波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
コメント欄はほとんど見ていないので御用のある方はメールでご連絡を。
波屋山人

GWベトナム中部滞在と、消費学

2010-04-17 01:06:50 | Weblog
去年のGWはホーチミンからファンティエット(ムイネー)、ファンラン、ニャチャン、ホイアンなどを訪れた。
ひなびたファンランのニンチュービーチやホイアンの古い町並みが彼女に好評だったので、今回は古都フエとタムハイ島の隠れ家ビーチに滞在しながら、ホイアンも再訪するというプランを練ってみた。

5~6年くらい前にフエを訪れたときは、特に見るべきものはないところかなと思ったけど、精進料理やビールはなかなかセンス良く、落ち着いた味わいを楽しむことができた。
最近は新しいリゾートホテルも続々と建築され、特に「ラ・レジデンス リゾート&スパ(La Residence Resort & Spa)」は瀟洒なたたずまいが人気らしい。

このホテルのデラックスルームに2泊して、名物のコムヘン(しじみごはん)や精進料理を食べに行く。王宮はミニチュア紫禁城みたいな感じだけど、さらっと見ておこう。
夕食は宮廷料理を食べてもいいし、日本のNGOが運営している日本家庭料理レストラン「子どもの家」で生のフエ地ビールFUDAとフエの地酒越の一(えつのはじめ)を飲むのも楽しそうだ。

■La Residence Hotel & Spa: Traveler Reviews
(166人中116人がエクセレント評価)
http://www.tripadvisor.com/Hotel_Review-g293926-d585172-Reviews-La_Residence_Hotel_Spa-Hue.html

■Kodomonoie
http://www.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g293926-d1630640-Reviews-Kodomonoie-Hue.html

■小山道夫さん(ベトナムの「子どもの家」を支える会代表)
http://www.vietnam-sketch.com/column/japanese/2006/05.html

フエの後はダナンを通過してホイアンに移動。
(ダナン郊外のソンチャー半島のリゾートを再訪したかったけど、あきらめた)
タイトなスケジュールは立てたくないので、ホイアンでの宿は未定。
昨年と同じく伝統建築ホテル「ヴィンフン1」のスペシャルルームに泊まってテラスから通りを眺めてもいいし、安宿に泊まって町歩きや川下りを楽しんでもいい。
翌日はすぐタクシーで1時間半&ボート15分のラ・ドメーヌ・ドゥ・タムハイ(La Domaine de Tam Hai)に向かう。

■Le Domaine de Tam Hai: Traveler Reviews
(37人中29人がエクセレント評価)
http://virtualtourist.tripadvisor.com/ShowUserReviews-g298082-d656454-r18661930-Le_Domaine_de_Tam_Hai-Hoi_An.html#REVIEWS

ここも評価の高いリゾートだ。
静かで、何もなく、ただぼんやりとたたずむことができるらしい。
ニャチャンのようなにぎやかなところをあまり好まない彼女は、きっとダナンやホイアン郊外にある高級ビーチリゾートよりも、こちらのほうを好むだろう。

ル・ドメーヌ・ドゥ・タムハイで3泊した後は、またホイアンに戻って1泊。
ダナン空港からホーチミンに戻り、ちょっと市内を散策してから東京に戻る。

現地滞在は去年と同じく、丸8日。
いつもは、大まかな訪問地を決めてから現地で安宿を見つけるスタイルだけど、今回は珍しくほとんどの宿泊地が決まっている。しかも、高級リゾートホテル泊。

バックパッカー上がりのぼくには珍しいことだけど、べつに無駄遣いをしているわけではない。
2人でGWにANA直行便でホーチミン往復して、ホーチミン→フエ、ダナン→ホーチミンのベトナム航空国内線を利用して、高級ホテルに5泊、その他2~3泊して、タクシーやバスを使って、食事をして、1人10万円前後かな、といった感覚だ。
普通に予約するともっと高いし、ツアー会社に頼んだら倍くらいかかるかもしれない。内容の割には、非常に安上がりなプランになっている。
弟夫妻の3分の1くらいの世帯収入しかない質素なぼくたちにも無理なく楽しめる、お金のない人向けのレジャーなのだ。

