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80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

ウイリークロッサー WHEELIE CROSSER・トミー

2014-01-08 00:14:38 | 電子ゲーム


 これは、トミーより1983年に発売されたウイリークロッサー WHEELIE CROSSER


 電子ゲームブームの最後期に作られたもので、ミスターDo!モンスターバーガーと共にマルチカラーレーザー6000と呼ばれるシリーズの一つとして発売されました。FL(蛍光表示管)と液晶ゲームの中間ほどの大きさで、バックライト付のカラー液晶を使用した、ある意味電子ゲームの技術進化のひとつの到達地点とでも言えるものでした。


 WHEELIE CROSSERのWHEELIEとは、オートバイなどを前輪を浮かせて後輪だけで走らせる後輪走行のこと。CROSSERはモトクロスをする人くらいの意味でしょうか。弾けるようなPOPなロゴが80年代っぽい。


 本体。ゲーム&ウォッチなどよりふた周りほど大きく、バックライトの関係で厚さもそこそこあります。ただし、蛍光表示管ゲームよりはひと回り小さいくらい。結構、独特な大きさ。重さもそれらの中間くらい。


 電源のON/OFF、サウンドのON/OFF、4方向キーのみと、この辺りまで来ると操作系は完成されていて極めて簡潔なもの。ただしバイクは自動でスクロールして進みますので、前(ウイリー)、後(スモーク)、上(ジャンプ)、下(ダウン)とこのゲーム独特なもの。たった4つのキーでかなり色々なアクションをこなします。


 電池は、単3電池を4本使用。液晶だとボタン電池がほとんどでしたので、ここも少し珍しい。


 また液晶のゲームにしては珍しくACアダプターの端子付。


 トミーの蛍光表示管用のACアダプターが使えます。バックライトを使用する関係上、消費電力が普通の液晶ゲームより多いのでしょう。


 何度もネタに登場させていますが、トミーが78~79年頃に発売したブラックライダー。当時、ヒットしたブラックレーサーの続編にして姉妹品。モトクロスのバイクを使って、車やドラム缶を飛び越すスタント競技をゲーム化しています。これLEDこそ使っていますが、電子ゲームですらないエレメカ。フイルムに障害物が印刷してあって、モーターの動力でそれを回すことにより動かしています。


 このウイリークロッサーは、いわば電子ゲーム出始めの頃のこのゲームのリメイク版とも言えるもの。4~5年ほどと短かった電子ゲームブームの間に、どれくらい技術は進んだのでしょうか。


 また83年のFC発売とともに電子ゲームのブームは終焉を迎えますが(玩具屋のショーケースの主役の座を降りる)、翌84年にはモトクロスバイクゲームの古典ともいえるエキサイトバイクも登場しています。電子ゲームでどこまでやれたのでしょうか。


 ということで、ゲーム画面。トミーの方のインタビュー記事を読むと、単なるカラー液晶ではなく、ドット単位にカラーフィルターを付けた上に液晶をシャッターのように使ってバックライトで照らしているらしい。技術的なことは難しくてわかりませんが、蛍光表示管でもなくGBCやGGのようなカラー液晶でもない、独特の鮮やかな発色を見せています。大きな穴(ギャップ)は、操作キーを下に入れて降りる必要があります。そのままだと自動では降りてくれないためミスになる。


 小さな穴(ギャップ)。操作キーを前に入れてウイリーで超えます。


 空き缶が連続してやってくる。操作キーを前に入れてウイリーでかわします。メトロクロスのように踏んでいるのかどうかは不明。


 ライバル(マッドライダー)は、前から来たものは操作キーを上に入れてジャンプでかわし、後ろから来たものは操作キーを後ろに入れて煙幕(排気ガス?)でかわします。また、カラスが飛んでおりジャンプ時にぶつかるとミスになります。


 やられるとこうなる。グキッとかいっててそうで痛そう。


 空からはヘリが爆弾を落としてきます。爆弾は、操作キーを前に入れてウイリーすることでかわせます。


 道が上下に分岐して、どちらかにガソリンが出現。燃料制なので定期的に燃料をとって補給する必要があります。ジッピーレースみたいなシステム。


 時々やってくる気球にタイミングを合わせてジャンプするとボーナス得点。殺伐としたレースに訪れる一服の清涼のひと時。


 この過酷なレース(なのか?)を戦い抜く孤独なライダー。哀愁が漂います。ゲームは、同時代のムーンパトロールに非常によく似た感じ。


 スタートボタンを押さないでいると、延々と道が流れるデモが始まります。これが非常に綺麗。また、ゲーム中にもずっとBGMが流れており、その意味でも電子ゲームとしては珍しい。


 ということで、電子ゲームとしてはここまでやるかというほどの出色の出来。しかし、時代はFCへとバトンタッチ。そのためか、ここまでやったのに刀折れ矢尽きたようで、どこか哀愁を帯びていて寂しい。


 電子ゲーム後期のものということで、いわゆるレアもの扱いされたりもするようです。やはりミスターDo!が、一番人気のようですが、このウイリークロッサーもあまり見かけません。ネットで検索してみると、某専門店では(箱説付ですが)58,000円、税込みで60,000円の値段が。で、オークションでこれを落とした時の価格が100円。レトロ玩具なんて値段はあってないようなものだと思いますが、この価格は果たしてどうなんでしょうねえ。


 そのような大人の事情とは関係なく、一心不乱に時代を駆け抜けた、トミーのウイリークロッサー WHEELIE CROSSERでした。

参考:CVSオデッセイ、帰ってきた電子ゲーム、Nostalgiaマルチカラーレーザー6000シリーズの項

LSIゲーム・インディチャンピオン・学研

2014-01-07 11:28:44 | 電子ゲーム


 これは、学習研究社より1980~81年頃に発売されたLSIゲーム インディチャンピオン。


 FL(蛍光表示管)ゲームと同じ大きさの筐体に液晶画面を使用したレースゲーム。液晶ゲームは、そのコンパクトさを生かした薄型の筐体が多かったので、これは少し変則的。同じ頃にガンファイターというものも出ていました。学研のLSIゲームとしても割と初期のもので、まだ試行錯誤の段階だったのでしょうか。


 箱より取り出したところ。梱包などは蛍光表示管ゲームなどと変わらない。


 箱裏の解説なども、インベーダーや平安京エイリアンなどFL機と同じような構成。


 この頃にあった他のレースゲームとそう大きく変わる点はありませんが、ラップレースとタイムレースの2種類あることが特徴。


 本体。フォーミュラーカー(インディカー)を模したようなデザインがイカス。液晶なので、厚みはやはり薄い。


 手前がアクセルレバー、奥がハンドル。ニュートラル位置まで戻るレバーは、この頃の標準だったと思いますが、ニュートラル位置が下で固定というのは珍しい。


 インディチャンピオンというくらいなので、北米で人気のある自動車レースのインディ500を題材にしています。これは世界3大レースの一つであり、特徴としてはテクニカルなコースを走るF1とは異なり、オーバルコースを200周(500マイル)かけて走るというもの。オーバルコースとは、傾斜の付いた楕円形のコースのため、なだらかなカーブが続きます。日本ではマイナーですが、北米市場をにらんでか、関西精機製作所インディ500(68)、アタリIndy 4(76)、セガインディ500(95)など、結構ゲームの題材としても取り上げられます。


 アクセルを入れると、シャーという感じで滑らかにコースが流れていきます。数字下の道路わきの壁ようにも見えるものは、スピードメーター。電子ゲームのレースゲームというと、ぎこちないものを想像しますが、かなり気持ちよく走れる。


 クラッシュ。このゲームを遊んでみると、なだらかなカーブといい、やけに平坦に見えるライバルカーといい関西精機製作所のインディ500(68)やナムコのF-1(76)に代表されるような、幻灯機を使ったエレメカを連想します。この時点だとまだポールポジション(82)は出ていないと思われますので、案外これらのエレメカの移植だったのかも。これの開発の時点では、それらのエレメカもまだ十分現役でした。


 これらのエレメカは、実際にフォーミュラーカー型のコックピットに座って操縦をする体感ゲームの走り(ムービングはしませんが)みたいなものですから、であればこの凝った筐体もそれの再現として考えれば納得がいきます。あくまでも想像ですが、インディチャンピオンというタイトルも関西精機製作所のインディ500から来ているのかも知れませんね。


 学研のゲームはデザインが凝ったものが多いですが、これも同時代のレースゲームと比べると頭一つ飛びぬけて凝っています。白い筐体が非常にクール。


 アクセルレバーもペコッ、ペコッと軽くて軽快。気持ちいい。


 御馴染み学研ロゴもクール。


 こんなにかっこいいのに、かなりマイナー。ネット上にもほとんど情報がない。オークションでも、これ最初に5,000円で出ていたものが、徐々に下がって500円になっちゃうという不人気ぶり。


