最近の新米パパたちはえらい。
3か月児健診の問診アンケートでもほとんどのママが、パートナーはよくしてくれているに〇をつけている。
そういう時代になったのだと、時代は変わるものなのだとしみじみ思う。
そんなこんなで、妻は家事育児をすべきというべき時代が変わりつつあると喜んでいた。しかし、先日、ある新米パパが、実家にしばらくいる妻と新生児の家にずっと一緒にいるという。そして、土日の二日間は夜は自分が全面的に赤ちゃんの世話をしていると。ミルクを作ったり、おむつを替えたり・・・。何と言っても、結構夜泣きをするみたいで大変らしい。
そんな彼が、『女性は凄い。みなさん、あ~やって子育てしながら仕事もされていたんですね。すごい。本当に尊敬する。』とめちゃくちゃ、母なるものをほめちぎっていた。
この体験は、彼にとって宝だ。家事育児仕事の3本立てを両立していくために、最初に、ガツンと衝撃体験をパートナーにしてもらうという作戦は、かなり有効だ。二晩一人で頑張ってもらうという体験は、おむつを替えたとかミルクを作ってあげたという体験レベルではない。
完全に任すという体験は、その人に責任感をしっかり植え付ける。
でも、彼に、つい『大丈夫?』って聞いてしまったのは、なぜ?
なんだろう?
少し、心がざわついた。
それは、彼の表情が、少し、苦しそうだったから。
だって、彼は、月から金は仕事をしている。そして、土日の夜は育児で眠れない。
どうやら、体験としてやったのではなさそうで、これから、妻が自宅に戻っても、土日の夜の担当が続きそう。
最初にガツンとママの大変さを痛感してもらう取り組みは、これからの協力し合って生きていくという家族をスタートさせるには、かなりいいのではないかと思う。
しかし、それからが問題かもしれない。
おそらく、しみじみと母親って大変だな。凄いな。世の中のママたちはみんなこの大変さを乗り越えてきているんだという価値観を手にした彼は、何もしなかった夫と比べたら、全然、家事育児に対して積極的に関わってくれることになるだろう。
ただ、一つ、気になることがある。
それは、彼が、イクメンパパはこうあるべきという罠にはまってしまわないかという不安。
〇〇すべきだから〇〇するという思考に陥ると、いつかしんどくなるんじゃないかと懸念してしまう。
彼は、はりきっていた。
イクメンパパになるぞというような気概を感じた。
そばにいた同僚に、大丈夫かな?って言ったら、彼は体育会系だからねって。
体育会系っていう意味もあいまいだけど、おそらく、目標を設定して頑張って取り組む・・・みたいなことを意味するのかな?
育児に一番不向きな思考のような気がしないでもない。
彼が、土日の夜の夜泣きに付き合いながら、目標設定という生き方をあきらめて、相手に添う生き方に目覚めることを願ってしまった。
それにしても、時代は変わる。
産後、妻の実家にパパもくっついて帰り、土日の夜はパパが赤ちゃんの世話をするという形態も衝撃を受けたけれど、今の20代のパパたちをみていると、かなりイクメンしていて、感動する。
そこに『べき』はあるんか?
と問うてみたくなる。
くれぐれも、べきで家事育児に関わったり、子育てに目標設定を入れ込まないでほしいと願う。
べきで関わると、いつか心が疲弊してしまう。イクメンパパのうつって最近、増えているらしい。
家事育児に全然タッチしないパパの時代は、母親が子育てをすべきという時代で、母親一人が、仕事もしているのに子どもの全責任を取らざるを得ない家族形態になってしまった。その結果、思春期になって、子どもに問題が起きると、お前の育て方が悪かったと非難する最低なパパを育成してしまった。
将来の年金もらえない不安問題からか、今の時代、最初から共働きで、パパも申し訳ないという思いからか、育児にかなりかかわるような時代になってきた。でも、ママも働いているからパパも〇〇すべきという思考に陥りやすい。もちろん、そうなのだ。ママの言うことが正論。
ただ、二人の子なんだから、当然、〇〇すべきというのではなく、男性女性の持ち味を生かしつつ、家事育児に関わった行けたら、きっと、その先には、シアワセが待っていると思う。
黒田伊保子さんも言っている。
多くの男性の脳みそは、多くの女性の脳みそと異なると。多くの男性は遠くの敵を察知して戦う脳で、多くの女性の脳は目の前の諸問題をコミュニケーションという武器を持って解決していく脳のであると。
何を言いたいか。
夫婦間で、『べき』意識のない線をどう引くか・・・。
イクメンパパよ。そこに『べき』は何%くらい占めていますか?