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行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

2019年の民間給与実態、非正規社員の悲惨さ浮き彫り

2020-10-02 21:37:07 | 労働

毎年9月に発表される国税庁調査、やはり「雇用は増えたけど正社員と非正規契約労働者との賃金格差は開いた」という内容。此の調査の特徴は1年間通して働いて得た給与の実態なので、日本の労働市場を的確に反映している。

給与所得者の総数は5255万人、4.6%増、正規社員は3486万人、5.0%増、非正規社員は1215万人、4.1%増と雇用は確かに増えている。
1人当たりの平均給与を見てみると正規社員は540万円で前年と比べると横ばい、非正規社員は175万円と正規の半分にも満たない。しかも前年より、2.5%減少している。非正規社員の給与内容を見ると、月々の給料手当が166万円、2.3%減、賞与が8万円5.6%減となっており、賞与の貧弱さが目立つ。

男女別に見てみると、正規社員の男は561万円、0.3%増、女は389万円、0.8%増、非正規社員は男が226万円、4.4%減、女が152万円、1.2%減となっている。男女比率を見ると、女性比率は正社員が33.6%、非正規社員が69.5%と非正規社員の大部分は女性労働者に支えられている。

此の調査では労働時間に触れられていないので、正確な給与格差は判らないが、前年からの増減を見ると、正社員は増えているのに対し、非正規は減少していることから、格差は拡大していると判断出来よう。コロナで非正規労働者がすでに6万人も解雇されたという2020年、その格差はさらに広がることだろう。

 

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日産スペイン、2021年末まで生産・雇用を継続

2020-08-21 21:49:56 | 労働

経営再建中の日産自動車、スペインで5月下旬にバルセロナの工場を閉鎖すると発表したが、これに労働組合が猛反発、5月4日より全面的なストライキに突入した。8月7日、ほぼ3ヶ月の長期闘争の後、当局の仲裁も入り、2021年末まで生産し、雇用を確保する協定を締結した。以下、国際産業別労組インダストリオール(本部ジュネーブ)のニュースは報じている。
 
労働組合は5月4日に無期限のストライキ行動を開始した後、キャラバン隊を組織し、全国的な抗議運動を展開、スペイン全土の日産ディーラーでデモが行われた。パンデミック下での厳しい闘争で、8月に入り、仲裁委員会による日産自動車イベリカ(NMISA)とスペイン3労組との39時間の交渉の結果、生産の継続を2021年末まで行うことが決まった。とりあえず協定により、バルセロナのゾナ・フランカ、モンカダ、サン・アンドレウ各生産拠点と日産流通センターの従業員の雇用は確保された。その間、早期退職制度による手当ての積み増しなどで、希望退職は認めることになった。

今後の問題は工場閉鎖後の対策に焦点は絞られ、雇用を確保する職場(再工業化)をどう存続させるか労働省との交渉が進められている。インダストリオール書記長ヴァルター・サンチェスは「日産スペインの協定は非常に良い結果で、2500人の雇用が確保された。重要なポイントは、本協定と再工業化プロジェクトとの間のリンクだ。熟練した労働力の再配置は、これらのスキルと生産能力が失われないようにするヨーロッパのグリーンニューディールの一部だ。我々は、労働省に対し、このプロジェクトの詳細に細心の注意を払うよう強く求めて行く」と述べている。

此のニュースからグリーンニューディールという環境問題から拡張した新しい概念が出てきた。熟練技術をどう残してゆくか日本でも大きなテーマだ。

 

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今年度の最低賃金の目安据え置きはコロナの情勢から見ても間違っている

2020-07-26 22:21:42 | 労働
 
最低賃金の影響力が大きくなった

時代が変わったのだと思わせる記事が先日報道された。「東京の時給分布を見ると、07年には前年度の最低賃金719円に近い時給800円未満の人は7万2000人にすぎなかった。10年後の1......
 

