Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
雨でも晴れでも歩きましょう!
世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

嬉しい自分が生まれる~小池龍之介さんの言葉

2013-12-30 23:53:05 | メイの教訓


たまたまアメリカにいる時にネットで見つけて
すぐに申し込んだ講座がありました。
その方が語っている雑誌や
その方が書いた本を読んだりして
いくつもの好きな言葉に出会っていたからです。

それに、その講座ときたら
とても心惹かれるタイトルだったのですから。

「心のおおそうじ~『今に生きる』瞑想のワークショップ」

それが先週の金曜日、新宿の朝日カルチャーセンターで開催された
小池龍之介さんの講座でした。

小池龍之介さんと言えば、35才、東大出の青年住職さん。
さりげない言葉で
人の心の奥底の機微や、宇宙の真理を言い放ちます。

たとえば、、、、

過去はすでに過ぎ去った幻。未来も、未だ来たらざる幻。

正しいことを心の中に持ち、それによって己をストイックかつ美しく調律してゆくことと、それをわざわざ言葉にして他人にぶつける無粋さの間には、天と地ほどの差があるように思われます。
「正しいこと」は他者を攻撃するためや、自己の欲のために使われる瞬間に、もはや正しくもなんともない、猥褻なものに転落します。聞かされる側にとっては、迷惑この上ありません。


さて、そんな小池さんは、ダウンを着てマフラーをぐるぐる巻きにしても震え上がるような寒い夜に、着物と下駄姿で教室においでになりました。そして、すらりとした細見のお姿でふわりと演壇まで進むと、下駄を脱いで床にお座りになり、いきなり輪廻転生の話を始めました。

「70年から80年生きて、死んだら蛙とかに生まれ変わる?
 前世はオランダの貴族?
 でも、証拠出すのは難しいですよね。
 自分の前世は、知人の知人の占い師によれば料亭のおかみさんだそうです(笑)。」

小池さんは、と言うよりはきちんと「小池ご住職は」と言うべきなのでしょうが
まるで頭の切れる若き哲学者のような風情で
それなのにちょっと気が弱そうに優しくお話しになって
笑顔が実にチャーミングなものですから
つい「小池さん」と呼びたくなってしまうのです、すみません。

小池さんは、お話の途中で突然目をつぶって黙りこみます。
長い時は30秒以上も。
そしてまた話し始めます。
直にお話をうかがうのは初めてだったのものですから
無言が続くと、どうなさったのだろうかと、ドキドキしてしまいます。

ですからよけい
沈黙の後で口を開いた時の言葉を
耳が一生懸命とらえようとするのです。

とりわけ長い沈黙の後に放たれたのこの言葉は
とりわけ鮮烈に心に届きました。

「私たちは人生の中で何度でも生まれ変わるのです。
 嬉しいことを思いだす時には嬉しい自分が生まれます。」

今年もあと1日。
今、メイは小池さん、いえ、小池住職の
そんな言葉をなぞっています。

そして
今年の嬉しかったことを
たくさん思い出しています。


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向かい風に向かって飛ぶ

2013-12-29 23:35:30 | メイの教訓


何が何でも今日中に書き終えねばと
ねじり鉢巻き、時に肩こり解消マッサージチェアに身を沈め
誰もいないを幸いに
食事までをもキッチンから書斎に運び入れて
はい
ようやく全ての葉書を書き終えて
たった今、深夜の寒空の中、ポストに投函してまいりました。

かなり消耗しましたけれど
たくさんの方に語りかけることにより
自分自身とも対話ができた
良い機会となりました。
年賀状習慣、捨てたものではございません。

さあ、リラックスしてお気に入りのワインの栓を開けましょう。

あらあらもうじき日付が変わるじゃありませんか。
ということは?
あらあら今年もあと2日。

とならば
今日を入れて2013年最後の3回は
今年、私自身の心に深く残った言葉について
書いてみると致しましょうか。
どうぞお付き合いくださいませ。

まず本日は
つい先日、パイロットの友から送られてきた
いえ、贈られてきたこの言葉

「飛行機は向かい風に向かって飛ぶんだよ。
 前から風が吹いているってことは高く飛べるってことです。」

何の解説も致しません。
そのままずばりの素敵な言葉です。

皆様もどうか
向かい風に苦しんでいる時には
この言葉を思い出してくださいね。


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わけあって 手書きで始めた年賀状 思いもかけぬ 楽しさよ

2013-12-28 13:09:33 | メイの教訓


今年最後の週末、皆さまどのようにお過ごしですか?
「いやあ、暇で暇で」という言葉が一番似合わないのがこの年末の時期。
何だかんだとありますよねえ。

「これだけは年内に片付けなきゃ」などと言うのがたまりたまって
えっ? 年内ってあと4日?
しかも、メイの場合は、いつだって期間限定なものですから(笑)
日本に帰って来てからの日々の、まあ、せわしないこと。
おまけにまだ時差ボケですし(涙)。

そんな中でも、どうしてもこればかりは早いこと終わらさねば
大掃除も始められないと
目下大車輪で机に向かっているところです。

そうなんです、年賀状。

「今年から書かないことにしたの」
「年が明けたらいっせいにメールでご挨拶しようと思って」
「表も印刷、裏も印刷、手書きなんてやってられないよ」

そんな声も聞こえてくる中
メイは今年もせっせと書き続けております。
しかも、今年は以前にもましてオールドファッションで。

実は、長年「筆グルメ」というソフトを使っていたのですが
バージョンアップが何とやらで
今年はどうやってもこれまでの住所録が開けません。

と言ったって、開く方法はあるのでしょうが
機械音痴のメイがそれに費やす時間とストレスを考えると
ならば、この際、手書きで行こうとばかりに
今年のお正月にいただいた年賀状を見ながら
せっせと住所と名前を書き始めた次第。

プリンターで出せないことがわかった時には
その先の作業を思ってかなりへこみましたけれど
なあんだ、始めてみたらなかなか楽しいじゃないですか。

あ、この漢字、久しぶりに書いたなあ、、、
あ、○○さんの住んでる所ってここだったんだ、、、
あ、それにしても我ながら下手な字だなあ、、、、

などと思いながらペンを動かせば
不思議や不思議
お名前を書きながら、相手のお顔が浮かび、声が聞こえ
どうしていらっしゃるかなあ、などと
まるでお話をしているような気持ちになるのです。
それに、案じていたほどには書き上げるのに時間もかかりません。
時には書き損じて葉書を無駄にしたりもしますけれど(笑)。

もうひとついいことには
書いているうちに、なんだか心が静かに落ち着いてくるのです。

こんな経験、パソコンから「筆グルメ」で印刷していた時には
絶対にありえないことでした。

そんなことに痛く感動しながら
ちょっと一休み、新聞でも読みましょうかと
今朝の朝日新聞を手に取れば、あらまあ天声人語にこんなことが。

「手書き文化はたそがれて、年賀状ももっぱらデジタル機械が代行する。それゆえだろう、肉筆を見直す空気が生まれつつあるという。仕事納めもすんだ今日あたり、遅い宛名書きにいそしむ方もおられよう」

「賀状だけのつきあいが長くなり、もう面影だけの人もいる。思い浮べながら名前を書く。普段使いの字より少しかしこまった字を並べ、ひとこと添える。下手でいい、丁寧に、である」

そうそう、それそれ、と励まされて、ますます勢い込んで慣れぬ手書きに没頭するメイでした。さあて、休憩時間はこれにて終了。またペンを握ります。宛名は書き上げましたので、次は裏側。一枚一枚に、ひとこと、ふたこと、いえ時にはみことも、よことも、書き添えています。時間はかかりますけれど楽しい仕事です。


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クッキーは送れません!

2013-12-27 12:05:07 | 文化の違い
クリスマスからお正月への季節は、どこにいようと気忙しく流れていきます。
そしてそれは、家族や友人、お世話になった方々への感謝の気持ちを表す良い機会でもあります。メイも一人一人の顔を思い浮べながら、せっせとプレゼントを選びましたよ。直接手渡すことができなければ、郵便で手書きのカードを添えてお届けしています。

そんなある日のこと、ワシントンポスト紙にこんな質問が載りました。

「親戚に手作りクッキーを送りたいのですが。郵便で送るにはどんなクッキーがいいでしょうか?」

それに対する答がこうでした。

「クッキーを郵便で送るのはやめなさい。星型のクッキーも雪になってしまいます。ベタベタするクッキーならもっと柔らかくもっとベタベタになってしまい、おそらく形を留めなくなってしまいます。それでもどうしても送りたいなら、いちかばちかで、ショートブレッド、ぶ厚いジンジャークッキー、固くて長すぎないビスケットでお試しください。ハニーピーカンバーもいいかもしれません。」


こんなことが真顔で聞いたり答えたりされるのも、お国がら、季節がら?


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メリークリスマス!~キャンディーケインのお話

2013-12-25 08:17:45 | 文化の違い
今日がクリスマスなら、1週間後は大晦日。
大晦日と言えば紅白歌合戦。
紅白と聞いて思い浮かぶのはこんな幕。


「紅白幕は、ハレの舞台を演出するツールです。お祝い、めでたい行事に最適です。地鎮祭、安全祈願祭、竣工式、新装開店、お祝い事、結婚式やお祭り、卒業式(卒園式)、入学式(入園式)、祝賀会、記念日、入社式、新年会、お花見、祝勝会、などなどさまざまな用途でお使いいただけたらと思います。」(紅白幕の販売文)

アメリカでクリスマスシーズンによく見られるのが、同じく紅白のこんなもの。


「Candy Cane(キャンディーケイン)」と呼ばれるステッキの形をしたペパーミント味のキャンディーです。食べるばかりでなく、クリスマスツリーの飾り付けにも使われます。アメリカの友人たちは、「これを見ると、ああ、クリスマスだなあと思うわ。」とか、「子供の頃を思い出してちょっとおセンチになる。」などと言います。

どうやらこれ、歴史を遡れば、クリスマスツリーを飾るためにクッキーやキャンディーなどのお菓子を使ったヨーロッパにルーツがあるようです。キャンディーケインが登場したのも17世紀。

そんな風習が1800年代になってアメリカにわたりました。けれども、初期の頃は、この紅白キャンディーは何と真っ白だったというのですから、面白いですね。1900年以前のクリスマスカードには真っ白いキャンディーケインが描かれているのですって。現在のような紅白になったのは、20世紀始めのことでした

しかもね、もっと面白いことがわかりました。
スティックの形をしたこのキャンディー、ほらほら、上下をひっくり返せば「J」の字に見えるじゃないですか。


そうなんです。「J」とはイエスキリスト(Jesus)を表す文字。

ひっくり返さなければ羊飼いの杖の形。


こんなことも言われています。
白はキリストの純潔の色、赤は神の愛の色。

こうして、その形や色から、このキャンディーはいつしかクリスマスのシンボルとなりました。

メイもこの時期にはスーパーマーケットでキャンディーケインを買ってきます。
そのまま舐めるには喉を突きそうですので(笑)、もっぱらこんな風に使っています。

ジップロックに入れて、外側から擂粉木(すりこぎ)やスプーンでトントン叩いて砕きます。


そして、焼き菓子にまぶします。チョコレートとペパーミントの相性はなかなかですし、この紅白があるだけで、お菓子が一段と華やぎます。


ケイン(杖)の形はしていませんが、これもまた紅白のペパーミントキャンディーです。


こちらは年がら年中、見られます。
レストランの出口に自由に取って行けるようにおいてあったりもします。
でもこれがツリーに飾ってあるのは見たことがありません(笑)。

「J」の形の威力は大ですね。

これはメイの家のツリー。
キャンディーケインは飾っていませんが。


メリークリスマス!
どうぞ良い一日を!


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メリークリスマス!

