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80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

W-RACING(ダブルレーシング)・バンダイ

2013-12-31 21:16:03 | 電子ゲーム


 これは、バンダイが1985年に発売したLCDゲームW-RACINGダブルレーシング


 1~2対戦プレイが可能な2スクリーン型の携帯ゲームで、本体から分離可能なそれぞれ独立したスロットルを持っているところが特徴になります。


 パッケージ。


 フォーミュラカーの描かれたロゴがかっこいい。


 箱裏の遊び方の解説。85年製で、MADE IN JAPANの文字が。


 1985年と言えば、国内ではスーパーマリオが発売されて、FCブームが頂点に達した時期でしたから、それほど話題になったとも思われず、あまり記憶にはない機種です。ネット上にもほとんど情報がありませんので、ご存知の方は少ないのでは。ただ海外では、日本国内とは温度差があり、高価なTVゲームはそれほど急激に普及せずに、ゲーム&ウォッチやFL機の販売が続けられて、90年代前半くらいまでそれが続いていたというような事情もあるようです。(特にゲーム&ウォッチは、国内販売が行なわれなくなった後も、新作の販売が続けられています)


 ゲーム画面はこのような感じ。2台並んでいるのは、相手のスクリーンに互いの自機が現れているため。

 という事で、これも海外のサイトやオークションなどの方に登場してくる事が多いようです。それほど稀少なものだとは思えないのですが、なぜか海外の電子ゲームコレクターが出した電子ゲーム本『ELECTRONIC PLASTIC』の表紙を飾ったりしています。2つのスロットを握って対戦するというスタイルが、彼らのツボにはまったのでしょうか。(というか、海外版があるのかどうかもあやしいのですが・・・)


 本体。独立した2つのスロットルが、いかにも海外の方が好きそう。
 

 裏面はコードを収納しておけるよう、独特な形をしています。


 スクリーン。ダブルスクリーンとはいっても、別々に液晶画面があるわけではない。


 ノーマルコースとエキスパートコース。このような装飾が気分を盛り上げる。


 チャンピオンコース。


 4方向ジョイスティックで、スピード、ブレーキ、ハンドリングを全て行える。

 電子ゲームとしては後期のものですから、作りはかなり凝っていて良く出来ています。わざわざ取り外し可能なセパレートタイプのスロットルが装備されていますし、コースも3種類も準備されています。(これで燃料の概念があったら、完璧だったでしょう)。2人対戦ができるというスタイルでピンとくるのはFCでも人気だった、ナムコのファイナルラップなのですが、これは1987年に発表ですから、これが元ネタではないようです。時期的に任天堂F1レースや、ナムコのポールポジション等の影響が大きいのでしょうか。


 この頃は、すでにファミコンが主役なので、それほど高価なものではなかったと思われます。質感は、それほど高くない。


 本体の安っぽさを、デザインが補っている感じ。


 すでにスーパーマリオが登場している時期に、どんな層がターゲットだったのでしょう。やはり海外市場がメインだったのかも。


 スロットカーみたいな雰囲気もあります。


 まあどちらにしても、1985年のあのFC熱狂の時期では、子供に顧みられる事は少なかったでしょうから、ひっそりと発売されてひっそりと消えて行ったのでしょう。それでも、こういう時代を乗り越えてきた古い玩具には、その時代が投影されていますので、なんとも言えない感慨深い気分にはなります。※数少ない日本語の紹介記事としては、まんだらけさんのサイトに解説があります。



※2006年12月16日の記事を、写真を追加して再構成

参考:まんだらけ・電子遊戯広場

サファリ Safari・バンビーノ

2013-12-30 13:16:04 | 電子ゲーム


 これは、バンビーノより1980年に発売されたサファリ Safari


 バンビーノは、電子部品の製造などをしていたエミックス社のブランド名で、蛍光表示管をゲーム画面に応用したゲーム機を、電子ゲームブームの初期の頃に発売していました。国内では、同社のUFO MASTER BLASTER STATIONがトミーよりミサイル遊撃作戦として発売されるなどしていましたが、玩具専業メーカーではなかったことと、海外への売り込みも視野に入れていたのか、箱などに書かれた文字はほとんがが英語表記と、実に渋いメーカーでした。


 中でも、初期に発売されたボクシング BOXINGとスペースレーザーファイト SPACE LASER FIGHTが、当時CMなどもしていたため有名 。


 サファリは、前述のUFO MASTER BLASTER STATION(78)、ボクシングとスペースレーザーファイト (79)に続いて、カーチェイスを題材に採ったレースンチェイス RACE 'N' CHASE(80)と同時期に発売されていたものです。サファリのタイトルどおりサバンナでの狩猟を題材にしています。


 本体裏の注意書き、操作ボタンの表示なども全て英語表記。クールなバンビーノロゴが、実にポップ。


 電子ゲームとしてもかなりマイナーな機種だとは思いますが、なぜか2台持っています。台数もそれほど出ておらず、発売時期も短かったとは思うのだが、なぜかこの2台微妙に異なっている。一方は、サファリロゴが白でスクリーンが黒。もう片方は、サファリロゴが緑(枯れ草色)でスクリーンがグリーン。


 こうすると違いがよくわかる。それにしても微妙な曲線が実に綺麗なデザイン。微妙に異なるバージョン違いが存在しているんですね。操作パネルに張られているシールも微妙に異なっている。一般的に雑誌等で見かけるのは、グリーンパネルの方。一回くらいは再生産がかかったのかしら。


 電子ゲームで丸い筐体といえば、81年発売のトミーのLSIゲーム・パックマン。大きさはサファリの方が、一回りほどでかい。


 ここで、もう一つのサファリ発見か・・・。


 これは、自宅に置いてあったタッパ。


 照明と写真写りの関係で色が薄いが、実物は色合いも似ている。


 だからどうだというわけではありませんが、サファリのデザインがタッパっぽいのか、このタッパが変わった形をしているのか。


 ゲーム画面はこのような感じ。ライオン、ヘビ、カバ、キリン、ゾウ、ゴリラなどの総勢10種類の動物が登場。これらが、画面内を勝手に歩き回ります。中央に見える檻(捕獲車)で、動物を捕まえてゆきます。


 これが自機(捕獲用の檻)


 動物から反撃を受けることはありません。ゲーム性としても、ランダムに点滅する動物を捕獲車で囲い、蓋をして捕まえるだけ。時間制限内に何匹捕獲できたかを競います。初期のものということもありますが、ゲーム専業メーカーでないバンビーノのものは、シンプルなゲーム性のものが多かった。


 キリンをゲット(首だけだし)。


 口を開けたカバをゲット。


 と、このような感じでゲームは展開していきます。元ネタとなったものは無く、バンビーノのオリジナルだとは思いますが、サファリ、野生動物、狩猟ときて連想するのは、この時期のものだとやはりセガのトランキライザーガン(80)。


 トランキライザーガン(Tranquilizer Gun)は、セガより80年に発表されたアーケードゲームで、ハンターとなってジャングル内で麻酔弾により猛獣を眠らせ、車に捕獲するというゲーム。ヘビ、ゴリラ、ライオン、像と4種の動物が登場し、それぞれ眠らせるのに必要な弾数が異なっていた。


 結構ヒットとなったゲームで、ゲームセンターあらしにも登場。あらし対一平太、涙の対決の巻きの中で、全国の総番長を決める戦いの最中に川の中よりいきなり巨大スクリーンが登場。暴風の中凧に乗った戦いで、必殺技エレクトロニックサンダーを生む契機となりました。


 当時、このバンビーノのサファリは存在自体知りませんでした。セガのトランキライザーガンは、デパートの屋上やボーリング場などで遊びました。もし、このサファリの存在を知っていたら、トランキライザーガンの移植作に見えて、欲しかっただろうと思います。トランキライザーガンにしても、このサファリにしても、自然保護の観点からは現在では難しいゲームで、そういった意味でも貴重かもしれません。後年のルナーク(Runark・タイトー/90)では密猟者を取り締まる側、ジャンボサファリ(JAMBO! SAFARI・セガ/99)では、投げ縄を使った捕獲調査という設定にされていました。


