ただほど怖いものは無い。スマホで簡単に見られるニュース、新聞を買うよりスマホでニュースを見る人が多くなっている。特に若い人はその傾向が強い。米国では総人口3億2000万人のうち、2億人以上がフェイスブックのユーザーで、しかもピュー研究所の調査では、米国の成人の44%はフェイスブックを通じてニュースに接しているという。そのニュースがデマや意図的に加工されていたら大変だ。ところが今回の大統領選ではクリントン候補が不利になるデマニュースが流され、大きな反響を呼び、フェイスブックも対策を余儀なくされている。デマニュースで有名なのは「クリントン氏がISに武器を売った」「ローマ法王がトランプ氏を支持した」とかなりひどいものだ。
日本でも、情報まとめサイト「キュレーションサイト」で、ディー・エヌ・エー(DeNA)、リクルートホールディングス、サイバーエージェント、ヤフーで誤りや著作権侵害の疑いがある記事が問題となり、削除している。特にDeNAの健康情報サイトWELQのニュースが問題となった。肩こりを題材にした記事では「霊のしわざかも」「○○のラーメンは風邪予防に良い」といった情報が掲載され、医療分野だけに専門医からの厳しい指摘がある。
日米でネットメディア全体の信頼性を揺るがす事態だ。無料の情報まとめサイト・ニュースサイトは広告収入がたより、広告収入はそのサイトへのヒット数に比例して払われる。従って、情報サイトのライターはニュースの内容よりグーグル検索の上位に入る言葉をちりばめるよう強要される。またライターは別にその筋の専門家では無いので他人のブログからの拝借など、著作権侵害が起きることがあった。
いずれにしろ、無料のニュースを読むときは注意が必要で、MSNニュースのようにニュースの出所を明確にしてる情報サイトの利用を薦めたい。