 同時期のものだと、学研初のLSIゲーム・インベーダー。


 インベーダーのキャラ換えバージョン、ジェットファイター。


 当時人気があり、今でも人気がある平安京エイリアンなど。


 学研の科学と学習の巻末に織り込みチラシが毎号付いており、それを毎月チェックするのが楽しみでした。インディチャンピオンもこれらとともに掲載されていたと思いますが、FL機と全く変わらない値段だったし、その上(わりとありがちな)レースゲームだったので、インベーダーや平安京エイリアンに目を奪われていたよう記憶しています。


 当時としてもあまり人気が無かったのか、友達でだれも持っている人がいなかったため、今回初めて遊びました。バンダイなどから出ていた、チャンピオンレーサー(LED)、サーキットチャンピオン(GD/LCD)なんかと比べても、よく出来ていて十分魅力的だと思います。しかし、上の2つは今でもかなり値が上がってしまう人気ぶりなのですが、それらに比べても人気は今ひとつの感じ。


 ということで、隠れた魅力一杯の学研のLSIゲーム インディチャンピオンでした。



参考:CVSオデッセイ、帰ってきた電子ゲーム、KLOV、Wiki関西精機製作所、F1(エレメカ)、インディ500(レース)、スピードレース(タイトー)の項

スリムボーイ・レーシング5 SLIMBOY・RACING5・トミー

2014-01-06 21:00:05 | 電子ゲーム


 こちらは、1980年に発売されたトミーのSLIMBOY・RACING5 スリムボーイ・レーシング5


 トミーのスリムボーイという液晶ゲームのシリーズの一つであり、5種類のゲームが楽しめます。スリムボーイは何種類かのゲームを内蔵しているのが売りであり、6種のシューティングゲームが楽しめるスリムボーイ・シューティング6と同時期に発売されました。その後、シリーズは続きスペースクオーツ、ベースボールクオーツ、ニューベースボールクォーツ、イデオン、ウォッチ&ボーリングとシリーズは続きます。またスリムボーイの名の通り本体が薄いこと、機種によってはクオーツ(時計)が付いていることも特徴でした。


 1、2.サーキットレーシングA、B。タイトーのフィスコ400(77)やアタリのインディ4(76)、スーパースプリント(86)、バッドランドズ(89)など、スクロールしない1画面のコースを周回するタイプのレースゲーム。


 3.デッドヒート。タイトーのスピードレースシリーズやセガのモナコGP(79)など、この頃定番であった縦スクロール型のレースゲーム。


 4.カーチェイス。この時期のカーチェイスだとバンビーノのLSIゲーム RACE 'N' CHASE(80)や、時期は異なりますがタイトーのチェイスH.Q.(88)など。個人的には、この画面からは任天堂のレーシング112を思い出します。


 5.ヘッドオン。これは、有名なセガのヘッドオンから。バンダイからも液晶ゲームに移植されていました。ちなみにオリジナルはドットイートの元祖ですが、これはドットイートしない。


 本体。ゲーム&ウォッチなどと比べてもかなり薄い。前述のように、(脳内補填して)ゴージャスなゲームが詰め込まれていることから考えても、高級感を売りにしていました。本体デザインや箱絵にも、子供の玩具っぽさがあまりなく、大人向けの文具のよう。初期ゲーム&ウォッチでも、クオーツ時計付を売りにして大人をターゲットにしていましたので、同時期のこちらでもその路線だったのでしょう。


 より大人っぽさや高級感を醸し出す、革っぽい合皮ケース付。ゲーム電卓などのこの当時の一般的な電卓よりも薄い。


 この高級感を演出している理由のひとつが、その価格。ゲーム&ウォッチが6,000円ほど、バンダイのゲームデジタルが4,980円その後→3,980円といった時代に、なんと9,980円。高価だった蛍光表示管ゲームが7,000円~9,000円ほどでしたから、それ以上。電子ゲーム界のフェラーリと呼ばれたバンビーノの初期FLゲームに匹敵します。


 トミーの方のインタビューを読むと、大型の液晶を使っていたのが、高価になった理由のようです。この1~2年後に発売されたスリムボーイ・スペースクオーツやイデオンでは、5,980円とかなり普通の値段に近づいています。


 トミーは、腕時計型のウォッチマンシリーズや、ウォッチマンを通常の筐体に改めたウォッチマン・デジプロシリーズ、ゲームの設定を自分で出来るプログラミング・デジプロシリーズなど、色々な液晶ゲームのシリーズを発売していました。写真のものは、プログラミング・デジプロのパワーマン。よく言えばバラエティに飛んでいる、悪く言えばゲーム&ウォッチやゲームデジタルシリーズのように一貫性がないといったところでしょうか。このスリムボーイシリーズは、そこそこ有名でネット上にもちらほら情報があります。個人的にも、当時これをデパートかどこかで手にした記憶も残っています。しかし、この価格ではとうてい買ってもらえるような対象ではありませんでした。


