波打ち際の考察

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波屋山人

自分のことを棚に上げてフリー記者に文句

2011-10-21 00:15:59 | Weblog
こんなことを連想した。

レコード会社の人しか入れない会員制音楽クラブがあったとする。
そこでは毎週有名歌手を招いてパーティーが行われる。
音楽ライターの人はそこに行きたくても入れてもらえない。
レコード会社の人は有名歌手と交流を行い、ときには売り出し方法や
ニュースリリースについても相談を行う。
談合ではないかと言う音楽ライターの存在は無視される。

不満を持った音楽ライターは自分たちで小さな自由音楽クラブを設けた。
そこでは月1回注目歌手を招いてイベントが行われる。
そこにはレコード会社の人も来ることができるけど、
オレたちに対抗するわけね、と認識しているレコード会社の人は存在を無視。
たまに来たかと思えば、フリーの音楽ライターに与えられた質問時間に
割り込んで質問を行う。

その行為をなじられると、「自由音楽クラブは注目歌手と馴れ合い、厳しい質問もしない。
それでは音楽ジャーナリストとして失格だ、発言を制限してどこが自由だ」と反論する。

不信を募らせた音楽ライターは、
「そういえばこの前、ある有名歌手がファンに対して暴言を吐いたとか
私生活に重大なスキャンダルがあったとか横並びで報道して、その歌手は
失墜してしまいましたね。でもあの暴言やスキャンダルは捏造だったじゃないですか。
名誉毀損で訴えられてもおかしくないですね」
と声を上げた。


似たようなことが、ニュースの世界で起こっている。
自由報道協会主催の小沢一郎記者会見に読売新聞の恒次徹記者が来て、
フリーのジャーナリストの質問時間に割り込んで質問をした。
それを咎められると、全然自由じゃないじゃないか、と新聞のコラムに書いて批判した。

読売新聞に「恒」という署名で書かれた恒次徹記者のコラムを読んで苦笑した人も多いだろう。
記者クラブでさんざん政治家と馴れ合ってきた人たちがどのような顔をして
フリーの記者たちが作った自由報道協会の記者会見の進行に、
自由ではない、ジャーナリスティックではないなどとクレームをつけるのだろう。
クレームがそのまま自分たちに返ってくるようにも見えるのに、
大手新聞の記者にはそういった状況は見えないのだろうか。

記者クラブはフリー記者を締め出し、大手メディアの既得権益を守っていた。
そんな構造を保守している地域は、世界中で日本ぐらいでは。
そろそろ、記者クラブをフリー記者にも解放してあげてもいい。
発表待ちの記者クラブに腰を落ち着けている限り、競争力のあるジャーナリストにはなれない。

http://news.livedoor.com/article/detail/5954124/
■「ルール違反だろ!」小沢一郎会見で″場外乱闘″ 上杉隆氏らと読売記者が口論に
2011年10月20日20時23分
写真:会見終了後、読売新聞の記者に詰め寄る上杉隆氏と岩上安身氏。

10月20日、自由報道協会が主催した小沢一郎・民主党元代表の記者会見で“場外乱闘”が勃発した。司会の進行を無視して、小沢氏に質問をぶつけまくった読売新聞の記者に、同協会の暫定代表でフリー記者の上杉隆氏が「あんたルール違反してるんだよ!」と激高。会見終了後も、上杉氏に加えてフリー記者の岩上安身氏も読売記者に詰め寄り「なんであんな質問をしたのか!解答をさえぎってたら質問にならないでしょ」と抗議した。読売記者も「会見であれぐらいは普通だ」と抗弁したことで十数分に渡って大騒ぎになってしまった。
もともと同協会は、記者クラブに所属しないフリー記者やネットメディアが中心となってオープンな記者会見をするために誕生した。いつもは全国紙など大手マスコミの記者は足を運ばないが、東京地裁で公判中の小沢氏ほどの大物議員は別格で、朝日新聞や共同通信からテレビ局まで勢ぞろい。70人近い記者とカメラマンの熱気で、会場は蒸し暑いほどだった。
フリー記者らは小沢氏にTPP加入問題や日中関係など政策についてのみ質問。それに対して新聞記者の質問は、小沢氏の政治資金問題に集中するというように、くっきりと分かれていた。読売記者がしつこく小沢氏に食い下がったことにフリー記者が抗議したことは、マスコミ対フリーという新たな火種を産むことになりそうだ。【写真・文:安藤健二(BLOGOS編集部)】


フリーライターの上杉隆は、フリーライターを排除してきた記者クラブに対して批判的な姿勢を持ち続けている。
それに対してずっと無視を決め込んでいた記者たちだけど、
鉢呂前大臣の「死の町」「放射能つけちゃうぞ」発言は捏造記事であり、報道審査機関や法的機関で裁かれるべきだ、と主張する上杉隆やフリー記者たちの攻勢に、どのような対応をするのだろう。
http://news.livedoor.com/article/detail/5955291/

取るに足らない存在の、大きなバックもないフリー記者のやることは無視するのか、
自分たちの安全を脅かす小癪な存在を全力でつぶそうとするのか、
ジャーナリストとしての姿勢に欠け自分や所属組織の保身に走っていた姿勢を反省し、
記者クラブの解体や志ある報道を試みようとするのか、注目される。

まあ、日本の新聞記者の多くは、ジャーナリストというよりもニュースライターなのかもしれない。

つぶれそうな赤字会社をなんとかするために努力するというよりも、
平穏な日々をなんとか過ごせればいいと思っているのかもしれない。

ああ、ジャーナリストの世界って競争率低くてねらい目かも。


コメント
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