Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

アメリカンアイドル シーズン11 トップ9

2012-04-15 13:23:03 | アメリカンアイドル
今回のテーマは「憧れのスター」、最も尊敬するアーティストの曲。
トップ9がそれぞれ自分にとってのアイドルの曲を歌う。
自分が目標とするアーティストの曲、普段から歌いこんできた曲を披露するだけに、
全員がレベルの高い素晴らしいパーフォーマンスを聴かせた。
ゲストメンターはスティーヴィー・ニックス。

トミー・ヒルフィンガーが引き続き服装の指導。
一過性の流行を取り入れるのではなく、
スターとして相応しい自分のファッションのスタイルを作り上げる、
という指導を受ける。

一人ずつのパーフォーマンスの他に3人一組でメドレーを歌う。
自分の本番で手一杯でここの部分が不十分な人がいる。
観客はこれも観て、投票するわけだからここも決して気を抜いてはいけない。

コルトン、ライフハウス"Everything"
前回、スタイリストに髪型をけなされたが、スティーヴィーは「自分のスタイルを大切に」
と励ましてくれる。
コルトンにとってこの曲は「讃美歌」に等しいそうだ。
「君は僕のすべて。君さえいてくれれば何もいらない。」と気持ちを込めて歌い上げる。
ステージの上に曲の世界観を表現した。
「しっかり感情移入をしつつ、それに走らず抑制を効かせたのが良かった。」とジェニファー。
真摯な姿に心を打たれる。
スター性が光っている。
客席ではコルトンの祖父が泣いている。
それを見るコルトンも涙。
応援したくなるものを持った人だ。

スカイラー、ミランダ・ランバート"Gunpowder & Lead"
男勝りの彼女らしい力強い曲。
カントリーは曲の歌詞をしっかり伝えないと、
と番組中で度々、言われるのを聞いてきた。
今回もスティヴィーから「聴く人に物語を語るように。」と言われる。
堂々としたステージ。
「南部の町の雰囲気が出ていた。」とランディー。
音域の広さも見せた。

フィリップとコルトン、エリーズでスティーヴィーの曲のメドレー。
三人とも手堅くまとめた。

ヒジュン、ダニー・ハサウェイ"A Song For You"
前回にふざけてばかりいると叱責されたヒジュン。
今回はまるで別人だった。
「今までプライドから自分の繊細さを隠していた。
それをさらけ出すんだ。」とジミー。

今年初めにダニーの娘、レイラ・ハサウェイのライヴでこの曲を聴いた。
アメアイでもシーズン5でエリオット・ヤミンが歌っている。
「大勢の人たちの前でずっと歌ってきた。
君にいつも優しくはなかったかもしれないけれど、
ほんとうに愛しているのは君のこと。
この歌は君のために歌っているんだよ。」
歌詞の内容が今のヒジュンと重なる。
観客や音楽をなめていたわけではない、という気持ちが伝わってくる。

テクニックの使い分けが完璧だ。
粗削りなところからは彼の気持ちがストレートに響いてくる。
この人はこんなに巧かったのかと驚く。
声が掠れたり、音程がずれたところもあったが、
欠点があったとしてもそれを越えるだけの深み、
歌の本質が表現されている。
こういうことがあるのがこの番組の醍醐味だ。

ホリー、キャリー・アンダーウッド"Jesus, Take The Wheel"
シーズン4の優勝者、キャリー・アンダーウッドのヒット曲。
この曲は演歌に近い歌詞だ。
カントリーソングの王道を行く曲。
リハーサルの時は良かったが、本番ではテレビの画面からは、
語りかける部分が伝わってこない。

デアンドレ、エリック・べネイ"Sometimes I Cry"
私のブログにアメアイの検索から飛んできて読んでいる方はご存じないかもしれないが、
このブログのタイトルは"Me & Mr. Eric Benet"「私とエリック・べネイ」
自称「エリックべネイ研究家」、エリックべネイを愛してやまない1ファンを自負する。
その私にとってこれは待ちに待った瞬間だった。
大好きなアーティストの曲が大好きな番組中で取り上げられる。
ずっといつかこんな日が来るかと待ち望んでいた。
とうとうエリックの歌がアメアイに登場する日がやってきた。
デアンドレが「エリックべネイは純粋なR&Bシンガーだ。
まさに僕が目標としている人。」と言うのを聞いただけで感無量。