 ということで、存在自体が激渋なバンビーノのサファリ Safariでした。

参考:Wikiトランキライザーガン、ルナーク、ジャンボサファリの項、帰ってきた電子ゲーム、ゲームセンターあらし/すがやみつる、SEGA AGES 2500公式ページ

デジコムサッカー・エポック社

2013-12-19 19:58:32 | 電子ゲーム


 これは、1980~81年頃にエポック社より発売されたデジコムサッカー


 デジコム9(ナイン)、デジコムフットボール、デジコムベースボールに続く、デジコムシリーズのスポーツもののひとつ。この薄型のデジコムシリーズの最後でもあります。野球ゲームは当時の野球人気もあって、バンダイのベースボール・スーパーベースボール、学研のベースボール1~3、モリタニのマイコンベースボール・盗塁王など数多く発売されていたのですが、沢山の選手を動かす必要のあるサッカーゲームはとても少なかった。キャプテン翼人気から、液晶のゲームが数種出ていたくらいでした。


 そもそもアーケードゲームですら、83年のアルファ電子のエキサイティングサッカーまでは、パスやシュートを繋げる本格的なものはほとんどなかった。そんな中、キャラ人気に頼ることも無く、本格的なサッカーゲームを作り上げています。


 取り説。ルールが独特なので、ないと遊び方を理解するまで大変。


 ひとチーム、C.F(センターフォワード)、R.H、L.H(ライト&レフトハーフ)、G.K(ゴールキーパー)と4人編成の変則的なルール。C.F(センターフォワードとG.K(ゴールキーパー)は、プレイヤーが操作し(一緒に動く)、R.H、L.H(ライト&レフトハーフ)はコンピューターが操作します。


 (スライディングは再現されてませんが)敵のボールを奪ったり、逆サイドにシュートを打ち込むなどのテクニックも紹介。 


 箱から出したところ。初期デジコムは、薄型で梱包もシンプル。当時8,000円近くした玩具なので、少し素っ気無い感じ。これ以後のスーパーギャラクシアン、スペースディフェンダー、ドラキュラハウスでは、大型で豪華な箱入りになりました。


 1人でも2人でも遊べるよう、両側にコントローラーが装備されています。サッカーを連想させるサッカーグラウンド型の筐体が素敵。デジコム9では球場型でしたが、内容と本体がリンクしているところが電子ゲームの良い点。


 グリーンで塗られたスクリーン周りが、青々とした天然芝を連想させる。


 ゲームとは直接関係ないですが、観客席も再現。気分を盛り上げます。


 操作は、C.F(センターフォワードとG.K(ゴールキーパー)の操作ボタン、シュートボタン、電源、PRO/AMAのレベル、1人用2人用の切り替え。サウンドのON/OFFが無く、やかましい電子音が鳴り響きます。


 ゲームスタート、キーパーを除くとフィールド内にいるのは3人と寂しい。


 横5列しかスペースが無く、パスボタンやボールの方向の蹴り分けもありませんので、独特なルールを採用しています。真ん中3列でキックすると真っ直ぐボールが飛び,両サイドでキックすると逆方向に飛びます。


 オフサイドは再現されていませんが、ゴールキックやスローインは再現。シュートが決まると選手が駆け回る演出も。


 後のサッカーゲームでは、ボールを持ったキャラをプレイヤーが操作することが可能になり、他のキャラをコンピュータ操作にすることで、大人数を一斉に動かすサッカーのルールを再現していました。これは最初期のものということで、操作できるキャラを1人(+ゴールキーパー)に絞っています。


 面白いかどうかは、良くわかりませんが、一応サッカーゲーム(らしきゲーム)としては成立しています。対戦したら楽しいのかも。


 Jリーグ発足後は、Jリーグ人気、日本代表人気もあって、SFCの時期にはサッカーゲームが氾濫しました。この時点では、まだサッカーが脚光を浴びる前でした。実に玄人好みの渋いゲームに仕上がっていると思います。


 この頃だとキャプテン翼の人気もあって、前述のエキサイティングサッカー(83/アルファ電子)、トラックボールを使用したテーカン ワールド カップ(86/テクモ)、家庭用では任天堂サッカー(85/任天堂)など、じわじわとサッカーゲームが登場していました。写真は、シミュレーションを使用したテクモの意欲作キャプテン翼(88/テクモ)


 ウイニングイレブンシリーズの源流とも言える(?)コナミのサッカー。セガからもチャンピオンサッカーが発表されていました。


 それ以前だと、トミーのLEDを使ったゲームにもサッカーがあったようです。点滅するボール(LED)を追っていく、まだ雰囲気だけを再現したものだったよう。これより前だと、エポック社が出していた野球盤のサッカー版みたいなボードゲームもありました。


 当時の思い出としては、野球のLSIゲームは遊びましたが、こちらは遊んだことはありませんでした。7,000~8,000円する高価な玩具でしたので、インベーダーやパックマン、ギャラクシアンなど、アーケードからの移植のような派手なものに目を奪われていました。買ってもらうとしても、そのようなものをまず優先しただろうだと思います。


 ということで、玄人好みの激渋なゲーム性がイカス、エポック社のデジコムサッカーでした。

参考:Wiki サッカーゲームの項、デジコムサッカー取扱説明書(エポック社)

スーパーギャラクシアン・エポック社

2013-12-12 18:28:08 | 電子ゲーム


 こちらは、1981年にエポック社より発売されたLSIゲームのスーパーギャラクシアン。


 元ネタは、いわずとしれたナムコのギャラクシアン(79)。インベーダーのブームも沈静化した後で、ポストインベーダーとして登場してきたゲームでした。インベーダーの再現を競っていた電子ゲームの方にも、さっそくビームギャラクシアン(バンダイ)、GALAXIAN(コレコ)などが登場しました。


 そのような中に、電子ゲームの名門エポック社より発売されたのがこのビームギャラクシアンです。ギャラクシアンの続編ギャラガは、81年の発売ですから電子ゲームのブームの時期に間に合っているのですが、こちらは何故か電子ゲームには移植されず仕舞い。FCやMSX、電波新聞社の手によって8ビットPCなどに移植されていました。ギャラクシアンという素材は、インベーダー、パックマンなどと並んで、電子ゲーム的にちょうど旬なゲームだったのだと思います。


 取り説と保証書。


 箱横の説明書き。エイリアンの動き方の説明とⅠ~Ⅲまでのステージ+ボーナスステージからなる事などが記載されています。特にエイリアンの多彩な動きについて、その軌跡とともに詳しく書かれており、このゲームの売りだったことが想像できます。


 本体に書かれたASTRO WARSとは、海外版のタイトル。それまでのデジコムシリーズとは一線を画した、奥行きのある画面に拡大レンズを使用した仕様になりました。


 操作系は、移動レバー、攻撃ボタン、ON/OFFスイッチ、レベルセレクト、スタートボタンと、この頃の標準的なもの。しかしグッと大人びてシックな感じ。


 スクリーンから蛍光表示管のゲーム画面まで、かなり奥行きがあります。またスクリーン前方には宇宙空間を描いたオーバーレイ付き。これらが、机の上の宇宙戦争にちょっとした神秘的な雰囲気を醸し出すことに一役買っていました。


 アーケードの筐体を連想させて、今見ても十分に物欲を刺激されます。


 こちらがゲーム画面。画面上にビックバード(ギャル ボス)、待機中のパープルエイリアン、攻撃中のパープルエイリアンという構成。画面を流れる星空こそ再現されていませんでしたが、オリジナルの(雰囲気の)最限度はかなり高い。


