行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

暗い時代を思い起こさせる嫌な言葉

2014-09-11 17:29:12 | Weblog

最近の週刊誌や雑誌でよく見かける嫌な言葉がある。「非国民」さらに「売国奴」という言葉だ。朝ドラ「花子とアン」でも花子の家に石を投げた少年達が非国民と言っていた。英語やクラシックは敵性ということで赤毛のアンの翻訳は命がけだったに違いない。

あのくらい軍国主義の時代、非国民とか売国奴といった連中が実は国民に塗炭の苦しみをもたらし、敗戦へと導いた本物の非国民であり、売国奴だったのだ。そうした歴史を忘れ、今再び同じ言葉が跳梁跋扈している。このような言葉がよく使われるのは中国であったがかの国ではこのレッテルが貼られると、国家転覆罪となり刑務所入りとなる。

最近は、朝日新聞が慰安婦問題で誤報し、遅まきながら訂正記事をだしたが、謝罪がなかった。それを国益を損ねた売国奴だとか書き立てる週刊誌の広告を拒否したり、果ては連載してる「新聞斜め読み」の池上彰氏の記事掲載を拒否し、その後撤回するなど大新聞として信じられない行動をとったため、売国奴朝日は廃刊しろなどとエスカレートしている。

言論人が廃刊まで要求するとは自殺行為で、廃刊は読者が決めることだ。読売や毎日といった大新聞言論はまさかそのようなことに組していないと思うが、販売競争の中で、朝日を蹴落とす絶好のチャンスと考えているのではないだろうか。大新聞は初心にかえり、言論の自由を守り、正確な取材を基にした自分の信念を貫く姿勢が求められている。非国民とか売国奴といった批難を跳ね返して貰いたい。

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