"Sometimes I Cry"
40歳を過ぎたエリックが「今までの失恋した心の痛みの集大成を歌った」
と言っている曲。

「2年前に別れた恋人を今も忘れられない、
幸せでいてくれればと願う気持ちと恋しさが交差する。
今は自分の生活を立て直し、新しい恋人もいるけれど、
まだ彼女のことを引きずっている、
それでも今は元気な振りをしよう、ほんとうに心の平安が訪れる日まで。」
という内容の歌詞。

17歳が大人の恋の苦さや切なさを想像して、
その境地を歌おうとしたこと、エリックの曲の中でも、
難易度の高い曲にチャレンジしたことにひたすら感動してしまった。
スティーヴィーから「たくさんの難しいテクニックが散りばめられている。
それに捉われすぎると曲の美しさを失ってしまう。
ゆっくりと時間をかけて。カメラの向こうに視聴者がいる。
カメラに対して愛する人を見るような気持ちで見つめて。」とアドバイス。
デアンドレも「観る人とのコネクトを大切に歌いたい。」

持ち時間が限られていることもあり、アレンジで1節目から4節目へと飛ぶ。
デアンドレ、エリックべネイのファンであるということが良く分かる。
息継ぎや歌い方、立ち居振る舞い、そこに私はミニ・エリック・べネイを見た。
ところがデアンドレはエリックの物真似に留まらず、自分の色にも染めて、
彼独自の味わいも添えている。

カメラ目線も完璧だ。
ファルセットも申し分ない。
ランディ「エリックべネイみたいな偉大なR&Bシンガーを目指せ。」
ランディーの口からエリックを称賛する言葉が出たのにも感激。
デアンドレ、歌い終わった後もしばらく曲の世界から戻ってこない。
それだけ深く感情移入していたのだ。

ジェシカ、ビヨンセ"Sweet Dreams"
7歳からビヨンセのファンで良く真似をしていたそうだ。
しかし歌が精一杯、ダンスはとても真似できないとあきらめたらしい。
この曲がずっと好きで子供の頃から歌ってきたことが見て取れる。
彼女は若いのに既に自分の見せ方知っていて、技術もたくさん備えている。

マイケル・ジャクソンのトリビュートをヒジュン、デアンドレ、ジョシュア。
三人のハモリ、ダンスもそろっていない部分があった。
まだソロを終えていないジョシュアが一番、勢いがあった。

フィリップ、ジョニー・ラング"Still Raining"
この人はステージを自分のものにしてしまう。
アマチュアに見えないカリスマがある。
スティーヴンに「何かが乗り移ったみたいだ」と言わせた。

ディオンヌ・ウォーウィックやシーズン6の優勝者ジョーダン・スパークスが、
会場に来ている。

ジョシュア、マライア・キャリー"Without You"
すっかりドレスアップした姿が板についてジェームズ・イングラムを思わせる。
しかし光沢のある白地に黒のチェイン柄のジャケット、
曲の持ち味を消してしまう派手さではないだろうか。
感情が溢れて涙になるが、もう少し抑えても良かったかと思う。
これだけ出来の良い人が続いた後に最後の方になって歌うと、
どうしても力みが入ってしまうのかもしれない。
「自分の人生で辛かったことを思い出して歌った。
それで誰かの役に立てればと思って。」とコメント。

ホリー、スカイラー、ジェシカでマドンナの曲のメドレー。

エリーズ、レッド・ツェッペリン"Whole Lotta Love"
リハーサルではスティーヴィーの曲"Dream"をしっかりと一緒に歌っている。
今回、誰も挑戦していない分野、ハードロックの世界に観客をいざない、
どっぷりと入り込ませた。
自信を持って歌う姿には説得力があり、彼女の新たな一面を見せた。

今回は全員が自分の限界に挑戦して、追い込まれた結果、
殻を破った人が何人も出た。
回を重ねる内にどこまで成長したか、真剣に勝負を掛けてきて、
それが成功したかどうかに勝敗が掛かっている。