Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
雨でも晴れでも歩きましょう!
世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

ラスコーIVへの道

2016-11-06 15:24:07 | フランス
「続きはまた明日」なんて言いながら
ごめんなさい、「明後日」になっちゃって。

「Lascaux (ラスコー)」の話を続けます。
このフランスの南西部、ペリゴール地方にある数ある洞窟の中でも
飛びぬけて知名度の高い「ラスコー」が
つい76年前までは誰にも知られていなかったなんて
信じられます?

しかも発見したのは考古学者でもなければ、歴史家でもなくて
犬の散歩をしていたごく普通の4人の少年。
ラスコーに行けば彼らの写真が見られます。

実は、入場料を払って

専門のガイドの後について
ぞろぞろと入る洞窟は本物の洞窟ではありません。
限りなく本物と同じになるように精密に作られた複製なのです。

初めはちょっとがっかりしましたけれど
そりゃ当たり前ですよね。
1万7千年も前に壁画が描かれた本物の洞窟はまさに世界遺産。
できるだけ劣化を防がなくてはなりませんもの。

それでも1962年までは一般開放をしていたようですが
1963年からは閉鎖をされています。

それが本家本元「ラスコーⅠ」だとすれば
複製されたのは200メートルほど離れた場所に作られた
「ラスコーⅡ」です。

「ラスコーⅡ」の規模をはるかに上回る洞窟原寸大の複製「ラスコーIV」も目下最後の仕上げ中。

今年の6月に完成のはずだったのですが
作業の遅れが「なんとか年内には」となり
いよいよ「12月14日」に決まったようです。
これでまた「ラスコー人気」が高まることでしょう。。

ところで、ちょっと整理をすれば
「Lascaux Ⅰ」は本家本物。
1963年以降は閉鎖されて一般の人は入れなくなりました。

「Lascaux Ⅱ」は同じ敷地内に作られた、誰でも見学できる精巧な複製洞窟。
ただし再現されているのは「Lascaux I」の一部。
英語とフランス語のガイドなしで勝手には入ることはできません。


「Lascaux IV」は12月14日にオープンする予定の
洞窟全体を完全再現した大規模なもの。
洞窟発見からの歴史をたどる展示室や3Dシアターまであるそうな。

ねえ、ここで???と思いません?
どうして「Lascaux Ⅲ」がないのかしらって。

メイおばさん、素朴な疑問を現地でメイおじさんにぶつけてみたら
こんな答えが返ってきました。

「Good question! それはね、Ⅲは世界を回る『Lascaux』だからさ。
 たしか日本にも今年の冬に『Lascaux Ⅲ』が行くのじゃなかった?」

というわけで
フランス南西部のラスコー洞窟の壁画を、
最先端の技術を駆使して高精度に再現した「世界遺産 ラスコー展~クロマニョン人が残した洞窟壁画~展」が
現在上野の国立科学博物館で開催されているわけです。


ところで
今メイおばさんがこれを書いているPCのマウスが乗っているのは、
お気に入りのこんなパッドです。


いくら複製とは言え、暗闇の中に突然現れる躍動感あふれる色鮮やかな動物たちに息を飲んだメイおばさん
ふだんはあまり「お土産物」の類は買わないのですが、ついつい衝動買いしてしまったのでした(笑)。

以来7か月、行く先々に持ち運ぶほどの「お気に入りパッド」となりました。



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なぜかパリのディズニーランドに、、、、、

2016-10-20 21:46:23 | フランス

急に冷え込んできたロンドンで
案の定、風邪をひきました。

まさかこの時期にまだコートは早いだろうと思って
薄手のダウンとカーディガンしか持ってこなかったのです。

けれども
何とか持前の気力&体力で大事に至らずに乗り越えられることを信じて
無謀にも行ってきましたよ。
どこかと言えば、、、、、、

その1:そこに行くにはロンドンからユーロスターという超特急に乗っていきます。


その2:途中でドーバー海峡を越えます。

その3:ユーロスターの始発駅はロンドンのSt Pancras駅


    
終点はDisneyland Paris駅です。
    
あら、これでもうばれちゃいましたね(笑)。

10時14分、ロンドンを発った最高時速300キロの超特急ユーロスターは、途中、ほとんど乗り降りもない小さな駅に止まった後、

11時25分、いよいよドーバー海峡の海中トンネルへと入り、何の景色も見えない海の中のトンネルを時速160キロで30分ほど走った後に、ヨーロッパ大陸へと上陸します。

この間に1時間の時差が発生し、フランス側の終点に到着するのは現地時間の14時2分です。走行時間は約3時間です。

終点は「ディズニーランド駅」ですから、このユーロスターの乗客は全員ディズニーランドが目的です。
ロンドンで列車に乗り込む時点からすでに例のミッキーやミニーの耳付きヘアバンドなどを頭に乗せている人たちがたくさんいます。

驚いたことには

*パリのディズニーランド駅はディズニーランドの中にあります。
 ですから駅から降りればもうランドです。



*駅で荷物を預ければ、ホテルの部屋まで届きます。
 つまりユーロスターから降りた5分後からは身軽にランドで遊べます。


*ヨーロッパにひとつしかないディズニーランドですのに、混み合っているわけでもなく、人気アトラクションをもたいして待たずに体験できます。

*ランドの上をたくさんのカモメが飛んでいます。

*3日間いてアジア系の人たちに会うことは全くありませんでした。
その代わり、いろいろな言葉がまわり中から聞こえてきます。
フランス語、英語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、ギリシャ語、、、、、

メイおばさん、正直なところディズニーランドは苦手です。
けれども渡る世間には「しがらみ」というものがありまして
どうしてもランド内のホテルに泊まって
3日間たっぷりとランドで過ごさなければならなかったのです。

そんな経緯はまたおいおいと、、、、

とにかく一言、ふ~っ、疲れました。


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ボルドー美術館の贅沢

2016-04-06 06:26:08 | フランス
美術館での贅沢は
知っている作家の、知っている作品の本物を見られる時。

もうひとつの贅沢は
並びもせずに、背伸びもせずに、人の動きに合わせもせずに
自分の時間、自分の距離で鑑賞ができる時。

加えてもうひとつ言うならば
ワシントンDCのスミソニアン美術館・博物館群のように
いつ行こうが、何回行こうが入館無料の時。

先日のボルドー美術館は、最初の2つを完璧に備えていました。
元々は大司教の宮殿だった建物の庭園をはさんで
こちらとあちらに二つの建物があります。

中で繋がってはいませんから
こちらの建物の展示から、あちらの建物の展示に行くには
美しい中庭を歩きます。


ルネッサンスのイタリアから
20世紀のヨーロッパまでの絵画や彫刻の中には
中学、高校の美術の教科書にまで出てくるような
著名な画家の作品もたくさんあります。

セザンヌ、ゴッホ、マティス、ピカソ、、、、、


それを人けのない部屋でかなり至近距離まで近づいて見ることができるのです。
いいんでしょうか、とビクビクしてしまうぐらい(笑)。
写真を撮るのも自由です。

閑散とした部屋をひとつずつ歩きながら思いました。


キリストは血を流し
聖母マリアは幼な子を抱き
セバスチャンはイレーネの胸に抱きかかえられ
ゴリアテの生首をダビデがつかみ

かと思えば

ゼウスがいて、ポセイドンがいてアフロディテがいます。

いかに聖書とギリシャ神話の場面の多いことでしょうか。
西洋の文化がまさにこの二つの上にあることが
素人ながらに見て取れます。

けれども、この美術館ならではの興味深い作品といえば
やはり地元のボルドーの画家が18世紀ボルドーの風景を描いたものでしょう。

この大きな絵はとりわけ面白く


近づいてみれば


もっと近づいてみれば、いろいろな人たちがいて
この時代の階層社会がわかります。


けれども、建物は21世紀の今とまったく変わりがありません。


ところでこの贅沢な美術館、「Musee des Beaux-arts(ボルドー美術館)」ですが
入り口のドアノブがまた、、、、、、、、


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ロートレックの「Albi」(アルビ)の町で

2016-03-31 23:20:11 | フランス
南フランスの中世の面影を残す小さな町「Sarlat」(サルラ)から
南東へとひたすら車を走らせたのは
もう随分前のことにも思えれば
ついこの間のことのようにも思えます。


菜の花畑の黄色が美しい頃でした。


走行距離にして約180キロ。
目的地は「ALBI」(アルビ)。
ロートレックが生まれた小さな町です。

タルン川のほとりのこの町には
ある種のたたずまいがありますから
ただブラブラと歩くだけでも面白いのですが

そんな町は至る所にありますから
何も180キロも走ることもなかったような、、、、(笑)

この町の見どころとしてあげられているのは
ロートレックの作品を中心に展示している
「Musee Toulouse-Lautrec」(ロートレック美術館)と


13世紀に着工されたという「Cathedrale Ste-Cecile」(サント・セシル大聖堂)です。


美術館の方は
「生まれた所だからといってだから何?
ロートレックの作品を見せるならば
もう少し別の演出もあるんじゃありませんか?」
と、突っ込みのひとつも入れたくなるようもの。

13世紀に司教館として建てられたという
建物の方がよっぽど心に響いたりもして
そして、建物の窓から見える風景の方によほど心動かされたりもして。


まるで要塞のように威容を示す大聖堂は
中に入れば居心地が悪くなるぐらいに圧倒的で


それでも勇気を出して祭壇に進めば
そこにあるのは大きな地獄絵。


この絵の前で祈る時、人々は何を考えるのでしょう。


凡人の私ならこんなことかもしれません。

「どうか、神様、私をこんな地獄には連れて行かないでください。
 悪いことは決してしませんから。」

メイおばさんはやっぱりパラダイスの絵の前で祈りたいなあ。

「どうか、神様、私をこんな素敵な所に連れて行ってください。
いいことをたくさんしますから。」

まあまあ、いろいろな意味でこれもまた面白い「Albi」(アルビ)の町でした。

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ヨーロッパで一番高いピラ砂丘で

2016-03-25 20:23:08 | フランス
「砂漠」と言う言葉から思い浮かべるのはどんなこと?
メイおばさんなら

ナミビア、サハラ、ゴビ、タクラマカン。

フランク・ハーバードが書いた長い長い6部作「Dune」(砂の惑星)。

「砂漠が美しいのはどこかに井戸をかくしているからだよ。」
という星の王子様のことば。

そして、、、、、

「月の砂漠をはるばると 旅のラクダが行きました。」
というあの哀調に満ちたメロディーとロマンチックな歌詞。

いずれにしてもどこか神秘的で、どこかロマンチック。
もちろん実際にはそれどころではないことは百も承知ですが。

登って来ました、砂漠に。
いえ、ゴビでもサハラでもナミビアでも
まさかのタクラマカンでもなく
フランスの大西洋に面した海辺の町「アルカション(Arcachon)」です。


ここは牡蠣の産地として知られる小さな町。
夏はバカンス客で大盛況だそうですけれど
この時期は嬉しいぐらいにひっそりとしています。

この町のはずれに
ヨーロッパで一番高い砂丘、「Dune de Pilat」(ピラ砂丘)があります。
たとえ「一番高い」などという予備知識がなくたって
えっ!と思うような砂の斜面がそそり立っています。


ここを登ります。
靴が砂に埋もれます。

足を上げるのにも力が必要です。
油断をすると上げた拍子にずるっと下に滑ります。

これをひたすら繰り返して行くと
息が切れてきます。
そして右手の急斜面越しに防風林の林と海が見えてきます。


ここらへんで歩くのはもう無理になります。
ならばと四足歩行、つまり四つん這いになります。

靴を履いた足とちがって
手は滑りませんが、ついた両手が深く砂の中に埋まっていきます。
それを引き抜くのにまた力が要ります。

バランスよく座って靴を脱ぎ
中にたまった大量の砂を振り落します。
靴がかなり変形しています。


連れ合いはふもとでとうにリタイアしました。

「メイ、気を付けて登っておいで。
 僕はあそこの店でアイスクリームを食べているから 
 時間のことは気にしなくていいよ。」

たしかに、この観光地化した砂漠のふもとには
お土産屋さんがずらりと並んでいるのです。
かなり興ざめですけれど(笑)。


メイおばさんは頑張りました。
頂上はもうすぐのように見えます。


でももう駄目です。
「這ってでも行きなさい!」と天の声が聞こえてきそうですけれど
もうすでに這っているのですから(笑)。

疲ればかりではありません。
恐れもあります。

シアトルでは丘の上の30階に住んで
床まで届く大きな窓に寄りかかって本など読んでいるぐらいですから
高所恐怖症などあるわけもないのですが
それでも滑り落ちるかもしれない砂の上で
頂上に立つことを考えると足もすくみます。

あげく、、、、、、

四つん這いから立ち上がって
大西洋を、林を、遠くの小さな村をぐるりと見回して
空に向かって両手を大きく広げて言いました。

「ありがとう、みんな!」

そしてあとは半分壊れた滑り台のような感じで
何とかふもとまで帰り着きました。


けっこうスリリングな体験でしたけれど
そびえる砂漠(砂丘)を仰ぎ見ながら
ゆっくりとアイスクリームを食べるよりはずっとよかったと思っています(笑)。

それにしてもこの砂丘の砂の
なんと細やかで、なんとサラサラで、なんと美しかったことでしょう。
「宝箱」に入れる思い出がまたひとつ増えました。
 
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