コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

 ムギランの花   ~  6月の房総探索

2015-06-03 19:20:43 | 登山

今日も真夏日になるかもしれない予報ですが、
あえて暑い房総の山を探索することにしました。
それも涼しい沢筋ではなく、暑い岩場の多い尾根筋を中心に歩こうと思います。

着生ランなどが咲いているのを見つけられればいいな~と
本来なら歩きやすい冬場に探しておくのが良いのですが
丁度花の咲く時期である今、大汗かいて探してみます。





集落を車で走っていると、栗の花が垂れ下がり、青臭い香りがしてきます。
林道をゆっくり走っていると、アブラギリの花が一面に落ちていました。









AM6時、湿り気のある深い森へと入って行くと、今度はとても良い香が漂ってきます。
テイカカズラが丁度花を咲かせている時期なのでしょう。
この後、ずっと淡い香りに包まれながらの歩きで、いつもより足取りが軽やかな感じです。
アロマ効果って素晴らしいな・・



















湿り気のある法面には、コチョウショウジョウバカマ。
花が終わると花茎が、かなり伸びるのですね。









ノンビリ歩きたいのですが、早くも奴らに嗅ぎつかれました。









最近は雨が降っていないので少し安心していましたが、湿り気の多い森はだめですね。
しかし私の靴は塩漬け状態でして、洗って乾かしても塩をふいていて
今日もシコタマ塩水を吹き付けてきました、ロングスパッツもしかりです。
少し観察していましたが、最初はなかなか上ってこない感じです。
ただ時間の問題で、やはり上ってきます。
塩分の濃いスプレイヤーを持って、こまめに濡らしておいた方が良さそうです。






薄暗い照葉の森を登っていきます。
小さな白い花が点々と咲いています。







ツルアリドオシの花でした。 低木のアリドオシはトゲがあり鹿が食べないので
よく見かけていましたが、ツルアリドオシの花は房総では初めて見ました。
この時期には訪れることがなかったからですね。

ギンリョウソウも点々と・・・








時々立ち止まり、周りを見わたしながら歩いていると
薄暗い中に、ひときわ目立つ美しい花が咲いていました。

イチヤクソウです。













全体のバランスも良く、美形ですね。 ここでしばしの休憩。






これは、オオバノトンボソウでしょうか、あちこちで株を見かけるので個体数は
かなり多いと思います。






道は尾根から離れて山を巻くように付いていますが
尾根をたどるように行って見ます。 何となく踏み跡がある感じです。

途中で見つけたエビネの葉。
















いよいよ岩場になってきました。 ノコギリの歯のような稜線ですので
小さな上下を繰り返しながら行きます。
大きな岩があると上を越えないで、まずは周りをグルリと歩いて岩に着生している
植物を観察します。
短めのロープにスリング一つ、チェーンスパイク、ドライバーを一つ。
これらをフル活動して、腹ばいにへつったり乗り越えたりしながら
危ういトラバースや痩せ尾根を何とかクリアして行きます。

渓を見下ろすと緑が濃くなりましたね。
真っ白な花を咲かせているのは、ヤマボウシでしょうか。










稜線上の岩場ですけど陽射しが当たらない側の岩壁にはケイワタバコ、イワヒバなどが着生していて
もう花が咲き始めている株もありました。
少し日が当たる場所にはキリンソウもさいています。












岩場に着生するムギラン、マメズタランなどは以前に見たことがありますが
こんな陽射しが当たる風通しがよくて、周辺の日蔭の場所にはシダ類などの
湿り気が多い場所を好む植物が着生している・・・・

そうです、こんな朝霧が湧いて、空中湿度が高そうな それでも陽射しはとどく岩場が
着生ランを見つけることができる場所だと思います。

しかし幾つも岩場を越えたり、へつったりしてると暑さも増してきて
体力も底をつきそうになってきました。
持ってきた水も底をつきそうです。  2Lでは少なすぎましたね
これからの山歩きは余裕を持って3Lもってこなくてはだめそうです。
岩場の上がテラスのようになっている所があったので、ここでお昼にすることにします。



















テラスの上は眺めもよく風が通り気持ちがいいです。
周辺の景色は深山の雰囲気たっぷりで、低い房総の山とは思えない感じです。
片側は切れ落ちて危険ですので、少し手前にザックを下ろして休んでいる時
腹ばいになって切れ落ちた下の方を覗いてみようと手をついたら
岩場の端、ぎりぎりの所にムギランが着生しているではないか!
 









下をのぞくと岩場の上部に何カ所かに群生しているのが確認できます。
何とか回り込んで近づいてみようと思います。
岩の割れ目に片足をねじ込み、もう一方の足をそ~と灌木に置いて
片手にカメラを持って何とかシャッターを押してみます。


















しかし、ちょっと危なっかしいので岩の角にロープを回して
体に固定し、何とかロープに体をよりかかれるように工夫してみました。
これで安心して撮影できます。











花が咲いている!








花の大きさは、米粒の半分くらいです。











もう少し近寄ってみます。






















ほんとうに小さな花ですが
拡大して見てみるとラン科の花の形をしていますね。





丁度、花の時期に見ることができて良かったです。
ムギランは、昨年の夏にも別な場所で見つけていましたが
ここの自生地の方がスケールが大きく、人も訪れることがないでしょう。
きっと何時までも咲き続けてくれると思います。

周辺を歩き回ると、他の岩場にも着生してそうな感じでしたが
双眼鏡でないと確認できないような場所でした。

望遠レンズで撮影。










もう少し歩いて見ましたが、他の着生ランを見つけることはできませんでした。
なかなか出会うことが難しい着生ランですが、一つだけでも
出会うことができたことは、とても幸いだったと思います。



6月2日





コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする