Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

アメリカンアイドル シーズン12 トップ3→2

2013-05-23 22:32:14 | アメリカンアイドル
今回の見所は里帰り、地元への凱旋ツアー。
里帰りをして戻ってくるといつも思うことだが、皆表情が変わる。
缶詰になってひたすら次の回に向けて歌をマスターしていたところから、
スタートする前の日常に帰ることで、自分を取り巻く環境がどれだけ変わっていたか、
驚くと共にここまで来たら、応援してくれる人のためにも何としてでも勝ち残りたい、
という気持ちも強くなる。

今回は一人三曲。
一曲目は番組のメンター、ジミー・アイオヴィンの決めた曲。
クリー"Perfect"
ニッキーから「カントリーを歌うのなら、ヒールの低いブーツで思いっ切り動いてみたら?」
確かにクリーの服装はスタイリストが悪いのか、本人の意志なのかはわからないが、
他の候補者に較べるとしっくりこないものがある。

キャンディス、U2"One"、U2よりもメアリー・J・ブライジのヴァージョンに、
馴染みがある人が多いはずだ。
メアリーと較べてしまうと何か足りない。

アンジー、エルトン・ジョン"Sorry Seems To Be the Hardest Word"
ピアノの弾き語りを期待したリクエストだったが、ピアノは使われない。
アンジーの意図が何かあるのかと思ったら「曲がマスターできないと思ったので。」
それでも感情のこもった素晴らしいパーフォーマンスだった。

2曲目は審査員の選んだ曲。
キャンディスの4か月振りの帰省の様子が映る。
サウスカロライナ州で元の職場やガラ族の集まりを訪れる。
曲はエミリー・サンディー"Next To Me"
先ほどのメアリー・Jの曲と共に今回の出来栄えに余り納得できず、
やはり3曲は厳しいのかなと思う。

アンジー、マサチューセッツ州で友人と会ったり、
自宅で家族や愛猫を抱きしめたり、おばあさまも大喜びでパレードに参加。
曲はピンク"Try"

クリー、テキサスの故郷ではクローフィッシュ、ザリガニのパーティーで迎えられる。
その後、両親と暮らした家を訪れる。
今は廃屋になり、朽ち果てるままになっている家。
クリーは12歳で父を飛行機事故、19歳で母を交通事故で亡くした。
「ビタースイートね?」と言う姉と抱き合うクリー。
その家を前にして「ここが私の原点。」と話すクリー。

今回の里帰り、最初の二人の様子を見ながら、
もちろん微笑ましく、祝福する気持ちで観ながらも、
なぜかもらい泣きするほどには至らなかった。
今までの里帰り、淡々として感情を見せず、
普段は涙など決して見せなかった人、やはり男性が多いかもしれないが、
そういう候補者が感極まる姿に観ているこちらも涙を誘われた。

ところがクリーの姿にはガツンと来た。
こんなに辛いこと、自分の過去の思い出したくない、
人に見せたくないかもしれない部分をさらけ出すクリー。
番組側の作戦だとしても、背後にあるのはクリーの人生であることには間違いない。
アメリカ中がクリーを「今まで良く頑張ってきた。」と抱きしめたい気持ちになったはずだ。
里帰り映像から繋がるラスカル・フラッツの曲には審査員も涙だった。

3曲目は番組の制作サイドが決めた曲。
客席にトップ10の姿がある。
アンバーの姿も。
他の人達はともかくトップ3の様子を
里帰り映像も含めて見守るのはアンバーには酷だ。

アンジー、ピアノの引き語りでエミリー・サンデーの曲。
印象に残るパーフォーマンスとは言えなかった。
クリー、ザ・バンド・ペリー"Better Dig Two"
2曲目と比較し酷評されるクリー。
停滞しているかと思う雰囲気を振り払ったのは、キャンディス"Somewhere"
ウェストサイド物語のナンバー。
他の2曲の出来などどうでもよくなってしまう圧倒的な底力を見せた。

結果発表

キャンディスがトップ2に決まる。
最後の歌からすると当然の結果だ。

残ったクリーとアンジー。
誰もがアンジーと思っていたが、まさかのクリーのファイナル進出。
アンジーの脱落に審査員達も一様に驚いているが、
一番当惑しているのはアンジーだ。
今までボトムにも入ったことがなかったのだから。
アンジーの涙、悔しさ、無念さが伝わってくる。
"Never Let You Down"「決して失望させたりしない」という歌詞が切ない。
涙で途中から歌えなくなり、家族、審査員、キャンディスとクリーが抱きしめる。

アンジー、優勝候補とも言われ、決勝進出は確実と思われていた。
本人も確信していたはずだ。
今回、キャンディスの最後の曲は他に類を見ぬ存在感を示した。
クリーは里帰りで自分の生き様をストレートに観客にさらけ出した。
アンジーはそういう意味でドラマが足りなかったのかもしれない。
しかしこういうどんでん返しがあるのがアメアイの魅力でもあると思った。