 ということで、今となっては一番の特徴はその価格だったという、トミーのSLIMBOY・RACING5 スリムボーイ・レーシング5でした。



参考:CVSオデッセイ、帰ってきた電子ゲーム、KLOV、Nostalgia スリムボーイの項、Wikiスピードレースシリーズ、モナコGP、フィスコ400、スーパースプリント、ヘッドオンの項、RATSCATS WEB PAGE カタログコレクション

デジコムルパン・エポック社

2014-01-05 15:36:27 | 電子ゲーム


 これは、1980年にエポック社より発売されたエポック社のマイコンゲーム デジコムルパン


 ルパンといってもⅢ世の方ではなく、文学の香り漂うアルセーヌ・ルパンの方。デジコムシリーズの中の一つですが、シリーズ内のみならず全ての電子ゲーム中でも飛び切りの変り種。それは、音を使って相手の位置を推理する“世界初の本格的サウンド推理ゲーム”(当時の広告のコピー)だということ。


 ゲームは、LEDの点滅を使ってゲーム画面を表示するLEDゲーム。2人での対戦が可能になっています。パッケージや本体は、ほかのデジコムシリーズに準拠しています。


 音を使ったゲームとしては、この時点だと潜水艦の位置をソナー音で探り当てるバンダイのサブマリンが有名。また、トミーのドクタースミスや、タカトクのゲームロボット九など、LEDゲームの中にもありそうです。近年(そうでもないですが)では、音だけで一切画像を使わないことで話題となった鬼才・飯野賢治氏のリアルサウンド 〜風のリグレット〜なども思い浮かびます。


 当時としてもかなり新しい試みだったのか、箱書きにもわざわざデジコムルパンとは・・・の解説が入る。


 格子状の町並みが舞台。施設としては、画廊、銀行、宝石店、そして空港。


 道は、黄色と色分けされており、の道を通ったときは赤の音♪~黄色では黄色の音♪~では緑の音♪~とそれぞれ対応した音楽が流れます。


 説明書。これがないとなかなか大変。


 説明書にもそれぞれの楽譜が書かれている。この辺りにも少し文芸的でアカデミックな香りが。


 探偵側と怪盗側に別れて、それぞれ相手の位置は表示されません。音によって相手の位置を推理し、探偵側は逮捕、怪盗側はそれそれの施設で盗みを働いた後、空港へ脱出すれば勝ちとなります。音が♪~♪~♪~と流れれば、緑の道赤の道黄色の道を通ったということがわかります。


 相手の通ったルートを予測するための記録用紙付。ゲームブックのアドベンチャーシートみたいな感じ。


 こちらが、本体。探偵側(ホームズ?)と怪盗側それぞれに操作パネルがあり、対面で遊びます。操作パネルの蓋は立てられるようになっており、相手に手の内を見られないようなっている。


 デザインは、非常にクールで秀逸。サイモンにせよ、ドクタースミスにせよ、ゲームロボットにせよ、音と光で遊ばせるLEDゲームは、外観のデザインも洒落たものが多かった。


 画廊、銀行、宝石店、空港にはそれぞれランプが灯る。そうでないと、通電しているんだがしていないんだがわからない。このジオラマや箱庭ちっくな感じは好き。


 箱から出してみると、未開封で包装のビニールが密封されており、つまり未使用品でした。30年以上遊ばれていなかったものを開封してみるのはさすがに躊躇する。ということで、雰囲気だけを。


 逮捕は3回までという制限があり、互い位置を表示する探索キー(制限あり)もあって、ゲームとして成立させるために、いろいろと制限が付け加えられています。説明書には、相手に悟られない移動のテクニックなども紹介されています。このようなものを駆使して、相手(CPU)と駆け引きをするというところが、このゲームの肝になります。


 ルパン側。デザインが洒落ている。


 DETECTIVE。探偵、刑事側。ホームズではないんですな。本体には、ELECTRONIC DETECTIVE GAMEの文字が。海外には、この名前で売ったのかも。


 当時の思い出としては、雑誌広告などで知るのみでした。近くに持っている人もいなかった。デジコムベーダーと同時期に発売されており、当時6,800円という価格もあって、こちらを選ぶ人は少なかったと思います。ネット上にもほとんど情報がありません。ただ、どんなゲームだろうとずっと謎で、遊んでみたかったゲームの一つではありました。この当時は、インベーダーやらブロック崩しやら既存のゲームを再現(しようと)したものがほとんどで、一からルールや遊び方を構築して新しいゲームを作り出した、このオリジナリティの高さは貴重だと思います。


