな目で
同じように世界を考え、宇宙を見ているようでした。

何度か足を運んだ後に
見ていた宇宙に彼が旅立って行ったのは
成田から駆けつけた日の2週間後のことでした。

もう一人は私が心の底から尊敬する方でした。
1年前に余命を宣告された病と闘いながらも
おのが務めを毅然と果たし、慈愛とも言うべき優しさで
最後の最後まで美しく、周りの人たちへの心配りを忘れぬ人でした。
あれほどの方にはもうこの先出会うこともないでしょう。

メールや手紙でのやり取りを重ねながら
あんなに会う約束をしていたのに
間に合いませんでした。

先月、お通夜に駆けつけ、告別式に参列し
彼女の亡骸に語りかけ、花を手向けました。
驚くほどお痩せになっていましたが
それでもそれは、私が慕い、愛し、尊敬してきた人でした。

最初の悲しみの波がおさまって
次の波がやってくるまでの凪のような時間の中に置かれた今
とても不思議な感覚にとらわれています。

二人とも、今でもこの世界に一緒にいるような気がするのです。
毎日顔を合わせていたわけではありません。
何か月か会えない時だってありました。
そんな時と同じように思えるのです。

だって私は今だって
一緒に世界を語り、宇宙を語り
彼に問いかけているのですから。

「ねえ、どう思う?」
「ねえ、なんかおかしくない?」
「ねえ、素敵だよねえ。」

だって私は今だって
道に迷いそうになった時には
彼女に問いかけているのですから。

「どうしたらいいでしょう?」
「どう思いますか?」
「これでいいのでしょうか?」

問いかけている限り
たぶん
二人とも私と一緒に生きていてくれるのです。

ありがとう。


ご訪問をありがとうございました。
どちらでも一つ押してくださるととても嬉しいです。
どうぞ良い一日でありますように!


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