厚生労働省の最低賃金の目安を決める審議会で、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で企業の業績が悪化し、経営者側は「凍結」を求めた。政府も、雇用を守ることが最優先課題であるとし、これまでの3%増経過を引っ込めた。しかし、コロナ下では、医療・介護や飲食・生活必需品の配達、スーパー・小売りのレジ係、ごみ収集など生活に欠かせないサービスを担う人達「エッセンシャルワーカー」(必要不可欠の労働者)の重要性を皆再認識した。殆どがパートやアルバイトで、この中には、最低賃金に近い給与で働く人も少なくない。また最低賃金引き上げの影響を最も受け、この人達は最低賃金が上がらないと時間給は上がらない。緊急事態宣言以降、頑張った人達への報いを政府・経営側はどう考えているのだろうか?

安倍首相の唯一のリーダーシップは最低賃金を2016年度から4年間、3%以上引き上げだった。全国平均の時給は昨年901円になったが、早期に全国平均で1000円を目指す方針がここでとん挫した。時給900円ではフルタイムで週40時間働いても、年収190万円程度で日本の最低賃金は平均賃金の4割弱にとどまる。欧米は時給1500円実現に動いている。日本の水準は決して高くなく、これを3%上げても企業経営に響くとは思えない。

今年の春闘では、新型コロナの影響が懸念される中、連合加盟中小企業組合でも平均賃上げ1.8%が合意され、最低賃金が据え置かれることになれば、正社員と、立場の弱い非正規労働者の格差はさらに広がる。
国の目安が出て、これから県ごとの最低賃金が決まるが、感染リスクが高い仕事に対し、それに見合っただけの賃金が支払われているのか、検討して地域最低賃金を決めて貰いたい。

 

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ニューノーマル、漏れのない雇用対策

2020-06-18 17:58:29 | 労働

100年に一度のパンデミックと首相は強調するけど、超非常事態なのに国会を閉めるとは理解できない。国会議員にはきちんと給料、手当を支払っているのに・・・・
これまでにない需要蒸発で、ホテル、飲食等サービス業を中心に休業や解雇が続出しており、更に輸出不振で自動車、電機など製造業でもこれから休業に入ることも予想される。かつて、1970年代重厚長大産業が構造不況に陥り、長期にわたる休業が続発し、その間の雇用をつなぎ止めておくために出来た制度が世界に誇る「雇用調整助成金制度」で、休業中に教育訓練をすればその費用も支援し、産業構造転換にも対応してきた。そのおかげで失業率は低く抑えられ、雇用保険の財源も膨らんできた。

雇用調整助成金の申請には、結構複雑な手続きがあり、このために社労士がいると言っても言いすぎでは無い。全てオンラインで手続きが出来て、即決出来れば良いが、そのようなシステムは今のところ機能してない。企業が休業手当を支払っても助成金が入金するまでに2か月はかかる。資金手当てが必要となる。今回のパンデミックで最初に出くわした中小サービス業では雇用調整助成金を申請する会社が少なく、休業手当が支払われないという状況となり、たちまち生活に困る従業員が続出している。

またパートやアルバイトで雇用保険に未加入者が休業手当を貰えないという事態も出てきて、急遽「緊急雇用安定助成金」制度を新設して、休業手当を貰えるようにしたが、これも申請手続きが面倒だ。両助成金制度は雇用主が申請しないかぎり休業手当は出ない。雇用調整助成金を申請せず、従業員へ休業手当を支給する余裕ある会社は良いが、大部分の中小企業は従業員に休業手当は支給できない。

こうした従業員にお助けマンとして出来た制度が「新型コロナ対応休業支援金」制度だ。休業した労働者が直接ハローワークに申請し、給付を受けることができるようにした。従って会社から休業手当を貰うのでなくハローワークから貰うことになる。また、週20時間未満の雇用保険に加入していないパート・アルバイトも給付対象になり、漏れがない雇用対策となった。支給額は月額33万円(日額11,000円)を上限に、休業前の賃金の8割が給付される。

雇用調整給付金の増額や緊急対策支援制度の対象期間は、2020年4月~9月末までとなっているが、これからはパートやアルバイトの重要性が増すことから期限の延長、そしてニューノーマルとなることが望ましい。

