コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

樹幹を覆うマメヅタランの花 

2016-05-27 05:25:40 | 登山



・・・・・前回のつづきになります。

尾根に取り付いて自生地へと向かいます。
斜面にはオオバノトンボソウが点々と・・・・










枝を掴みながら、慎重に痩せ尾根を行きます。









都心は真夏日の予報でしたが、照葉の森の中は新芽が伸びて陽射しはあまり届かなくなり
休んでいると時々風が通り抜けてヒンヤリしてきます。










          





最初の自生地に着きました。花の時期を楽しみにしていた場所で2週間前
霧雨に包まれた時に来て見上げてみたのですが周辺も薄暗くて
よくわかりませんでしたが・・・・・




















・・・・咲いている!




























花が開花すると樹を覆っているマメヅタランの色が薄黄色くなるくらい
に変化すると、ネットに書いてある記事を見ましたので
どんな感じなんだろうと楽しみにしていました。
うん、まさにそのとうりですね。

ブレない程度に引っ張ってみます。




















ほぼ満開に近いですね

手持ちで撮影してみましたが、手振れ補正が効いているのか
私的に十分満足できるレベルです。もうマクロも望遠もコンデジでいけそうです。



次に行く自生地は樹木一面を覆うように着生していましたが、どうかな?












うん、確かに全体をマメヅタランが覆っていますが、密度が薄いのですね。

先ほどの樹のようにギュウギュウに詰まって下に垂れ下がったり、はみ出したり
するくらい密生していると、花も密生して見事な花景色になりますが
これくらいですと点々と咲いている感じです。
これからが楽しみです。












一番目線の近くに着生している樹は・・・・

花は点々・・・という感じでしたが、近いので引っ張ってきます。









これくらいの距離(2~3m)にイッパイ着生していると花の様子も解りやすく
全体に迫力のある花景色になると思いますが、なかなか出会えません。




この樹は先週、蕾が多く出ているのを確認しました。





















ようやく咲き始めている感じです。

これくらいの規模に着生している樹は周辺に点々とあります。






















この樹は丁度咲いています。

ここの花は唇弁に赤い班が入るタイプが多いので、遠くから見ると
クリーム色しています。















この樹は巨木ですが、もう枯れ始めて一生を終えようとしています。
上の方の半分くらいをマメヅタランが覆っています。
しかし、もう疎らになっていて樹皮も剥がれ落ちたりしてマメヅタランにも勢いがない
感じです・・・・おかげで時々落ちた株を拾っていますが・・・・

マメズタランは樹木に着生した場合は樹の寿命が尽きると
終わりになる運命のようです。






先週も先々週も行ってみた場所。 比較的目線に近い場所に密生して
樹幹や枝を覆い隠すくらい大きな群落を造っています。

全体に咲くと、どんな花風景になるだろうかと冬に見つけた時から
ずっと想像していました。

たしか、もうこの近くにいるはずです・・・・・もうGPSに頼らなくても行けます。

・・・・何度も来ましたからね。


いました!ここです。

































凄い花の数!

全体の色がほんとうに薄黄色に覆われいるように見えます。
照葉の森にスダジイやカシの花が咲いたようなな雰囲気もします。
下の方や所々に花がないのは、ムギランが混じって着生しているからです。































新しい若葉が多く出ている所は花も多い感じがします。









































午後の木漏れ日が立ち上がって咲いている花を照らしていますので
花の薄黄色がより強調された花景色です。

マメヅタランの花は自宅で毎日見ていましたのでわかりましたが
花弁は薄くて光を透過します。木漏れ日の陽射しも花弁を通過しますので
花が光の通過で明るく薄黄色に見えます。
葉は反対に肉厚ですので木の葉のように透けませんし樹に張り付いているので暗く見えます。

そんな訳で、このように花の薄黄色が特に協調されたようになります。
















この写真のように陽射しの入らない影に咲いている、少し暗い場所の方が
深山にひっそりと咲いている感じがして良いかな・・・・




この森にはカシノキランも一緒にいますが、冬に見つけるのにも苦労しましたが
新芽が伸びて葉が展開しはじめた今、その場所を探してみても全くわからなく
なってしまいました。

何回も違う角度から眺めたりして、ようやく見えてきました。












きっと真夏に来ることはないかと思いますが、ここの自生地はひっそりと
咲き続けてくれると思います。

満開に咲いたマメヅタランの花風景、やはり今日来て良かったです。
深い森の中で樹幹を覆う花景色は、この房総の山には手付かずの自然、
原始の森がまだ残っていてくれている象徴のような景色だと思います。


まだ朝日が森を照らさない早い時間、薄もやが山を覆っている時にでも
また見てみたいですね。









































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8 コメント

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素晴らしい数の花ですね! (z.toratora)
2016-05-29 07:24:01
木の花でもとてつもない数の花が咲いて、すごい数の実がなるものがありますが、あれだけの数の花それぞれに昆虫がせっせと訪れた結果かと思うととても不思議な気がします。着生ランも虫媒花?でしょうから、短期間のうちに昆虫を迎え入れないといけないわけですね f^_^;)
返信する
z-toratoraさん (サクラスミレあ)
2016-05-29 14:04:05
何の昆虫が受粉を手助けするのでしょうね?
このマメヅタランは果実を見かけたことがありません。
私も気になってネットでイロイロ検索しましたが
やはり果実の画像がありませんでした。
唯一自宅の花は2つ果実を付けて
いますので、観察を続けていこうと思います。
返信する
幻想的な風景ですね (コロコロ)
2016-05-30 18:12:46
神秘の森って雰囲気です。
そんな森の空気を体感できて
いいなーって思います。
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すごい! (やまそだち)
2016-05-30 18:56:31
予想以上にすごいですね。
現場にいれば、まさに感動ですね。
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コロコロさん (サクラスミレ)
2016-05-31 20:50:35
何度も花の様子を見に山へ行くことは
今までありませんでしたが、そうさせたのは
この森に魅力があったからだと思います。
ほんと、神秘の森ですね。
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やまそだちさん (サクラスミレ)
2016-05-31 20:54:17
満開の景色は、また別格な雰囲気でした。
危険な岩場ではないので、ただただ
ずっと眺めていました。
返信する
Unknown (徒然写真帳管理人)
2016-05-31 21:03:12
素晴らしいですね!
私もその場に行きたくなります。
これだけマメヅタランが着生している宿主は結構な巨木じゃないですか?
森全体の雰囲気と一緒に楽しめそうと思いながら見させていただきました。
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徒然写真管理人さん、 (サクラスミレ)
2016-06-01 18:32:40
御嶽山の麓、南アルプスの南部のアプローチにも
こんなような森があった記憶があります。

着生ランは微妙な好き嫌いがあるのか、巨木に
見られることもありますが、標準的なサイズの樹が
一番多い感じです。
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