2013-12-24 01:09:45 | シアトル


11月28日の感謝祭が終われば
町も人もそわそわと、クリスマスへと歩き出します。


広場では
はしゃぎ声がよく似合う回転木馬がまわり始め
音楽と一緒にぐるりと一周するごとに
クリスマスへと近づきました。


かと思えば
イルミネーションの下で
黙ったままチェスの駒を動かす老人たちがいて
駒を指すたびに
クリスマスへと時間が流れました。


海に面したパイクプレースマーケットでは
切り出して来たばかりの大きなモミの木が売られ
誰かがモミの木を1本買うたびに
クリスマスが近づいて来ました。


そして
今日になりました。

Merry Christmas!
どうか優しい一日を!


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December Fourteenのサーガ4@今度こそ肝に銘じた「メイの教訓」

2013-12-22 21:37:53 | メイの教訓


3回連続の後は、

「それではメイさん、こんなことが起きないようにするにはどうしたらよいの?」
「それでも起きてしまったらどうしたらいいの?」

に行きましょうね。
題して「今度こそ肝に銘じたメイの教訓」!

その1:貴重品は必ず身に付けること。
ほんの2~3秒だから、と思っても、時にはその2~3秒が今回のような事件に繋がることがあります。

(日本でファミレスのドリンクバーに立つ時は、いつだって貴重品の入ったバッグを平気で座席の上に置いたままでしたけれど、これからはやっぱり気をつけようかしら。)

その2:万一のできごとを想定して、自分のお財布の中にいくらぐらい入っているかを認識しておくこと。

(わたし、うろ覚えではっきり答えらずに、たぶん「300~400ドルぐらいです。」としか答えられなかったんです。)

その3:クレジットカード、銀行カードは、番号と紛失時の電話番号をきちんと手帳に書いておくこと。

(と言っても、その手帳も一緒に失くしてしまったりしたらちょっとお手上げ。メイは今度の一件で、PCの中にも記録ファイルを作りました。)

その4:紛失した場合は火急速やかにカード会社に連絡をすること。24時間対応をしてくれていますので、時差のある海外でもすぐに携帯電話から+81で日本に電話をしてください。

(「どうせサインをしなければ使えないのだから」とか、「どうせ暗証番号なんてわかるわけないから」などと悠長に構えているなかれ。メイはクレジットカードに漢字でサインをしていたにもかかわらず、何年か前のワシントンで、紛失してものの30分で宝石やらブランドバッグだのを買いまくられた苦い思い出があります。

また、イタリアのフィレンツェでは、鞄から抜き取られたお財布に入れていたシティーバンクのカードから、たった1時間で100万円近くを引き落とされていました。この場合は明らかにプロの手業です。

その5:そうした場合のためにできれば保険に入っておくこと。

その6:そして保険を請求するためには、必ず現地の警察に届けを出しておくこと。

以上が、「メイの教訓」ですが、もうひとつ大事なことがあります。
窮地を助けていただいた方々にはきちんとお礼の気持ちを伝えること。
できれば書いたもので。
そうすれば、その方々が上司や責任者の方にも見せることができます。

メイは、とてもよくしてくださったスーパーマーケットのチームリーダー、キースさんに、買った物の代金をお届けに上がるかたわら、上の写真のようなカードを一緒にお届けしました。

封筒を買う暇がありませんでしたので、2枚の折り紙を糊で貼りつけて封筒を作りました。
中にはカードを入れて、お礼の気持ちを綴りました。そして表の封筒と中のカードに小さな千代紙で鶴を折って貼りました。

最後はこう書きました。

I shall never forget the taste of your coffee.
(あなたにいれていただいたコーヒーの味は決して忘れないでしょう。)

最後に、親友のマリーからのメールをご紹介して、「December Fourteenのサーガ」を終わらせていただきます。

We're sorry the shopping caused so much anguish for May, but at least you were met with kindness at every turn after the theft and only money and purse were lost. Let's hope that the person who took it really needed it.

