トナカイとサーミ

わたしと相方が暮らしている家は
そのむかし義父が小さい頃住んでいて
のちには義理の両親が別荘として使っていた場所なのですが

義父の両親がここを買う前の持ち主は
サーミでした

サーミは主に北欧、ロシアの北部に住む先住民族で
ノルウェーに約5万人、フィンランド・スウェーデンに約5万人くらいいるそうです
ちなみにサーミ語はノルウェーの公用語のひとつでもあります


(画像はウィキペディアより)

ざっと70年くらい前までここに住んでいたサーミ人は
父親と2人の息子で
トナカイをたくさん飼っていて
近所付き合いをあまりせず
孤立して暮らしていたのだとか

それがある日
麓から山の中腹にある農場への道があまりの大雪で
馬に荷物を引かせられずに地元の農家の人が困っていたところ

くだんのサーミ人がたくさんのトナカイを華麗に操って農場から麓まで行き
麓でトナカイの大群をこれまた華麗にUターンさせて
再び山の農場へとトナカイを引き連れていったのだそうです

トナカイの群れが往復したあとの道は
綺麗に雪が踏みしだかれて
無事馬に荷物を運ばせることができたという
なんだか昔話のような本当の話

現在では
この辺りは大勢の鹿に占領されて
ヘラジカやトナカイを見かけることはほとんどありません

でも森を歩けばヘラジカの足跡がありますし
望遠鏡で山の斜面を観察すれば
トナカイの群れが通った後のたくさんのトラックを見ることもできます



納屋には何やら角とかやたらあるし…
(頭皮付きでちょっとコワイ)

話がそれましたが
今でもトナカイと暮らしているというサーミ
今わたしが住んでいる場所にかつてたくさんいたトナカイ
星野道夫さんの写真集のトナカイの群れのイメージともあいまって

いつか暇とお金ができたら
ノルウェー北部へ旅行してみたいなあと
思ったりする今日この頃です