バックパッカーの一部の人はとにかくお金にうるさい。ケチる。
できるだけ安い値段で、それなりのものを得ようと努力する。
提示されたぼったくり料金を安易に払ってしまえば、今後も観光客や日本人はずっとなめられ続ける。
他の観光客がぼったくられないためにも、ここでしっかりと観光客をなめるなということをはっきり示しておこう、という意識はわかる。

だけど、何でもかんでも節約することが目的のようになってしまった人は、あまり幸せそうには見せない。
貯金することや知識をためることや時間をセーブすることが目的になってしまった人は、
どのようにお金を使うか、どのように知識を使うか、どのように時間を使うか、といったことを考える「消費学」を学んだほうがいいのではないだろうか。

お金も外国語も時間も、端末機も土地も服も、ためこんだり集めたりすることが価値を得ることだと考えるのは幻想だ。
長い間我慢して何かを得ても、得たものを活用しないと我慢した意味がない。
我慢しないで楽な日々を過ごしても、結果的に辛い日々に陥ってしまえば、楽しい過去も霞む。

お金をどのように使えば効率的に活用することができるか、
外国語をどのように使用すれば効果的に意思の疎通をはかることができるか、
時間はどのように使えば人生を豊かにすることができるか、
どんな端末機をどのように活用すれば、何を生み出すことができるだろうか、
どんな服をどのような状況で使えば、効果的に自分を表現することができるだろうか、
そんなことを学ぶのが、かしこい消費者になれる「消費学」だ。

消費学を知らないで消費生活を送ると、大人になっても子どもの頃の感覚で物事を判断してしまうおそれがある。
子どもの欲望を肥大化させたような無駄遣いをしてしまい、何も後に残らないということになりかねない。
あるいは、不動産会社や食品会社、自動車会社や服飾ブランドの広告戦略に踊らされ、彼らのためにお金を貢ぐことにもなりかねない。

カンのいい人はストリートファイトの中で、武道に通じる技を見出して強くなれるだろうし、消費生活の中で無駄のない技を使える達人にもなれるだろう。
だけど、多くの場合、武道の心得がない一般人は暴漢に立ち向かえないし、消費学の心得がない人は商社や広告会社に立ち向かえない。

指先を最大限に効率的に活用できる武道家は、きっと全身を使っても効率的に動くことができる。
千円を最大限に効果的に活用できる人は、きっと1億円でも効果的に活用できる。

消費学では、まず価値ということについて考える。
価値とは何か、なぜ人は価値を見出すのか、ほんとうにその商品は価値があるのか、高価だけど価値を考えると安いものとは、安価だけど価値を考えると高いものとは、等々。

次に、消費技術を学ぶ。
いつどこで何を消費するのがお得なのか、安く買ったものの価値を高める方法とは何か、一般人の裏をかく消費とは何か、等々。
現在の市場の特徴についても学ぶ。誰がどのような影響を与えているのか、どういう前提で話は進んでいるのか、どんな消費者が損をしていないのか、等々。

学校で習う場合は、消費者実習や悪徳商法演習も重要な講座だ。
消費とは何か、価値とは何か、市場とは何か、そういったことを幅広く認識した上で消費を行えば、ふしぎなことに収入が少ない人でも豊かな生活を送ることができる。
それどころか、視点が変わるとお金がたまり始めるようになる。

ほんとうはユダヤの人は大昔からこの消費学のことを知っていて、彼らは豊かに賢くなっていった。だけど、「他の人たちに真似されたくない」「賢い消費者を増やして物を売りつつけにくくなるのはこまる」と考えて内緒にしてきた。というのは嘘。
そもそも、「消費学」もぼくのでっちあげでしたー。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする