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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

回顧記 30話 「転機」!

2007年02月11日 | 船上回顧記

平成4年の秋刀魚漁切り揚げ後に

「第3長功丸」を下船し、近海鮪延縄漁船

「第23善豊丸」(福島船籍)に、1航海の臨時で乗船

その航海後の平成5年1月から、陸上で

アルバイトをしながら鮭鱒漁船の欠員を待ちました!

お世話になっている先輩から

「他の人も鮭鱒船を探しているんだから

本気で船を探すのなら洋上ではなく、陸にいて

探さなければ、せっかく欠員が出てもチャンスを逃すぞ」!

という忠告的アドバイスがありましたので!

アルバイトは、親交のあった「船舶仕込み店」の

店主さんに誘われて、出港前の仕込み物を

船に届ける仕事でした。

この時に、今まで知らなかった仕込み屋さんの

細かい作業を見る事(知る事)ができました。

徹底した数量チェックと確認。

野菜類を日持ちさせるための梱包の仕方。など

船上で当たり前のように見ていた品々が

船に積み込む前の業者さん達がいろんな

作業を経て船に届けている事を知り、

つくずく、ありがたさを感じました!

3月に入ってすぐ、この仕込み屋さんに

親交のある漁労長から、

「1人欠員があるので誰か乗組員がいないか」?

という連絡が入ったらしく、紹介してもらい

四国、香川船籍の船で「第21屋島丸」という船に

乗船する事が決まりました! (感謝、感謝)

当時の秋刀魚漁では大漁船として名を馳せた船でした。

船は3月末に気仙沼港に廻港してきたのですが

この時、船主が変わり、北海道船籍となって

船名変更とドック入りするためでした。

漁労長の他数人が四国の方々、福島、宮城から数人

北海道は函館、根室の方々という人員構成でした。

気仙沼港でのドックを終え、船名も変わり

「第58花咲丸」となった船は5月3日、鮭鱒出漁基地

北海道、根室の花咲港に向けて気仙沼港を出港。

前日には、初子が誕生して、平成5年は

まさに、転機となり鮭鱒漁に向かいました!