最前線で活躍している国際金融マンを招いた勉強会の内容だが、日本のマスメディアには触れられてない部分がかなりあり、ユーロの今後を占う上で大いに参考になった。
二回に分けて報告するが先ず焦点は「ユーロが崩壊するか」という点、これはドイツとフランスのメルコジ体制が今年も続くかが大きな鍵を握っている。
フランスの選挙の日程は大統領選挙が4月(第一回投票)、5月(第二回投票)、6月に国民議員選挙(6月10日、6月17日)が行われるが、サルコジ体制が維持できるか微妙で、もし反ユーロの右翼マリン・ル・ペンが万が一大統領になるとユーロ崩壊の危機となる。社会党のオランド候補が勝った場合はユーロ維持ということになる。世論の動向は今のところ、オランド、サルコジ、ル・ペンの順だが、予断は許さない情勢だ。
仏・独は毎年数十万人の高校生を交換留学させているくらいEUへの結束に熱心だが、ル・ペンが大統領になるとその熱も冷め、ドイツのユーロ離脱も有りうる。その場合ドイツマルクの復活でスイスフランみたいな存在となる。
かつてドゴールがジブラルタルからウラルまでのヨーロッパ合衆国構想をぶち上げ、その夢の実現にEUのエリートや指導者はこだわっているが、各国国民、特に独・仏大衆がどのくらいついて行けるかだろう。ギリシャ救済にしても、ギリシャはひどすぎる。ギリシャは年間2兆円の財政赤字でありながら、富裕層はスイスに15兆円の資産を移している。