 

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ニューノーマル、リモートワーク

2020-06-10 21:56:49 | 労働

働き方改革が皮肉なことにコロナのおかげで加速している。その内、最も進んだのがリモートワークだろう。これまで在宅勤務とかテレワークと読んでいたのがリモートワークに置き換えられた。これまでの在宅勤務との違いはWeb会議システムが取り入れられたことだろう。特に今まで注目されてなかったZOOMが俄然利用されはじめ、全世界では数億人が利用しているとZOOM社は鼻息が荒い。株価も1年間で倍になっている。

腰の重かった日本の大企業も、今回ばかりはリモートワークに踏み込まざるを得なかった。経団連会長企業の日立はかなり保守的体質だったが、実行してみてメリットありと判断し、今後継続すると発表し世間を驚かせた。
利用者のアンケート調査を見ると、概ね満足として、通勤時間の削減や自宅で業務に集中できるとしており、これは生産性にもプラスに働く。不満の人があげているのは自宅だと集中できない、勤怠管理が曖昧、社内コミュニケーションがとりにくいといった点を挙げている。

私の息子夫婦もリモートワークをしているが、子供が幼稚園に預けられたから業務に集中できたといっており、独立した部屋とかも含め家庭環境が結構大きな要素だ。勤怠管理についても、時間外労働の問題もあり、クラウドツールの利用がこれからは必須だろう。それと節目節目に質疑応答Web会議を設定したり、Web昼飯会を開催するとか、社内コミュニケーションに工夫が必要だ。

リモートワークは米国で生み出されたが、GAFA+Mでも評価が分かれている。わが社は全員が先端を行くプロなので、集まってこそ生産性が上がるということから豪華オフィス、ランチ提供といったIT企業もある。ニューノーマルも来年ぐらいに固まるのではないか

こうしたビジネスの事例を参考に、英会話教室とか趣味のサークルにもWeb会議形式でやろうという気運が盛り上がってきた。ZOOMが使い勝手が良いけど40分を過ぎると有料になるので、スカイプ利用が良いだろう。

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ニューノーマル、オフィス編

2020-05-30 23:12:10 | 労働

ニューノーマル訳すと新常態という言葉がポストコロナで歩き出した。しかし、国によって多少違いがあることはおさえておくことが必要だ。ニューヨークタイムスが米国でのコロナ対策の司令塔CDC(感染症予防管理センター)がオフィスにおけるニューノーマルを発表したと報じた。
CDC推奨のオフィスにおけるニューノーマル
1,マスクをして出勤し、職場に入る前に、体温と症状のチェエク
2,デスク間は6フィート(約1.8m)離れるか、プラスチック製シールドを設置する
3,共用エリアでは椅子を置かない
4,フェイスカバーは常に着用
5,コーヒー、水、スナックなどは使い捨て品とし、人が集まらない工夫を
6,エレベーター内は人数制限で6フィートの距離を
8、完全な換気システムか窓を開け、職場の消毒の実施
7,電車、バスは利用しないで1人運転での出勤が望ましい
更に専門家の推奨として、矢印を床に描き、トイレに行くのに一方向に行き、反対方向に出るようにする等対面しない工夫とか、少なくとも20秒の定期的な手洗い。こぶしや握手はなしで顔にも触れない。など報じている。

大いに参考になるが日本では、都会での通勤で車が使えないので1人運転は不可能だ。その替わり自転車通勤は増えるので、欧州のように自転車専用道路を整備する必要がある。CDCも出来たらリモートワークを薦めている。欧米ではマスクをすることがニューノーマルの重要な点だが、日本はマスクをする習慣がすでにある。公共交通機関を利用する場合、当分の間医療用のマスクを支給するとかリモートワークが困難な場合の工夫が必要だ。

 

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コロナ解雇者、日本1万人、米国3800万人

2020-05-23 18:14:50 | 労働

加藤厚労相は22日、新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めをされたり、その見通しがあったりする働き手が、21日時点で1万835人になったと明らかにした。一方米国はこの9週間で3800万人と歴史的な解雇者を出している。この差は雇用契約の差というにはあまりにも大きい。日本の場合、フリーランスが入ってないが、その人数の把握は難しい。

米国はあまりにも経済に影響が大きく、ただちに国民全員に13万円を預金口座に振り込む他、失業者には週64000円を支給しているので1929年大恐慌時の生活苦という混乱は今のところ起きてないようだ。むしろ、月額にすると25万円をこえる金額となり、実際の賃金より多いのではという批判が出ている。

日本の対策主体は「雇用調整助成金」(財源は雇用保険でたっぷりある)により、解雇しないで経営者に休業補償という形を取るので、解雇に歯止めが掛かっている。まだ、休業補償者の人数が把握できてないのでこれを含めないと米国との比較はできない。今回は9割補償なので、対象者は生活に支障はきたさないが、米国と違い支給のスピード感がはるかに違う。経営に支払う雇用調整助成金、早くて1か月は掛かる。例によって得意のシステムトラブルが起きていて、オンラインということにはならないようだ。企業は税務署に口座を届けているのだから、米国のようにそこへ振り込めば済むものをわざわざ申請させる。窓口の職員も急に仕事が増えて残業と相成る。

問題は個人事業主や、特定の企業と雇用契約を結ばないフリーランスだ。雇用保険にも入ってないので、掴みようがない。インターネットなどを通じて不特定多数に業務を発注するクラウドソーシング大手のランサーズによると、副業などを含む広義のフリーランスは20年で1034万人と15年比で1割以上増えた。労働組合の連合によると、フリーランスなどの働き手を対象にした新たな会員制度を10月に新設する。組合員とは別に「連合ネットワーク会員」(仮称)という区分を設け、10月に労働相談サイトをつくる。同会員になると、弁護士による専門性の高い相談や、独自の共済サービスが有料で利用できるようになる。しかし、これだけでは生活補償と結びつかない。俳優などはネットで寄付を募っているが、米国のように契約をきちっとして、今回のように急に契約が解除になったら生活補償が得られる制度が必要だろう。ついでに労災保険に入れるようにして安心して働けるようにすべきだ。

 

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春闘回答始まる、悪化する景気に歯止めが掛かるか

2020-03-11 22:29:14 | 労働

本日、先陣を切って例年どおり金属労協の回答が大手組合で出された。輸出企業であり、かつ中国を中心に海外生産拠点を有する企業が多く、その成り行きに注目していたが、予想以上に労使が頑張ったという印象が強い。コロナショックで全く先行きが判らないで、輸出企業にとって厳しい円高の中で昨年より大幅な減でなく、大部分の企業で昨年並みで踏ん張った。

トヨタはベアがゼロだったが、電機などは軒並み1000円のベアを確保し、かつ産業別最賃も1000円増とした。特に目立ったのは、日立が1500円のベアと一時金年間6月満額を引き出したことで、経団連会長企業ということもあって景気への配慮も意識したのではないだろうか。

時代を感じたのは、パナソニックがベア1000円分の中、500円を確定拠出年金にまわしたことで、老後年金問題に、若い世代に関心を向けさせる取り組みで、春闘史上初めてだ。中小企業を多く組織しているJAMでは大手の組合がベア平均1624円のところ、組合員が300人未満の労組は月1752円、100人未満は同2000円のベアを獲得し、人手不足の折、賃金格差を少しでも埋めようとした姿勢が読める。

交渉の中では、「人への投資」もテーマともなり、今更感がするが日本企業労使の伝統を再認識してほしい。非正規社員への取り組みも交渉で話し合い、電機では産業別最賃だけでなく企業内最賃も決めてることは評価できる。景気は確実に悪化するので、これから妥結する組合もこの先陣を切った回答を上回る結果になれば、個人消費の落ち込みに歯止めが掛かることを期待したい。

