Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

金子三勇士、コチシュ&ハンガリー国立フィル 6/23 @ サントリーホール

2014-06-24 20:44:02 | ピアニスト 金子三勇士
金子三勇士、ピアニストになるきっかけは幼き日に、
祖母がプレゼントしてくれたコチシュの子供のためのCD、
これを聴きこんだところからスタートしたと以前から聞いていた。

そのコチシュがハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団と共に来日、
サントリーホールで金子三勇士がソリストとして、
リスト:ピアノ協奏曲第1番を演奏することになる。
チケットを購入したのは今年初めだっただろうか。
席はステージに向かって右側のバルコニー席、壇上を見下ろす位置になる。

リストの作品のコチシュによる編曲版:ゲーテ記念祭の祝祭行進曲、
勢い良くスタートを切ったかと思うと、
ピアノが中央に置き換えられ、金子三勇士の登場。

リスト:ピアノ協奏曲第1番
この曲を金子三勇士の演奏、日本の一流の交響楽団、指揮者との共演、
同じホールで聴いたのは2011年。
とても同じ曲とは思えない。
日本の交響楽団や指揮者が良くないと言っているわけでない。
まったく別物ということだ。

トライアングルのキリッとした響き、
パーカッションの包み込むような豊かさ。
一体となる管弦楽の調べ。
そこに三勇士のピアノが見事に調和している。
曲の中に入り込み、リストの世界観を作り出す。
とにかく楽しげなグルーヴ感を醸し出している。

聴いていて心が落ち着いてくるような暖かみ、
勇壮な響き、自由さがある。
リズム感がハンガリー的とでも言うのだろうか。
ハンガリーの指揮者、フィルハーモニーとの競演により、
三勇士の中にあるハンガリーの血が踊る。
金子三勇士の今までに識ることなかった一面を観ることができ、
感無量となる。

前日のリハーサルの様子


金子三勇士のアンコール曲、リスト:愛の夢第3番にて前半が終了。
ピアノの響きは先ほどの躍動感とは打って変わり、
水面にさざ波が広がるように静かで清浄としている。
激しい演奏に耐えて付いてきてくれたピアノへの感謝と労わり、
この日に集まって賛辞と拍手で迎えてくれた観客へのプレゼント。

後半はブラームス:交響曲第1番
数えれば60人近いメンバー。
一人一人がハンガリーからやってきて時差ボケや体調不良を乗り越え、
女性はステージで着る衣装を吟味してこの日を迎えているとふと思い巡らす。
コチシュが全員に注ぐ緊張感の中に優しげな眼差しを感じ取る。

鳴り止まない拍手に思わず笑みがこぼれるメンバー達の様子が見える。
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
ブラームス:ハンガリー舞曲第10番
アンコール2曲、思いっきり民族色を出してくる。
コチシュのユーモラスな側面が見えてくる。

良い音楽を聴くと「楽しさ」を通り越して、
"Life is beautiful"
「生きているって素晴らしい」というところまで突入する時がある。
昨夜がまさにそういう感じだった。

何人かの偶然会った知人に軽く挨拶したのみで、帰宅するとまだ10時前。
時としてコンサートやライヴ、純粋に音楽を楽しむのではなく、
社交の場と化してしまうことがある。
音楽の余韻に浸りながら静かな夜を過ごせたこともまた嬉しかった。
ハンガリーで街に溢れる音楽を体感してみたい、
そんな気持ちにさせられるコンサートだった。


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