(メイが買い物途中で出会った事故はとてもつらいことだったでしょう。けれども、少なくとも盗難のおかげでたくさんの親切に出会いました。失ったのはお金とお財布だけでした。それを盗った人は、本当にそのお金が必要だったのだと思いましょう。)

マリーの言葉を読んで思いました。

クリスマスを迎えるこの聖き祝福の季節にこんなことが起きたなんて
もしかしたらラッキーなことだったのかもしれないと!

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 December Fourteenのサーガ3@メイ、生まれて初めてパトカーに乗る!

2013-12-20 01:55:39 | メイの教訓


「30分後に、制服を着たポリスオフィサーがやってきて質疑応答が始まりました。
不十分な答には、さりげなくキースさんが補足をしてくれます。一通り調書が取られると、ポリスオフィサーのキルビーさんが言いました。『お荷物もありますから、お宅までお送りしましょう。』」  (第二章:「メイ、キースさんに会う」より)

大きな買い物の山を前に、すっからかんになったメイの窮地を救った最初の人がキースさんなら、キースさんが地元の警察に電話をかけてから30分後、スーパーマンのごとく颯爽と現れ出で、次の窮地を救ってくれたのが、きりりとした制服姿のキルビーさんでした。
差し出された名刺には、こう書かれています。

XXXXXX POLICE DEPARTMENT (XXXXXXは町の名前)
X.X.KIRBY (X.X.はイニシャル)
POLICE OFFICER

ちょっと話題がそれますが、この「ポリスオフィサー(警察官)」という職名、昨今かなり敏感になっている「Politically Correct」(差別表現でない言葉)です。以前は普通に「ポリスマン」が使われていましたが、性差別であることから「ポリスオフィサー」が使われるようになりました。

スチュワーデス、スチュワードがいつの間にか「フライトアテンダント」と呼ばれるようになったのと同じです。こんなのもそうです。

チェアマン→チェアパーソン 
ファイアマン→ファイアファイター
ビジネスマン→ビジネスパーソン
キーマン→キーパーソン

あの名曲
ビートルズの「Please Mr. Postman」や「Tax Man」
ビリー・ジョエルの「Piano Man」
などは、今でしたらどうなるんでしょう(笑)。

さて、話を本題に戻しまして、、、、、

質疑応答による調書の作成が終わると、キルビー警察官との間でこんな会話が交わされました。

「どうやって帰られますか?」
「近くですので歩いて帰ります。」
「それでは車でお送りしましょう。お荷物もありますから。」

キルビーさんはひょいとメイの重いカートを持ち上げて、地下の駐車場への階段を下り始めます。そこに待っていたのは、まさかの、いえ当たり前ながら「Police Car」つまりパトカーでした。

私の荷物をトランクに入れて、「さあ、どうぞ」と助手席の扉を開けてくれます。
パトカーが走り出しました。メイは半ば緊張、半ばワクワク。
だって長い人生、パトカーに乗ったことなんて初めてなんですから。

あっという間に家について、キルビーさんが荷物を持って上がってきてくれました。
鍵をまわしてドアを開ければ、夫はいつものごとく書斎にこもって仕事中。
扉をノックすると、「遅かったね。」と出てきた夫。
私と一緒にそこに立っていたのは、ポリスマン、いえポリスオフィサー!!

そりゃびっくりしますよね。
後から聞けば、「てっきりメイが逮捕(補導)されたと思ってあわてたよ。」

結局、実に優しく、実に礼儀正しく、実にハンサムなキルビーさんは、我が家の居間で、私がクレジット会社と銀行にひとつずつ電話をして取引をストップしてもらうまで、じっと立ち合っていてくれました。

作業が終わって、お見送りのために玄関までお送りすると、くるりと後ろを振り返って、

「メイさん、○○には僕でも参加できますか?」

と、茶目っ気たっぷりに、メイが日本で開催しているイベントについて聞いてきます。

「もちろんですとも。あなたはいつでもVIP。大歓迎です!」

キースさんといい、キルビー警察官といい、本当に素晴らしい人柄の青年たちでした。

盗まれたお財布の中に入っていたのは、相変わらずのどんぶり勘定ですが、たぶん300~400ドル。この値段で我が身の非を学んだ上に、これだけの人情の機微に触れ、パトカー乗車体験までできたのですから、考えようによってはラッキーだったのかもしれません。

