細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

2012年の最後の日

2012-12-31 12:34:00 | 職場のこと

2012年も最後の日となりました。今日は大晦日ですが、出勤しています。12/29~1/3は載荷など危険な実験作業は禁止で、もし行う場合は指導教員が立ち会うこと、というルールなので、私の指導学生たちが2件の載荷を実施するため、出勤しています。

ですが、年末年始の間にやるべき仕事が山積しており、奥さんの実家からの行き帰りの湘南新宿ラインでもたっぷり仕事ができますし、オフィス滞在中に複数の研究ミーティングも実施できるので、むしろ私にとっては好都合です。

今年も活動しまくった1年となりましたが、世の中も激動でした。毎年、自身のメンタル面のコントロールも含めて、そのときの私にできる全力に近い努力を重ねているので、なかなか実力を向上させていくことが容易ではなくなってきています。ですが、2012年は、これまでとは大きく異なる、新たな出会いが非常に多かった一年になりました。

鞆の浦のことなど何も知らなかったのに、4年生の赤間君を切り込み隊長に、鞆の浦の研究を行うことになりました。また、山口県のシステムを研究してきましたが、いよいよこのシステムで学んできたことを東北の復興道路の品質確保に応用する段階に至り、私自身もさらに鍛えられ始めました。熱血ドボ研の立ち上げも大きかったように思います。

活動の舞台が広がることで、視野も大きく広がりました。これまでは「コンクリート馬鹿」だったかと思います。タコツボ(広義の)を徹底して掘り下げるスーパー研究者も必要だし、 いろんな技術を駆使して問題解決を達成するエンジニア、マネジャーも必要です。みんなが自分の真の役割を認識して実行し、適切に連携すればよい。

私はどちらかというと実践的な問題解決派ですが、しかし、タコツボの研究も行うようにしています。一つのことを突き詰めていく中で鍛えられ、学ぶことも非常に多いからです。

結果として、2012年もこれまで以上に刺激的な1年になったように思います。土木史の講義の担当が私にフィットしたように、私が本来持っている広い範囲への興味が、自分の活動範囲と一致をし始めた年であった、とも感じています。

自身の課題はいくらでもあります。ですが、それらを改善するよりも、2013年は足元を固めることから。2013年は研究室のスタッフの交代も生じるので、まずは研究室の活動をしっかりとリードし、かつ支え、全体がうまく回るように、今こそマネージャーの本領発揮を心がけたいと思います。

2013年は私自身にとっても大きな環境の変化を体験する年になりそうです。不安はゼロではありませんが、変化の中でこそ人間は鍛えられることは知っているつもりですので、楽しんで過ごせればと思います。

2013年度の前半戦である春学期は、例年の2倍の講義を担当し、学生実験もTAと連携して担当することになると思いますが、大学にいる時間が長くなることをフルに活用して、研究室の体制をしっかりと固めたいと思います。

新年に向けて、ふつふつと気合が沸き起こってきておりますので、皆様、ご迷惑かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 


山口県の目視評価まつり

2012-12-31 12:15:25 | 研究のこと

12/25の夜に山口県に入って、3泊で、26-27日に山口県の構造物の「目視評価まつり」を行いました。

いつもいつも、私の思いつきに対してパーフェクトに段取りしていただいて、山口県の皆様には本当に感謝しております。
今回は、坂田さんを筆頭に鹿島の技研の方々にもご協力いただき、坂田さんらが開発された目視評価を、山口県の構造物で実践させていただきました。また、東北地方整備局からも係長に来ていただき、いろんな今後の動きにも影響を与える「まつり」になったかと思います。

私は「まつり」という表現を少しずつ使うようになってきています。私は、自分が主催したり、中核となって実施するイベントは、なるべく参加者の皆さんにとって有意義な時間となるようにマネジメントします。それが学会の委員会であっても、研究のミーティングであっても、今回のような大人数の調査であっても、どんな場においてもです。皆さん、貴重な時間とお金を費やして参加してくださっている。しかも、我々の活動は、大きな方向性を共有していますので、毎回を全力で有意義な時間にする努力が、次へとつながり、連鎖していきます。

みんなが「協働」でわいわいと楽しく仕事をすること、もちろん充実した仕事の後には楽しく懇親すること、楽しい懇親の中からアイディアが次々と湧いてきます。これらを「まつり」と呼んでいるのです。

そして、今回の目視評価まつりの懇親会において、坂田さんから「まつり」というネーミングが素晴らしい、とほめていただきました。政治もまつりごとだし、先祖をまつる、などなど、「まつり」という言葉には物事を動かしていく非常に根源的な意味がこめられていそうなので素晴らしい、というご意見でした。「まつり」という言葉について、しっかりと勉強してみようと思います。

今回の「目視評価まつり」では、40名近い方々に評価に参加していただき、大変貴重なデータが取れたと思います。これを、間に合えばJCI年次論文集に投稿したい。私が筆頭著者で執筆する予定で、年末年始に書けるところは書いてしまうつもりです。また、初日の大人数での懇親会も素晴らしかったですが、27日の夜の、田村先生、二宮さん、森岡さん、学生4名との瓦そばでの懇親会も、会話が止まらない感じで、今後の戦略を練り合いました。これも「まつり」です。

来年も、いろんなまつりを仕掛けていきたいと思います。ぜひ、東北で大々的な祭り(施工状況把握や、表層品質調査など)が出来るとうれしいです。