Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

アメリカンアイドル シーズン14 TOP11→TOP9

2015-04-06 23:48:00 | アメリカンアイドル
前回は私の大好きなアーティストで来日時にはブルーノートへと日参する
ナイル・ロジャースがゲストでメンター。
「ミュージシャンは人を楽しませるのが好きだ。
もちろん自分もそういうタイプ。」
ナイルは著書、Nile Rodgers"Le Freak"の中で、
「マドンナは見せ掛けだけで内容がない」と言った相手に対して、
「この業界は表面に見える部分が内容そのものだ。」と言い返す会話が出てくる。
言葉通りに人々を喜ばせる曲作りにナイル・ロジャースは徹してきた。

Nile Rodgers "Le Freak" Part.2
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20120306

前回はナイルとトップ11の"Get Lucky"のパーフォーマンスから始まり、
最後はボトムに入ってしまったカシムの起死回生を賭けた白熱のパーフォーマンス、
ビートルズ"Come Together"
審査員から見事にワイルド・カード、投票で落選した候補者を救い上げる権利、
が行使され、まさにカシムにとって"Get Lucky"、幸運を掴む結果となった。
前回のカシムの落選が抑えられたことで今回は二人が落ちることになる。

今回のテーマはエイティーズ、80年代。
ゲストのデビッド・ハッセルホフの80年代メドレーから始まる。
シーズン5、テーラーの優勝が決まった時に、
観客席で涙を流すデビッド・ハッセルホフの姿が大写しになった。
次のシーズンの候補者で応募の動機を聞かれた時に、
「デビッド・ハッセルホフを泣かせてみたい。」と言った人がいた。
80年代にテレビシリーズ『ナイトライダー』で一躍有名になったデビッド、
まさに80年代のイメージ、"Fun"と"Cool"、楽しさとカッコ良さのシンボル、
として紹介される。

今回のメンターはボーイ・ジョージ。
トップ11全員でジョージのヒットメドレーを歌う。

今シーズンでは投票数の多い、少ないは無関係、順不同の紹介。
トップ9として最初に名前を呼ばれたのはダニエル・シーヴィ。
ホール&オーツ"You Make My Dreams"

なぜかいつも審査員に叩かれるダニエル、
歌のコーチを担当するスコットはそれを心配してジョージに伝える。
ジョージから「君の声を僕はいいと思うよ。
批判されるのは辛いがリラックスして。」と指導。
私も彼の声が好きだ。
レッスンを受けた後のダニエル「最高のアドバイスを受けた。」

伸び伸びと歌えたと思うが、
キースから「カメラ映りがいい。人から好かれるものを持っている。
でもぎこちない。」
ライアンに「好きなことは何?」と聞かれて、
"Make people happy"「人を喜ばせること」
もうほんとうに可愛い。

ハリーから「振り付けが不自然だ。わざとらしい。
いろいろ言われると思うが自由に弾けろ。」と。
振り付けはコリオグラファーが決めているはず。
15歳のダニエルはそれに逆らいようもない。
こうやってハリーが言ってくれたことで次からはダニエル、
裏方からの納得できない申し出に対してはっきりNOと言える。

次はクエンティン。
フィル・コリンズ"In The Air Tonight"
この人はだんだんと迫力が増している。
原曲の雰囲気に忠実な世界を表現し、後半はアレンジで、
クエンティンの魅力満載のステージを見せた。
服装から立ち居振る舞い、すべてがドラマチックな物語となる。

ジョーイ、シンディ―・ローパー"Girls Just Want To Have Fun"
7色に輝くミニのドレスで登場し、最初は良かったものの、
出だしだけで進むにつれて勢いを失う。
いつもの彼女の独特の個性が表現されないまま終わってしまった。
キースの「家でテレビを見ている家内と娘はきっと一緒に踊ってるよ。」
には会場が沸く。
何しろキース・アーバンの奥様はニコール・キットマンなのだから。

ティアナ・ジョーンズ、ホイットニー・ヒューストン"I Wanna Dance With Somebody"
スパンコールの入ったスタジアムジャンパーにジーンズ、スニーカー。
髪にはブルーのリボンのカチューシャ。
いつもこの人を見ているとマイケル・ジャクソンの若い頃、
10代前半の頃を重ねてしまう。
それだけニュートラルな魅力で周りを楽しくさせる。

ジャックス、ボン・ジョビ"You Give Love A Bad Name"
この時代のパンクな雰囲気を上手に表現した。
バンドの音に声とピアノの演奏がかき消されてしまったことを審査員達が指摘。
リハーサルの時にこれは調整するべきとアドバイス。
これも審査員が言ってくれることでコンテスタント達が委縮しないで、
バンドに、番組側に要求を伝えやすくなったと思う。