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EUの最低賃金2020

2020-03-09 18:39:27 | 労働

EUの最低賃金、各国により週給や日給、時給で決めているので、月給に換算したものを発表している。スペインは2019年社会党のサンチェス首相が22%の大幅増で1050ユーロと大幅アップしたが、中小企業の猛反発で今年は6%の小幅引き上げとなった。それでも日本の増加率よりおおきいだろう。尚デンマーク、イタリア、オーストリア、フィンランド、スエーデンは全国最賃はなく、産業セクター別最賃制をとっている。特に北欧は法で決めるのでなく、あくまでも労使の交渉で決めるという労働側の強い立場がある。コロナ騒ぎで春闘も霞んでしまったが、貧困層対策として最賃の全国一律化と時間給で1200円ぐらいを目指してもらいたい。

 
Country Jan. 2010 → Jan. 2020  2019 2020 前年比増
 Belgium
€1,387→€1,594
€1,594 €1,594
 0%
 Bulgaria *
€123→€312
€261 €312
 20%
 Croatia *
€385→€546
€506 €546
 8%
 Czechia *
€302→€575
€519 €575
 11%
 Estonia
€278→€584
€540 €584
 8%
 France
€1,344→€1,539
€1,521 €1,539
 1%
 Germany *
€1,440→€1,584
€1,557 €1,584
 2%
 Greece *
€863→€758
€684 €758
 11%
 Hungary *
€272→€487
€464 €487
 5%
 Ireland *
€1,462→€1,707
€1,656 €1,707
 3%
 Latvia
€254→€430
€430 €430
 0%
 Lithuania
€232→€607
€555 €607
 9%
 Luxembourg
€1,683→€2,142
€2,090 €2,142
 2%
 Malta *
€660→€777
€762 €777
 2%
 Netherlands
€1,408→€1,654
€1,616 €1,654
 2%
 Poland *
€321→€611
€523 €611
 17%
 Portugal *
€566→€741
€700 €741
 6%
 Romania *
€142→€466
€446 €466
 5%
 Slovakia
€308→€580
€520 €580
 12%
 Slovenia
€597→€941
€887 €941
 6%
 Spain *
€739→€1,108
€1,050 €1,108
 6%
 United Kingdom *
€1,194→€1,760
€1,597 €1,760
 10%
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コロナ対策、雇用と賃金の保障を忘れては困る

2020-03-05 18:38:04 | 労働

人事院は3月1日、新型肺炎に関連して休まざるを得なくなった国家公務員について、正規・非正規を問わず賃金を全額補償することができるとの通知を行った。「出勤困難休暇」として、賃金の全額を保障することになる。総務省は自治体に対して「本通知を参考に適切な対応をお願いします」との文書を送った。自治体の場合、国と同様の措置が義務ではないため、今後、職場でどう実効性を持たせるかが課題となる。

一方民間に対しては、観光事業や緊急事態の北海道地域に対し、厚生労働省は雇用調整助成金で休業した労働者の事業者に大企業は3分の2、中小企業は5分の4支払うと発表している(注)。しかし、3月に入り、スポーツジムや飲食店が要件基準の売上げ10%減が続出することになるだろう。この雇用調整助成金は1970年代の不況時に導入され、終身雇用制の中で雇用を守るために導入され成果を上げたものだ。現在は非正規社員が3割を超えており、非正規社員への適用が重要なポイントとなる。非正規でもこの助成金で雇い止めが防げるか?雇用契約の延長がされない場合は雇用保険でカバーする方法も必要だ。

一方、コロナの影響が少なく経営は継続できる企業でも、UAゼンセン労組では感染が懸念される症状があっても、収入減などを心配して休めない労働者に安心して休んでもらうため、病気休暇制度の導入と国の助成も求めている。パート労働者は年次有給休暇の付与日数が少なく、休みにくいのが実情だ。企業が、感染の疑いのある労働者に有給で休暇を命じる「隔離休暇制度」についても普及対策を求めている。

雇用構造が多様化しており、特に非正規社員に目配りをした対応が必要で、かつての派遣切りのようなことは避けなければならない。

注、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置拡大
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09941.html

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