Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

アカデミー賞授賞式 2013

2013-02-25 17:10:00 | Weblog
ずっとスカイパーフェクトTVを視聴してきて、
なぜアカデミー賞やグラミー賞の入場の映像、終了後のインタビューはあっても、
本番、授賞式の様子は観られないのかと思っていた。
自分がうっかりして見逃したのかとさえ思ったりもしていた。
2009年にエリックべネイがグラミー賞にノミネートされた折に、
これはすべて日本ではWOWOWが独占中継をしているためと知り、
この時から迷わずWOWOWも加入することにした。

さて第89回アカデミー賞、WOWOWのチャンネルで放映が始まり、
レッドカーペットの入場の様子が映る。
日本人二人のインタビューアーがハリウッドスター達のインタビューを始めるが、
隣にライアン・シークレストがいるのがわかり、そちらの様子が気になって仕方がない。
たぶん先行要員がいて日本からの取材に応じて欲しいと頼み、
WOWOWのブースに連れて来るのかと思うが、やはり大物は逃しがちになる。
またレポーターの女性が女優のドレスに対して"Nice"と言ったのには、
参ったなという感じだ。

スカパーに画面を変えるとライアンがインタビューしている生映像をやっていた。
ライアンのことを知っていて親しみをしめすスターたちもいるが、
全く知らない相手もいる。
そういう中での突撃のインタビューになるから、
これはライアン・シークレストであっても、間違いや混乱を招かざる負えない。
かつて生まれた赤ちゃんのことを聞くのに"He""She"ではなく"It"と尋ねてしまったり、
女優のドレスのデザイナー名を知らなかったりもありで叩かれた。

スカパーの生中継の方はアメリカのテレビ番組、レポーターの他に、
ファッションの専門家が4人待機している。
女優やドレスの在り方、ヘアスタイル、メイクについての解説が詳しく入る。
ジョーン・リバース、辛口、毒舌の評論家だがその娘も活躍していて、
この中継のメンバーにいる。

今年の旬なドレスはビーズ系、色は自然色。
それぞれの人種にとって肌に馴染む色が映える。
アースカラーのドレスに古典的なジュエリー、
真紅なリップのみがアクセントなどが今年らしい。
一方アン・ハサウェイの薄いピンク、
シャーリーズ・セロンの白なども美しかった。

画像はディオールのドレスのシャーリーズ・セロン

ビーズや刺繍、装飾のない黒はインタビューアーやスタッフの女性の着る色のようだ。
ジェーン・フォンダの黄、余りにも浮いた感じがする。
レッドカーペット上での赤は映えないとされるが、
それでもパーフォーマンスのある人は別として、
プレゼンテーターとして選ばれているなら、
同じドレスで陽光の下での入場、劇場のライト下でのステージ、
どちらにも印象を残すことを考えなければならない。

ジェニファー・アニストンのドレスと髪型をアメリカのテレビのコメンテーター達が、
一斉に非難する。
髪型がそっけないと言うが、この髪形は彼女らしいスタイルなのでは?
ドレスが赤で特に飾りもないストラップレスがプレゼンテーターにしては平凡、
と言われていたが、確かに中継が始まると同じようなドレスの人が会場では何人もいる。


ジェニファー・ハドソンのスタイリストがジェニファーはパーフォーマンスもあるが、
自分はノミニーではないので、控えめにしたいと話していたことを紹介する。
ストラップレスなどは好みではなく、着ていてリラックスできることが基準だそうだ。
スタイリストの選んだ10着のドレスの中から試着しヘアメイクまで試すのに一着に付き3時間。
ようやくジェニファーが入場とパーフォーマンス用のドレスを決めた時に、
スタイリストの男性は泣いたそうだ。

パートナーを伴っている人も多いが、インタビューに付き合う連れの人の気持ち、
かつてハリー・ベリーがノミネートされていた時のエリックべネイの心境を、
聞いている。全く別の業界ならともかく同業なら複雑なものがあるようだ。

スカパーでは引き続き入場者インタビュー、ファッションチェックが続くが、
WOWOWでは授賞式の中継となる。
これは日中は同時通訳、夜のダイジェスト版では字幕となる。
字幕づくりが吹き替えよりもいかにたいへんな作業かということがわかる。

今回のアカデミー賞授賞式、日本公開作品やそうでなくてもストーリーに共感できる、
役者や監督に対して日本でも知名度がある物が多く、例年になく楽しめた。
ミュージカル部門のパーフォーマンス、やはり今も上映中の「レ・ミゼラブル」
圧巻だった。
主要なキャストがほぼ全員総出でのパーフォーマンス。
映画の感動が甦ってくる。
子役の少年だけ欠けていたように思ったが。


アン・ハサウェイ、「プリティー・プリンセス」で初めて観た時から、
何か応援したいと思うものがある人だった。
それがりっぱな女優として開花した姿を観るのは嬉しい。
助演女優賞受賞のスピーチも素直な感動が出ていた。
「最も役に身を投じたという意味で彼女が相応しかった。」
との斎藤工のコメント、頷けるものがある。

ドレスはプラダ、寸前で予定していたヴァレンチノから変更したそうだ。
どのデザイナーのドレスを着るかは事前にアメリカのテレビ番組には、
情報として入っていて、リストにあるものとは違ったことから混乱が生じたようだ。

それにしてもパーフォーマンスのある人はそのためにドレスを着替えたのに、
客席には最初と同じドレスを着てまた戻っているのに今回気づいた。
デザイナーとの契約の問題とかあるのだろうか?

作品賞のプレゼンテーターはジャック・ニコルソンとホワイトハウスから、
ミシェル・オバマが参加。
この様子では「リンカーン」になってしまうかと思いきや「アルゴ」

ベン・アフレック、ゴールデングローブ賞の授賞式の時から、
「アルゴ」の快挙に若い頃のやんちゃさは消え、大物の風格が漂っていた。
今回、作品賞受賞のスピーチにマット・デイモンと初めてこの地を踏んだエピソードもあり、
「タキシード、貸衣装で借りなきゃと思っていたら、アルマーニが提供してくれたんだ。」
と無邪気に話していたその頃の様子を思い出す。
その後の約15年は呼ばれて観ている側だったと話す。
二度とこの場に立つこともないだろうと思っていたことも。
何の得にもならないのに自分を助けてくれた人に感謝しているということも。

コマーシャル時代も含めて子役としてスタートした人がこのように再び成功を収める姿、
感激を語る姿には胸を打たれた。
WOWOWにコメンテーターとして招かれ、様子を見守る三谷幸喜が涙ぐんでいる。
脚本、演出、監督、作品を作り上げるたいへんさを知っている人ゆえに、
ベンに感情移入できる部分があったのに違いない。

衣装デザインの部門で受賞は逃したものの日本女性、石岡瑛子さん(故人)が、
ノミネートされていて昨年に亡くなった映画人の中にも紹介されていたことも印象深かった。