日銀は2013年4月4日の黒田体制1期目の初回会合で「量的・質的金融緩和」を導入するとともに、物価安定目標の2%(消費者物価の前年比上昇率2%)を「2年」を念頭にできるだけ早期に達成するとした。リフレ派の当時副総裁に就任した岩田規久男氏は所信聴取で、「2年で物価目標を達成できなかった場合、辞職をする」とまで言い切った。結果的に辞職はしなかったが、2年での達成はできず、その後、達成時期は6度も延長され、2019年度頃とした。しかし、27日の記者会見で、黒田総裁は2018年、2019年の物価見通しを1.8%とし、2%目標を取り下げた。
リフレ派経済学者をはじめ、日銀の失敗が明らかになった。庶民感覚から言えば物価は上がらない方が良い、今の1.8%が適温さえ感じる。何故日銀は失敗したのか?アベノミクスに関係し、日銀だけを責める積もりはないが、庶民のパワーがボディブローのごとく効いている。先ず賃金が下がり続けたことや年金の減額で節約志向は岩盤のごとくだ。
例えば、今冬野菜が値上がりしたら、少しでも安い根菜類やキャベツなど4つ切りを買うなど防衛に走った。小売りの値上げは厳しく、コンビニでさえ値上げにより売上げは減少する。外食産業もコンビニによるイートインや質の良い弁当販売で値上げは難しく、人手不足というもう一つの壁で苦労している。
こうした情勢で来年の消費税アップがアベノミクスの試金石となる。