一度だけ使ってみよう
たった、いちどだけ、ほんのチョット・・・・、
その、たった一度の過ちを犯し、もし使ってしまったら
人生おしまい
もう、それ無しじゃ生きていけない
それを手にするために、様々なものを失ってでも
手に入れ、使い続けなければ気が済まない
まさにそれが麻薬です
そんなオーディオ製品があったら使ってみたいですか(笑)
JBLとの出会いも衝撃的だったが、レビンソンやクレルとの出会いも衝撃的だった
まだ、真面目なオーディオマニアだった頃の事・・・・
もうSPUやEMTは卒業だなこれからはもっとキレて伸びて鮮明なカートリッジが主流になる
アームもシリーズVが出たころだったと思う、MCカートリッジもより繊細に鮮明になった頃
MCトランスも、ヘッドアンプもベンデッタリサーチやらベンツマイクロやらと聞き比べていた時代
フォノアンプはアンコールだったかな?ML6Lと比べると、明るく薄くも感じたが現代的サウンドを気に入っていた
最終的に選んだのはべリオンから名を改めたコッターでした、
付属の銀線ワイヤーが折れたのを安く買って修理して使っていました
これ以上のMCトランスは無い!そう断言していた若き私に
根暗でひねくれもので、まさに因業爺の言葉がピタリの「お客様がいた」(笑)
「WE618Bを聴かずしてMCトランスを語られてもな~」
あのね、私は貴方のように懐古趣味じゃないの!最新のハイエンドオーディオの話をしているんですよ
貴方の言う555以上のフルレンジは無いだとか、音の力はWE聴いてから語れとか、
JBLモニターは偽りのサウンドだとか、言う事欠いて我がLE8TをWE755Aの成れの果ての姿とか言いやがって
あんたもう少し現代的なハイエンドオーディオ聴いて、古~い耳クソの詰まった耳掃除したら?
と、心で呟き
へ~、そうなんですか、機会があったら是非聴いてみたものです
バカヤロー二度と来るな!
と、また心で呟き、笑顔(偽りの)でお見送りして
ホッとした、翌日だったか?その翌日だったか?また来やがった
ほら持ってきたよ、聴いてみな
と、置いて行った紙袋に入ったMCトランス「WE618B」
そんなもの聞いても仕方がない、と思いながら家に持ち帰り聴いてみた
やっぱり音はコッターのほうが良い、分解能も高い、やっぱりWEなんてこの程度のものかよ
でも・・・、
何だか・・・・、音が違うなんだろう?
スピーカーから音が飛び出して、音が踊ってる
えっ!?、このレコードこんな音だったかな?
あれ?、このレコードこんなに楽しい演奏だったかな?
えッつ?
なるほど、これは何と表現したらいいのか、618Bは確かにある意味音が良い
でも密度はコッターのほうが、それにあの低音の迫力は618には無い
コッターのほうが音が良いと思う、と元に戻してみると
あれ~?なんで、こんなくすんだ音なの?低域詰まっているの?壊れた?
いや違う、今までコッターの魅力と思っていた分解能やキレ、低域の量感
全てが霞んでしまった・・・・
くそ~、こんなモノ貸しやがってあの爺め・・・、
後日、お返しに上がりましたが、何故か音の感想は聞かれなかった気がする
悔しいから俺も何も言わずにお礼だけ言った気がする
くすんだ音に聞こえるコッターは手放し
違った魅力のJS6600とSTX20でごまかして聴いていたが
目の前で聞こえる、リアルな歌声はどのトランスを使っても聴けませんでした
その後、仕事も変わり忙しくなりちょっとオーディオから離れていたが
再び熱が高まると、どうしても618Bが欲しくなり手に入れることになった
WE141Aを入手して618Bを取り出して聴いた歌声、スピーカーはALTECの405Aだったと思う
スピーカーの間に、シンガーが歌う姿が浮かんできた
あ、ヤッパリ~
そうか618Bは決して音が良いわけじゃない、音に活力を与えるんだ
単なる信号であった音が、歌声に蘇る、
ちょっと大げさだが「命を与えられたように、音が生き生きする」
そんな気がしたのを覚えています
その後、いくつかのMCトランスを使ってみたがどれもWEトランスは素晴らしいが
私が聴く限り音が生き返るのは「618B」だけの現象のようです
それと、もう一つの音の麻薬は「励磁」
知人のT氏の「288を励磁改良したから、ちょっと聞いてみない?」この誘惑に負けた
当初
そんな戦前の励磁方式なんて良い分けないでしょう?
自然淘汰されて、消滅した恐竜みたいなものでしょう?
寝ぼけた、昔のラジオみたいな雑音だらけのキリの彼方の古い音でしょ?
まあTさんが音が良いというなら、聴いてみても良いですけど・・・、
自宅の288Cと288励磁を聴き比べて、驚いた
心のなかで何故か「バビル二世の」テーマソングが流れた
ホントにアルニコ288に戻したら砂嵐で音の情報が消えているのが分かった
いちばん消えているのは「音のニアンス」雰囲気がアルニコでは全く伝わらない
これは、全て励磁にするしかない!
結局、
287-T×2
515B×4
Lanshing415×4
288-16G-FC×1
594E×2
597A×4
結局597Aは1っ本余っているが17本の励磁ユニットで
ステレオとモノラルシステムの励磁スピーカーで楽しむ羽目になった
当然、励磁電源も沢山所有することになる
励磁スピーカーあれも強烈な麻薬だった