コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

エビネの山、再訪

2018-05-16 18:20:53 | 登山



久しぶりに良い天気に恵まれたので、
エビネが咲き始めた山へ6年ぶりに再訪してみました。
標高が高いので、房総丘陵と比べると一ヶ月位遅く咲きはじめます。











新緑がまぶしい自然林の中を登って行きます。

終りかけのヤマツツジに ミズキ、マルバウツギ・・・・・

先週の高尾山では蕾が膨らんでいたイナモリソウ、ここの標高ですと
花芽はまだ固い感じでした。



















カエデの種類も多く、ブーメランのような種が地面いっぱい落ちています。

イヌブナの緑のカーテンが優しい森を奥へと・・・・・・


















オトシブミの数を数えながら登っていたら
だんだんと痩せ尾根になってきました。

















細い痩せ尾根の頂点に株立ちで成長した樹が多く
回り込みながら歩かなくてはならないので難儀します。

渓を見下ろす場所で一休み。








気温は高めの予報ですが、森の木陰は心地よい風が通り
汗をかいた体を冷やしてくれます。



この先は急傾斜ですので、少し手前からトラバース気味に回り込んで
再度取り付くのですが、ここで前回と同じルートミスをしてしまいました。

そして前回と同じく、ちょうど視界が開けた所で
間違っていることに気がつきました。

気をつけてチェックしていたのに、どうして同じミスをするかな・・・・・

帰ってからトラックデータをみてもわかりませんが、データには見えない
違った方向へと引き込まれていく複雑で間際らしいポイントなのです。


やがて杉の植林帯へと回り込んでいくと、枯れ葉に埋もれたエビネが
顔を出してきました。










歩いている斜面の脇にも見られるようになってきました。

この周辺の群落は何となく記憶があります。











一度登り返して、目的地に着きました。

6年前に来たときは、アチコチに群落があり、まさにエビネの山といった感じでした。
ところが、いざ到着してその場所を歩いても、なかなか視界に花が入ってきません。
探すといったことは必要がないくらい、花が咲いていたのですが、それらしい葉も見当たらず・・・・・

ウロウロ探していたら、ようやく一か所見つかりました。











その後も点々と見つかりますが、様子が以前とは少し違います。



















全体に若い小さな株が多く、花を付けていない群落も目立ちます。


















花茎を見ると先の方を食べられている株も多く見かけました。

これは、明らかに鹿による食圧を受けています。

このままいくと、やがて葉も食べられてしまうようになり、
群落も衰退して徐々に消えてしまいます。
実際に6年前と比べると、株も小さくなり、アチコチにあった群落は
ほとんど見られなくなってしまいました。

周辺を歩くと、まだ何ヶ所かは元気に咲いていますが
これも何時まで咲いてくれるのかわかりませんね。

ここへ来るまで、矮小化したキンランを点々と見ていたので
少し悪い予感もしましたが、結果はそのとうりになってしまいました。

エビネ以外には、鹿の嫌うマツカゼソウ。マルバダケブキが少し自生しているくらいですので
エビネ自体は、鹿が好む植物ではない感じがします。  いよいよ何もなくなってきたので
食べられてしまったという感じでしょうか・・・・・



それにしても、このところ再訪すると、がっかりする場所が増えてきました。
ほとんどが増えすぎた鹿の食害が原因です。
以前から一部の植物写真家の人たちが危惧していましたが
いよいよ本当に深刻な事態になりはじめたような気がしています。




5月15日



























コメント
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