 ステージⅠでは、パープルエイリアンの編隊を相手にします。この時、ビックバードは降下してこず、攻撃も出来ない。キャラの重ねあわせができないという、電子ゲームの表示の都合上仕方が無い部分もあります。パープルエイリアンは、クイックターンやジグザグなど2種類の動きを使い分けてきます。


 ステージⅡでは、スピンエイリアンとの一騎打ち。円を描くような、宙返りをするような多彩な動きを仕掛けてきます。こいつは、あまり弾は打たずに画面内を動き回ります。


 ステージⅢでは、いよいよビックバード(ギャル ボス)との対決。残念ながら彼らは降下してこず、左右に動きながら弾幕を張ってきます。バンダイ・ビームギャラクシアンでも、コレコ・GALAXIANでも、キャラの重ねあわせができない電子ゲームの事情により、ボスの降下は再現されていませんでした。この後、90年代にバンダイより発売された豆ゲーム版では再現されました。


 この時点では、オリジナルにそっくりなギャル ボスを再現してくれただけでも意味はあったと思います。


 これらをクリアすると、いよいよお待ちかねのボーナスステージ。自機の操縦席部分がいきなりジェット噴射を始めて本体と分離します。一定の高度に達した後、今度は降下を始めて再び本体とドッキングします。


 ゴゴゴ・・・


 一定の高度まで来ると噴射が止まる。本体は横に移動し始めます。


 攻撃ボタンを押すと、ジェット噴射を行うことが出来、時間内にタイミングを調整しながらドッキングを完了させるとボーナス得点が入ります。これを見た、当時の誰もがムーンクレスタ(80)じゃんと呟いた瞬間。


 ギャラクシアンといえばゲームセンターあらし。インベーダーブームにより登場してきたあらしですが、丁度ギャラクシアンが発売された辺りが人気が急上昇するタイミングに重なっており、物語内でも何度も対戦用ゲームとして使用されました。


 ナムコのファミコン参入第一弾でもあり、MSXへの参入と家庭用ブランドナムコットの第一弾でもありました。また第一線を退いた後も、駄菓子屋やデパート屋上の10円ゲームなどとして長いこと稼動していました。


 ゾルゲ市蔵氏の8ビット年代記でも一話を費やして、ギャラクシアンとゲームセンターだけで輝くことのできた銀河戦士の物語を紹介しています。


 ギャラクシアンといえば、同じくエポック社のカセットビジョンにも登場しています。この作品、タイトルはギャラクシアンなのですが、敵は弾を撃ってこずに隊列も作らないため、どちらかと言えばムーンクレスタの移植(に近い)。母船へのドッキングという形で、合体も再現しています。


 このタイトルだけギャラクシアンのムーンクレスタ、ちゃんとナムコより版権を取っていたそう。もしかすると、スーパーギャラクシアンの方でも取っているのかもしれません。電子ゲーム版に合体が挿入された理由も、何らかの形でカセットビジョン版との開発者間の交流があったのかもしれません。


 当時の思い出としては、デパートの試遊機で遊んだのみでした。凄いとは思いましたが、この時点(81)だとG&WやGDなど液晶ゲームがかなり安くなってきた頃で、学校に持ち寄っては友達と交換をしたり、売買をしていました。そのような感じだったので、9,000円近くするこれを買おう(買ってもらえる)とは考えませんでした。ゲーム内にムーンクレスタ(80)の要素が入っていることからもわかるように、ギャラクシアン(79)のゲーム化としても少し遅かったのかもしれませんね。


 ということで、国内のLSIゲームへの移植としては、屈指の出来の良さを誇るエポック社のスーパーギャラクシアンでした。



参考:Wiki ギャラクシアンの項、帰ってきた電子ゲーム、CVSオデッセイ、ゲームセンターあらし/すがやみつる(小学館)、8ビット年代記/ゾルゲ市蔵(マイクロマガジン社)

デジコム9(ナイン)・エポック社

2013-12-08 17:37:07 | 電子ゲーム


 これは、1978~79年頃にエポック社より発売されたデジコム9(ナイン)


 箱書きにはエポック社のマイコンベースボールなんて書いてありますが、この頃数多く発売されていたLEDを使った電子ゲームです。液晶を使用したG&Wや、蛍光表示管を使ったFLゲームが登場してくる少し前に、LEDを使用したこのような初期の電子ゲームが出ていました。80年代前半辺りだと、Jリーグ発足以前であり、まだまだ野球が人気が根強い頃でした。


 取り説、保証書。


 パッケージ裏のルール説明。


 ランナーやボール表示はLEDですが、このスコア表示が電子ゲーム初の蛍光表示管使用ということらしい。


 本体。野球の電子ゲームは、バンダイ、トミー、学研の各社から発売されていましたが、シンプルかつプレーンでなかなか良いデザイン。エポック社は野球盤の発売元でもありましたので、野球ゲーム元祖の意地といったところか。


 バンダイから出ていたLSIベースボール。これもデジコム9と並んである意味定番だった。


 デザイン的には、デジコム9の方が洗練されているかな。まあ、これは垢抜けてなさがいい味出しているけれど。


 ピッチャーは反対側より操作。1人でも2人でも遊べるようになっており、それまでの野球盤と比べて、これが電子ゲーム化の最大の利点だったのかも。


 守備ボタンと球速、カーブ、ストレート、シュートが選択できなかなか細かい。


 ちなみに1人用はチェンジをせず、ランダムに延々投げられる球を一人で打って、守備ボタンを押して、先攻後攻の両チームを一人で進めていくという形。コンピュータとの対戦はできません。


 投球。ピッチャーの位置から球の軌跡をLEDの光で表現。


 ストライクゾーンの位置に来たときにタイミングよくバッティングボタンを押す。速球やチェンジアップも投げられますので、タイミングを狂わせて空振りを狙う。


 カーブ。このままボールになる場合と、ストライクゾーンに入る場合がある。


 見逃し。ストライクがカウントされる。


 シュート。野球盤でも中期以降のものでは、磁石を使って変化球を投げられるようになっていました。あれに良く似た感じ。


 直球のストライク。このときにバッティングを押し、守備側は守備ボタンを押すことでヒットの結果がわかります。ただし、これがタイミング等関係なしの完全ランダム。初期のものは、こうなっていることが多かった。ちなみにバントも出来て、ランナーがいると進塁します。


 以上のことからわかるように、野球の電子ゲーム化というよりは、マイコンを使った野球盤の自動化という側面もあるよう思います。


 スコアやカウントも自動で付けてくれて、それまでの野球盤では手動でしていたことを思えば、子供から見ると画期的で新しい野球ゲームに見えたことでしょう。もっとも近年の野球盤では、自動で付けてくれるものも登場していますね。


 デジコム9のヒットに気を良くしたのか、エポック社は電子ゲームをデジコムブランドとしてシリーズ化します。スポーツ物のデジコム・フットボール、デジコム・サッカー。野球ゲームは、デジコム・ベースボールとしてもう一本出してます。デジコムシリーズでおそらく最も売れたと思われるのは、デジコム・ベーダー。同時期に戦闘機のドッグファイトをゲーム化したデジコム・ファイターやブロック崩しのデジコム・ブロックもありました。デジコムシリーズでは一番の変り種として、デジコム・ルパン。音で推理するゲームです。


 この種のLED野球ゲームは、3,000円~5,000円ほどと、電子ゲームにしては安価だったため、当時は誰かしら持っていてよく遊びました。バッティングが、ランダムということからもわかるように、まだ野球のルールを完全に再現したものとはいえず、飽きてしまうのも早かった。この後、液晶の時代になってからも野球ゲームは進化を続け、次第に複雑なルールを再現できるようになっていきます。※追記:この項を書くためにデジコム9で検索していたら、アマゾンにて新品が売られているのを見つけました(2013.12.8現在)。


 ということで、エポック社のマイコンベースボール・デジコム9(ナイン)でした。

参考:Nostalgia エポック デジコムの項、ドライブイン環8 電子ゲームの野球モノに手を出してみよう!