Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
雨でも晴れでも歩きましょう!
世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

真夏の日本庭園での思い@シアトル

2018-07-29 08:09:35 | シアトル
珍しく日本を思い出させるような夏日に
車を走らせて、メイおじさんとふたり、ふらりと行きたくなったのが
「Seattle Japanese Garden」でした。

れっきとした日本庭園です。


アメリカには、いえシアトルには
こんな所もあるのです。


ちょっと歴史を振り返ってみれば
ここに、この日本庭園を作ろうという決定がなされたのは
1937年のことでした。
まあまあ、なんと戦前ではないですか!

けれどもそれから紆余曲折
実際に資金集めが始まったのは、戦後になってからの1957年。

そしてその2年後に、ようやくこの地に住む二人の日本人が設計を始め
地元のアメリカ人たちが造営を手伝い
東京都から茶室を作るための寄付をして貰ったりしながら
1960年に完成したのです。

その後、驚くべきことが起こりました。
日系の人たちと、アメリカ人の賛同者たちの
希望と苦労が身を結んだこの「対戦国」アメリカでの「日本庭園」が
1973年に放火により焼失してしまうのです。

そんな歴史をたどっていくうちに
気楽な気持ちで訪れた場所で
造営に当たった三人の名前を見ながら
胸がだんだんと締め付けられて行きました。

ウィリアム・ヨロズ
リチャード・ヤマサキ
ケイ・イシミツ

そして、、、

1980年に焼失した後に再建の労を取ったのが
ヤマノリ・フレッド・スギタ

2001年に改修の際に監督をしたのが
コウイチ・コバヤシ

今ではこの公園はシアトル市の所有となり
シアトルを代表する大学であるワシントン大学が
運営の中心を担っています。

一般公開は朝から日没まで。
ただし冬季は閉鎖です。

もしもシアトルに足をお運びになる機会がありましたら
この公園を築いた日系人の人たちの思いを胸に描いて
静かに歩き回ってみてください。


入園料は6ドル
学生とシニアは4ドルです。
それらはみな、この歴史的な庭園を保つのに使われています。


美智子皇后がまだ妃殿下でいらっしゃった若き時代に
この庭園をお訪ねになられた記念碑にも出会いました。


3分間のご休憩

2018-07-20 16:38:45 | びっくり!
たまった新聞を整理していたら
見過ごしていたこんな面白い記事を見つけました。


6月23日の「The Seattle Times」ですが
よく見れば元々の出典は「The New York Times」です。

まずはアップした写真をご覧くださいな。
ほら、なんか見覚えがある風景でしょう?
メイおばさんなんて、これを見た瞬間に里心がついてしまいましたよ(笑)


表題は「3-minute break from work heard around Japan」

「日本中、3分あれば休憩時間」

みたいなことかしら(笑)。

ざざっと目を走らせてみましたら
記事自体は日本のサラリーマンたちの
ものすごい働きぶりについてでした。

トイレを我慢したり
通勤電車の中で寝るのは当たり前どころか
オフィスでだって居眠りをしたり
一月で159時間もの残業をしたあげく
31歳で過労死してしまったり、、、、

そんなことを引き合いに出しながら
それらの根底にあるのが日本流の美学ではないかと言うのです。

「You are diligence and commitment:
You are working yourself to the bone.」

つまり「骨まで働け」= 「身を粉にして働け」ということ。

159時間とまでは行かずとも
月80時間の残業を余儀なくされて
帰りたくとも上司の目を気にして帰れない人たちもいて、、、

読み進めてみれば、2015年、24歳の若さで
過労から自殺の道を選んでしまった
電通の新入社員、高橋まつりさんまで出て来ます。

「シアトルタイムズ」のこの記事では
残業上限時間の設定等、日本が取り組もうとしている課題に触れてはいますが、
同時に、変えようとしてもそうそう簡単には変えられらないことが
こんな幹部社員の言葉で表されています。

「We shouldn`t hire such a person who leaves the desk during working hours.」

「It is our obligation as public servants to devote ourselves to the work.」

要するに

「残業をしない者は雇わない。」
「公務員である以上は仕事に身を捧げるのが義務」

確かに、アメリカでもイギリスでも
電車の中で眠っている人というのは
あまり見かけたことがありません。

まあ、眠っても大丈夫なほどに
日本が安全な国だということでもあるんでしょうねえ。

メイおばさん、先日ワシントンDCで
ちょっと遠くのショッピングモールまで出かけて
帰りの電車の中でついウトウトしていたら
知らないおばさんに肩を叩かれて言われましたよ。

「目を覚ましてお荷物しっかり抱えていた方がいいですよ!」

そこでにわかに現実に戻って
しっかり買い物袋を抱え込みました。

「いけない、いけない、ここは日本じゃなかった!」

シアトルもようやく夏らしくなって来て
「The Seattle Times」紙の紙面にも
こんな写真が載るようになりました。


見苦しくてごめんなさい。
デジカメが使えなくなって、慣れないiPad miniで写真を撮っているものですから
写真の編集の仕方がまだわからないの(涙)。
メイおじさんに聞いてもわかるわけないし、、、
すみません、もう少々ご辛抱くださいな。

やっぱりカメラを買い直すしかないかなあ、、、

怖いものある?

2018-07-16 15:30:31 | びっくり!
苦手なものあります?
怖いものあります?

大方のものとは折り合いをつけるられる太っ腹の
あるいは鈍感なメイおばさんですが
子供の頃からひとつだけ苦手な生き物がいました。

もっと正確に言えば、ただそこにいるだけで怖いもの。
トイレに入る時には、どうしよう、どうしよう、あれがいたら。

天井にでも見つけようものなら
どうしうよう、どうしよう、あれが落ちてきたら。

昔の木の家というものは
そんな所が多かったのではないかしら。

そんなメイおばさんも大人になってからは
ずいぶん強くなりました。
いえ、鈍感になりました(笑)。
とは言え、正直やっぱりちょっと身がすくむこともあります。

このシアトルのガラス張りの家には
町が朝日に染まり出すと
そんなお客様が毎朝ご挨拶に見えられます。

丘の上の30階の窓の外。
ダウンタウンの摩天楼も、その向こうの海も山も
朝焼けに染まるガラス窓の向こう側に

たった一本の糸に身を委ねてふわりと飛んで来ては
しばし身を休め、またフワリといなくなります。

なんだかお分かりでしょうか。
蜘蛛、クモ、スパイダーさんでございますよ。


いつの間にやらすっかり慣れて

「よそ見をして落ちないようにね。」だとか
「今日も良い日をね。」だとか
「気をつけて行ってらっしゃい。また明日ね。」


などと話しかけるようになりました。
今ではすっかりメイおばさんの朝友です(笑)。

驚きのシアトル本屋さん!

2018-07-12 15:45:46 | びっくり!
ここシアトルもだいぶ夏らしくなりました。
と言ったって、たとえハンカチを忘れたって大丈夫なぐらいに
汗をかくこともありませんが。

とはいえ日焼けは気になりますから
メイおばさん、顔には日焼け止め下地を塗りますし
目を守るために柄にもなくサングラスをかけます。

ワシントンDCの主治医の先生のご紹介のメガネ屋さんで
きちんとした遠近両用のサングラスを作ってもらったのが
ここシアトルでもとても役に立っています。

昨日もサングラスをかけて
ガラガラとカートを引きずって
「International District」と呼ばれる一角にある
紀伊国屋に繰り出しました

本屋さん大好き。
たとえ読めない言葉が並んでいる国でだって
本屋さんにいくのが大好き。

昨日、つい足を止めて立ち読みしてしまったのが
このコーナーでした。


ほらほらみてみて
すごいと思いません?
ワシントンDCでは絶対にありえないことが
ここシアトルでは夢かと思うぐらいにこんな風!
そりゃ足を止めてしまいますよねえ。



そしてやっぱりこのコーナー、「料理・健康」


えっ何ですって?

それってもしかしてメイおばさんへの嫌味のつもり(涙)?

次に興味津々で「女性誌」。


圧倒的な存在感で並ぶのがこれです!
「Manga」、はい、もちろん漫画です。
しかも中身は日本語。


ついでに見つけましたよ。
これはもうアメリカでは、シアトルだろうがワシントンだろうが
完全に英語として定着しています。


Sudoku
Origami
Haiku
Ikebana

うわあ、なんだなんだこの棚は!!!


「日本の歴史
もーっと日本について詳しくなりたいそこのあなたにオススメ!」

ですって!
も、もしかしてそこのあなたってメイおばさんのこと?
「詳しくなりたい」じゃなくて「詳しくならなければいけない」と言いたいわけ?

そして面白いのはこのコーナー。
「Learning Japanese」という分類のごとく


これ、全て日本語を学びたい人のための本です。


ドサクサにまぎれてこんなのまであったりして(笑)


ついでにこのコーナーも見てください!
ここ、アメリカの、シアトルの、本屋さんですよ。


「第158回 芥川賞受賞 『百年泥』」

「第158回 芥川賞受賞 『おらおらでひとりいぐも』」

ついパラパラとページをめくりながら
えっ、もしかしてここ新宿の紀伊国屋だった?
などといっとき自分がどこにいるのかがわからなくなりかけた
アイデンティティ クライシス(大げさ?)のメイおばさんでした。(笑)


たまたまサンドイッチを作れること

2018-07-07 04:09:10 | メイの教訓
最近アメリカに来るたびに
ホームレスの人たちが増えているように感じます。

犬を連れた人もいますし
通りすがる人と顔を合わせないように
下を向いたままの人もいます。
かと思えば、毅然として前を見て立っている人もいます。

それぞれに事情があってのことでしょう。
シアトルの友人たちはこんなことを言います。

「アマゾンも、マイクロソフトも、スターバックスも、コストコも
 みんなシアトルから始まったの。
 ボーイングだって本社はシカゴに移したものの、まだまだシアトルが一大拠点。」

「そうした大きな会社はペイもいいから、どんどんとシアトルに人が集まる。
 不動産屋はどんどんと値をあげる。
 それでも家賃を払える人たちはいいけれど、いざ失業でもしたら大変なことになる。」

「通りに立っていたり座っていたりするホームレスの人たちだって
 ついこの間までは私たちと同じように普通に生活していたかもしれないのよ。
 私たちがたまたま運がいいだけ。」

そんな思いを抱くこのコンドミニアムの住人たちが集まって
最上階の共有ルームでせっせとサンドイッチを作りました。


パンを買う人、チーズを買う人、バターを買う人
ビニール袋やジップロック等の必需品を買う人
あらかじめ役割分担がなされています。


作るのはごくシンプルなサンドイッチです。
サンドイッチ用に切られた食パンの上にバターをぬって
チーズをのせて、ハムをのせて
もう一枚のパンで挟みます。


これがメイおばさんのテーブルです。

仲良しのヘレンと組みました。
隣のテーブルから小さな女の子が助っ人に来てくれました。

と言っても黙ってニコニコしているだけですが(笑)。

6つのテーブルで山のように作られたサンドイッチは
ジップロックに小分けにされてから
ビニール袋に入れられました。

そして、それらのビニール袋は
幹事さんたちの手で
ご近所の教会に運ばれました。
そして教会の方々と一緒に、ホームレスの人たちへと
手渡されました。

ごく自然にそんなことができること。
どっちが上でどっちが下だとか
そんなこと全く関係なく
たまたまサンドイッチを作れる人が
たまたまサンドイッチを必要な人に届ける。

今のメイおばさんは、ありがたいことに
たまたまサンドイッチを作れる人です。
それならやっぱり作らなきゃ、、、






印象派美術館発 イギリス風パブ着

2018-07-03 23:33:16 | 絵、音楽
お日様の光に満ちた、あまりに素敵な窓の向こう。
そんな日に、どうしてじっとしてなんていられましょう。

そう思ったのはメイおばさんだけでなく
メイおじさんも同じだったようです(笑)。

「メイ、『FRYE ART MUSEUM』で印象派をやってるよ。」

あら、それならすぐそこの歩いてすぐの美術館じゃない。
行きましょう、行きましょう!


そんなノリで浮き浮きと出かけて
そんなノリで絵をたくさん見て、、、


ワシントンでもシアトルでも
こんな風に軽く足を向けることのできる美術館が
たくさんあるのはなんて嬉しいことでしょう。

およそどこだって行列なんてしてませんし
およそどこだって入場料も要りませんし
ロープもありませんから、かなりの至近距離で見られます。
好きな絵の前に好きなだけ立っていられます。


美味しいものをたくさんいただいたような気分で美術館を後にして
なんとなく吸い込まれるように入ってしまったのは
典型的なイギリス風パブ。


中に入れば
薄暗い店内の四方に据えられたテレビの画面に
お客がみんな夢中になって見入っています。

いつの間にか私たちも
カウンターで地ビールなど飲みながら
一緒になってワイワイと。


メイおばさん、サッカーなんて
ルールも何もからっきしわかってないけれど
それでも一緒に盛り上がって
楽しく過ごしたお昼時。

イングランドとコロンビアの対戦でした。
いえ、対戦らしかったです(笑)。