行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

GDPマイナス12.7%の衝撃度

2009-02-17 18:27:03 | Weblog
予想通りの結果であるが、新聞の一面の大見出しやテレビの報道ぶりから国民の節約志向がさらに強まるのではないだろうか、そして内需が縮むだろう。1973年の石油危機で74年1~3月期のGDPマイナス13.1%を思い出さざるを得ない。今思うと私にとってはあのときのほうが恐怖感があった。
比較すると、あのときはエネルギー危機で石油ストーブの石油がなくなり、乳飲み子をかかえ、寒中、売り惜しみする燃料屋に怒鳴り込み何とか確保できたものの不安いっぱいであった。トイレットペイパーや砂糖もスーパーの棚からなくなり、物価は日に日に上昇、国民の心理は恐怖感であった。労働運動の新米指導者であった私は地域の組合と協働して石油やガソリンのチケットを組合員に売り、油売りが組合の仕事であった。そしてむかえた春闘では3割を超える賃上げを実現した。しかしインフレ(CPIは20%を超えた)に対する恐怖感は収まらなかった。
今回の危機は物価は落ち着き、パニックにはなっていないが前回とのちがいは雇用危機が直結していることだろう。73年の頃は非正社員もパートだけでその後の不況までは雇用の心配はなかった。今年は正社員の雇用危機にも及び、日本経済の内需はさらに縮むことだろう。財政も累積赤字が巨額で前回とちがい対応が難しい、公共投資も箱ものは効果がなくなっている。前回とちがうのは高齢化しているので、介護、医療の内需があり、そして将来に向かってのエネルギー投資、この3点に絞って考えるべきだ。
一方今回のマイナス主因は外需の落ち込みであることは明らか、対GDP輸出比率は73年当時は10%にも行ってなかったと記憶してるが、現在は15%をこえている。過剰消費の米国の回復を待つというよりアジアを中心とした新興国の消費喚起に期待したいが、時間が掛かることを覚悟しなければならない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 春風駘蕩、花を訪ねて | トップ | 世界不況、予想外の影響だ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事