長くなりましたが、最後にひとつ。
この経験を翌日の客人たち、翌々日の友人たちに話すと、みんなこう聞いてきました。

「メイ、ポリスカー(パトカー)に乗ったのは後ろの座席?それとも助手席?」

ここで、またひとつ学んだのですが、後部座席に乗せられるのは罪人、助手席は守る人、なのだそうです。ほっ(笑)。

(いよいよ次は「第四章(最終章):今度こそ肝に銘じたメイの教訓」です。)


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December Fourteenのサーガ2@メイ、キースさんと出会う

2013-12-17 07:55:22 | メイの教訓


「カードもお金もなければ、山と積まれた商品の代金を払うこともできません。
それに「どうしよう、どうしよう。」とうろたえている間にも
誰かがクレジットカードを使ってしまうことだって
全くないわけではないでしょう。
まさにピンチです。」(第一章:メイの受難より)

山盛りのカートを邪魔にならないような場所に置いて
自分の足跡をたどるように、心当たりの場所を探し、聞いてまわりましたが、
探せば探すほど、聞けば聞くほど、途方に暮れるばかりです。

「カスタマーカウンターに行ってみれば何かわかるかもしれませんよ。」

との言葉にすがって行ってみました。
けれども、落し物にも忘れ物にもありません。
どうしてよいやらわからずに呆然と立ちつくしていたところに
現れたのがキースさんでした。

いただいた名刺には「Associate Store Team Leader」と書かれています。
私がことの顛末を話すと、キースさんは的確な質問によって状況を把握し
すぐにそれぞれの持ち場のスタッフにきびきびと指示をして
「Team Leader」という名の通りに、素晴らしいチームワークを展開してくれました。

「見つかりました!」という100に一つの願いにすがっていたのですが
結果は残念ながら、というか、当然ながら99の方になってしまいました。
がっかりしているメイにキースさんが優しく声をかけます。

「お腹が空いてはいませんか? 喉が渇いてはいませんか?
 何でもおっしゃってください。」

「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」

「でも飲み物だけでもいかがですか?」

「それでは熱いコーヒーを少しだけお願いできますでしょうか?」

「もちろんです。今すぐ持ってこさせますので、どうぞそちらで座って休んでいてください。その間に警察に連絡しますから。」

気持ちが動転していた私は手が震えていたのでしょう。
キースさんからコーヒーを受け取る時に床にカップを落としてしまいました。
恐縮して謝る私に、キースさんはにこやかに「気にしないでください。」と言って
また新しいコーヒーを頼んでくれます。

30分後に、制服を着たポリスオフィサーがやってきて質疑応答が始まりました。
不十分な答には、さりげなくキースさんが補足をしてくれます。
一通り調書が取られると、ポリスオフィサーのキルビーさんが言いました。

「お荷物もありますから、お宅までお送りしましょう。」

ふと見れば、山のようにカートに盛った品々が、いつの間にか私のショッピングカートとバッグの中に、レシートと一緒に移されています。あわててキースさんを追いかけて

「ま、まだお支払をしていません!」と言うと

「わかってます。必要なお品でしょう。今日はそのままお持ちください。都合の良い時に清算に来て下さればかまいませんから。」

「見ず知らずの私を信じてくださるのですか?」

「もちろんです。」

カードもお金も、お気に入りのお財布も失いましたが、それとひきかえに、もしかしたらもっと大切なものを与えられた気がしました。キースさんが持ってきてくれた熱いコーヒーの味は、一生忘れないでしょう。

キースさんは、澄んだ目をした、背の高い黒人の青年です。

(いよいよ次は「第三章: メイ、生まれて初めてパトカーに乗る!」へと続きます。)


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December Fourteenのサーガ1@メイの受難

2013-12-16 06:24:49 | メイの教訓


浮足立っている時というのは
やっぱり心にも体にも隙があるのでしょうか。

昨日の私は、日曜日に4名のお客様を迎える準備で
メニューを点検したり、買い物リストを作ったり
テーブルディスプレーを考えたり、掃除をしたり
あわただしく動き回りながらも
どこか浮き浮きとしていました。

だって
大好きな友人たちに会えるのですし
みんなに喜んでもらいたいとも思っていた上に
お料理のアイディアが次々と湧いてきたのですから。

長い買い物リストを手に
雨が降り出す前にと急かされるように
馴染みのスーパーに急ぎました。
量も重さも嵩むだろうからと
ガラガラと引くショッピングカートと
それでも足りないかもと、大きな買い物バッグ。
内ポケットもないバッグの中に、リストとペンとお財布と
メガネと鍵と電話だけを入れました。

さてここまでが「サーガ(長編冒険談)」の序章です。
この先展開される物語は
メイをよく知っている人なら、「えっ、性懲りもなくまたぁ?」とあきれるでしょうし
メイを知らない方ならば、「かわいそうに」と同情してくれるかもしれません。

とにかく始めましょう。
我が身の失態を正直にご報告して
最後にはちゃんと

「こんなことが起きないようにするにはどうしたらよいか。」
「それでも起きてしまったらどうしたらよいか。」

について
今度こそ肝に銘じた「メイの教訓」をお話ししますからね。

「December Fourteenのサーガ」はたぶんこんな風に展開されると思います。

第一章: メイの受難
第二章: メイ、キースさんと出会う
第三章: メイ、生まれて初めてパトカーに乗る
第四章: 今度こそ肝に銘じた「メイの教訓」

本日はまず、第一章の「メイの受難」を手短かに。

スーパーに着いて、大きなカートの下の段に自分のガラガラカートを押し込んで、
上の段には買い物バッグを載せました。
シアトルのスーパー「Trader Joe」で5ドルで買った上の写真のバッグ、
お値段の割には、なかなかしっかりとできているのです。
もちろんジッパーでしっかりと閉められます。

まずは青果コーナーで
ジャガイモ、タマネギ、セロリ、トマト、にんにく、生姜、アボカド、大根、紫玉ねぎ、ざくろ、かぼちゃ、リンゴ、リーク、グリーンオニオン、ルッコラ、レモン

これがリストに書いてある通りに並んでいるならよいのですが
アメリカサイズの広い売り場のあっちにこっちにとあるものですから
その都度、大移動をしなければならないのです。

今にして思えば
たぶんリンゴからレモンに行く時にも
ルッコラからアボカドに行く時にも
ざくろからカボチャに行く時だって
ちょこっとカートを離れて
買い物ゲームのように買いたい物を取りに行っていたんですね。

でもね、ちょこっとなんですよ、ちょこっと。
それに他にもたくさんカートを押して買い物している人たちがいたんです。

さてさて、リストの物を全部そろえて
いざレジに並んだら、、、、、、、、、、!!!!!!!

どこをどう探しても
何をどうひっくり返しても
お、お、お財布がありません。
かなり大きな横長の、かなり目立つ緑のお財布です。

信じられない、信じられない、信じられない、と
涙ながらに何回呟いたところで、まるで魔法に会ったかのように
大きなカバンの中に入れていたお財布がないのです。

お財布の中に入っていたのは
クレジットカードが二枚と、世界中で使えるバンクカードが一枚と
ああ、よりにもよって出かけに無造作に突っ込んだ100ドル札が何枚か、、、、、

カードもお金もなければ、山と積まれた商品の代金を払うこともできません。
それに「どうしよう、どうしよう。」とうろたえている間にも
誰かがクレジットカードを使ってしまうことだって
全くないわけではないでしょう。
まさにピンチです。

(いよいよ次は「第二章:メイ、キースさんと出会う!」へと続きます。)


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