ニック、マイケル・ジャクソン"Man In The Mirror"
もっと自信を持って、観客とのコネクトも大切、
とボーイ・ジョージからアドバイス。
ニックの曲に向けた真摯な想いが伝わってくる。
初めてこの人のパーフォーマンスが心に響いてきた。
歌詞の中、ブリッジ、サビの部分の"Change"、これは彼が自分と対話しているよう。
「鏡の中の自分に、自分を変えようと呼びかける」という歌詞、
まさに今の彼にぴったりな曲だった。

ハリー・コニック・ジュニアが"fantastic voice"と言ったと、
ジェニファー・ロペスが大喜び。
ずっと彼のことを「セクシー」"hot"とか
「魅力的」"attractive"とジェニファーは応援していた。
ハリーは「君の魅力は優しさ(sweetness)と謙虚さ(humility)だ。」
確かに自分を知っていて中々自信を持てないのだけど、
メンターやコーチ、審査員達、
観客や視聴者に応えようと自分を変えようとするニック、
挑戦する姿は美しいと思う。

クラーク、The Police"Every Breath You Take"
ボーイ・ジョージから「後半の高音が苦しげ、半音下げたら?」
と言われて試してみせる。
FかGか、どちらの音階を取るかは自分で決めるようにと言われ、
クラークはリハーサルで結局、自分が最初に選んだ高いキーに戻す。
バンドなしで彼のピアノと歌のみのパーフォーマンス。
音色を自分の好みに声をマッチさせることが功をなした。
優しい旋律にジェニファーから"mesmerizing"「夢みるよう」
"goosy"「鳥肌が立つ」と絶賛される。

カシム、前回の生き残りを賭けたパーフォーマンスの最後の部分が映し出される。
歌い終わってマイクを落とすカシム。
スローモーションでまたその姿が再生される。
「このマイクは高いんだよ。」「番組の制作者から弁償するように請求が来るかも」
「どうしてこんなことをしたんだ?」とライアンに言われて、
「何かが憑依してしまったんだ。会場の熱気、皆のエネルギーが僕にさせたこと。」
場内は爆笑となる。

Robert Palmer"Adictted Love"
「また観客とコネクトして盛り上がるチャンスを掴んで欲しい。」
と歌唱指導のスコットから。
ボーイ・ジョージも彼には演技性だけでなく、歌唱力もあると認める。
"Story teller"、歌詞の意味を伝える語り手としても才能がある、
そして"Fighter"、あなたは戦いに挑む勇気のある人だからと、
ジェニファーも励ます。
実際、その通りになった。
派手なパーフォーマンスではなかったが、しっかりと心に届く歌を聴かせる。
客席ではいつも祈るような表情で母と父と弟が見守っている。

最後に残ったのはレイヴォン、マディ、アダナ。
選ばれたのはレイヴォンだった。
Tears of Fears"Everybody Wants to Rule the World"
ボーイ・ジョージ、スコットの二人から「ハッとさせるものがない」
「殻を破るんだ」「冒険をしろ」と言われるが、
「自分は自分のスタイルでやってきてここまで来たんだから、
自分のやり方で通す。」とコメントしてしまう。
まさに歌のタイトル通り、自分のルールで仕切ってしまう。

いつもと同じくそつなく歌ってみせるが、
ジェニファーからも「せっかく指導を受けているのに心を開かないのでは。
失敗と挑戦を繰り返して人は成長するはず。」と言われてしまう。
確かに彼のコメントはボーイ・ジョージに対しても失礼だった。
ジェニファーがきちんと言ってくれて良かったと思う。
視聴者、投票する人は彼の態度をどう捉えるのだろうか。
アメリカと日本では考え方が異なるかもしれないが。

シーズン5でクイーンがメンター、共演もした時に、
「アレンジを変えろ」といって怒らせたコンテスタントがいて、
その時の審査員、ポーラ・アブデュルが「原作者に対して失礼。」
と諌めたことを思い出した。

今までも大切な分岐点で指導者と意見を分かつコンテスタントがいた。
意見を聞いて落ちて行った人も見た。
しかし本気でこの業界でやっていくことを視野に入れていたら、
大物に楯突いたら将来にも関わるかもしれない。
この段階まで来て落選しても拾ってくれる人がいて成功している人もいるのだから。
それでも自分を貫く潔さも必要かと思うが、
サラッとかわして自分を通したクラークは大人だった。


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