前回に続いて言葉の話をもうひとくさり。
何年か前にヨーロッパの大学で日本語と他のいくつかの言語の違いについての講演を頼まれました。と言ったって、メイは言語学者ではありませんからアカデミックなことなんて話せません。その旨お伝えしたら、「専門家でない『普通の人』のメイさんが気づいた面白おかしい話をお聞きしたいのです。」と言われ、断れなくなってしまいました。
日本語について皆さんがまず驚くのは、何と言っても、「あ」から始まり「ん」で終わる日本語アルファベットの数の多さです。だって、英語なんてたった26個ですからね(笑)。しかも、日本語にはひらがながあってカタカナがあり、その上漢字があります。
ここらへんの導入だけで、皆さん目が丸くなりますが、「小学生だって千字以上を覚えなければなりません。しかも音読みがあり訓読みがあり、、、、、」、などと例を示したりすると、今度は皆さん、開いた口がふさがらなくなります(笑)。心中、「ああ、日本人でなくてラッキー!」などと思っているのかもしれませんが。
日本語についてのQ&Aは、海外暮しの中ではしばしば登場します。メイが本を開こうものならみんな覗き込んで興味津々。上から下へ読むのも珍しければ、右ページから左ページへ進むのも面白い。けれども、やはり一番受けるのはこれでしょうか。
わたし、わたくし、ぼく、おれ、わて、おいら、おいどん、それがし、あたし、わい、うち、自分、手前、拙者、、、、、
と、まだまだ続く一人称のバラエティー
二人称だって
あなた、あんた、あなた様、君、おまえ、おまえさん、きさま、おたく、そちら、そちら様、お宅、おぬし、、、、
こんな鋭い質問をされたこともあります。
「それなら、翻訳や通訳をする人とか、映画の字幕を作る人はどうやって正しい言葉を選ぶの?」
What a difficult question!
いったいどう答えたらよいのでしょう。
ところで、私たちの日本語でいつも面白いと思うのは、第三者に語る時の配偶者の呼称です。何となくご夫婦の立ち位置や力関係や、ほのぼのとしたはにかみがにじみ出ているように感じます。これもまた、英語では決して味わうことのできない余韻ですね。
妻が、、、、
家内が、、、、
女房が、、、、
うちのが、、、、
連れ合いが、、、、
ワイフが、、、、、
夫が、、、、、
主人が、、、、
亭主が、、、、
うちのが、、、、
連れ合いが、、、、
旦那が、、、、
宅が、、、、
皆様はどれを使っていらっしゃいます?
あるいは将来どれを使いたいですか?
メイですか?
メイは一番シンプルに、「夫が、、、、、」あるいは「主人が、、、、」を使います。
あるいは、「○○○が、、、、」と名前を入れてしまいます。
(たまに照れ隠しで、「連れ合いが」とか「相棒が」などと書く時もないわけではありませんが。)
ある時、学生結婚をした若い女子学生にインタビューをしたら、「旦那が、旦那が」と旦那を連発するので驚いたことがあります。
先日、人から勧められた本を読み始めたら、ご主人様の事を最初から最後まで「大切な人が」という呼び名で書いていらして、これにもちょっとムズムズしてしまいました。
昨日の新聞の漫画家の方のコラムでは、ご主人様はこんな風に呼ばれていました。
「オットの人に褒められ、わたしは急に気が大きくなった。」
どうもこうした表現は、話し手、書き手の恥じらいが伝わってきてしまって、こちらもついおどおどと恥らってしまうのです。
やっぱりあまり色のついていない呼び名がいいかなあ、、、、、
ですから夫には一番シンプルに「妻」と読んでもらいたいかなあ、、、、、
たとえば誰かに紹介される時
英語では「This is my wife」は当たり前ですが
「これがワイフです。」と言われたらちょっといやだな、、、、、
だって目の前に「猥婦」という漢字が浮かんでしまうんですもの(笑)。
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