 この学校図書館においてある児童文学書のようなパッケージ絵もクール。こんな怪盗がいたら、目立って仕方ありません。


 ということで、いろんな意味で通好みなエポック社のマイコンゲーム デジコムルパンでした。ちなみに、これフラッシュゲームとして再現されています。デジコムルパンやD-ルパンなどで出てきます。



参考:デジコムルパン説明書、Wiki リアルサウンド 〜風のリグレット〜の項、昭和の雑誌広告トナツカシモノ、D-ルパン


 おまけ。電子ゲーム2大アルセーヌ比較。あっさりめのデジコムルパン。


 トミーの黄金強奪作戦ルパン。濃い。怪盗ではなく別の趣味の人のよう。

Mattel Auto Race (マテル オートレース)・マテル

2014-01-03 02:43:13 | 電子ゲーム


 これは、1976年に米国マテル社より発売されたMattel Auto Race (マテル オートレース)


 これが、電子回路を使用した世界初の携帯型電子ゲームということのようです。表示部にはLEDを使用しており、スペースアラート(シューティング)、ベースボール、ホッケー、フットボール、サッカー、バスケットなど、沢山の種類が発売されていました。日本国内では、バンダイより発売されていた他、ゲームシンジケートシリーズとしてマテル社自体からも販売されていました。当時の価格は4,800円。また、最近になってクラシックシリーズとして、いくつかのスポーツゲームが復刻されていたようです。


 日本では、77~78年ごろにLEDを使ったサブマリン、コンバット、ゴルフコンペが登場しており、その後のミサイルベーダー(ミサイルインベーダー)、チャンピオンレーサーがヒットしていました。基本的に、このゲーム機はそれらとよく似ており、バンダイのものはこれを参考に作られたのだと思われます。


 今ではあまり見かけない9ボルトの乾電池使用。バンダイのLEDもこれを使用していました。


 現在では、携帯型ゲーム機といえば液晶ですが、最初はLEDのランプの点滅によりゲーム画面を表示していました。有名なところでは、サイモン(Simon/日本では米澤玩具が78年に発売)、78年のMerlin(Parker Brothers/日本では、Dr.SMITHとして80年にトミーより発売)、タカトクトイスのゲームロボット九(82年頃)など。


 ゲーム画面はこのような感じ。LEDの線で車が表現され、自車は他のものより明るい輝点で表現されています。バンダイのLEDゲーム、チャンピオンレーサーと非常によく似た感じ。違いは、自車はギアの切り替えでスクリーン上部へと進んで行き、再び下部より出てきます。制限時間の99秒内に4周した時点でゲームは終了。そのタイムを競います。


 スクリーン下部についている自動車のマークの入ったハンドルで敵車を避けます。ギアは4段階あり、敵車の速度が速くなります。


 バンダイのチャンピオンレーサーでは、LEDの上に車型のセロファンが被せてあり、自動車レースっぽくなっていました。LEDの点(線)でしかないこれだと、想像力が必要となります。サウンドは、ジジジ・・・(一応エンジン音?)といった感じのもの。


 点数は無く、制限時間を知らせるタイマー。


 外見から想像するよりかなり本体はコンパクト。ゲームウォッチより一回り大きい程度しかありません。この頃のエレメカ、LEDゲームはどれも大きかったので、ちょっと意外な感じ。


 LEDの次に一般的となった、ゲーム表示画面に蛍光表示管を使用したFLゲームと比べてもこの程度。高価な玩具だったと思いますが、あまり高級感はない。ちなみにMade in Korea。この頃だと、日本メーカーのものはまだMade in japanが多かった。他には、Made in Hongkongなど。


 LED、蛍光表示管(VFD)と来て、80年のゲーム&ウォッチのヒットによりゲーム画面表示に液晶(LCD)が使われ始めます。こちらは、液晶ゲームの中でも比較的初期のトミースリムボーイ・レーシング5


 これは、一つのゲーム機で縦スクロール型、周回コース型、ヘッドオン、カーチェイスなど5種のレースゲームが遊べるという優れもの。


 こちらは、80~81年頃の学研のインディチャンピオン。薄くてコンパクトな本体が多かった液晶ゲームを、FLゲームのような大型の筐体に入れてしまった変り種。筐体がフォーミュラーカーを模したようなデザイン。


 この辺りまでくると、かなり一般的なレースゲームに近づいてきました。


 こちらは、電子ゲームブームも去り、FC全盛期であった85年に発売されたバンダイのW-RACING(ダブルレーシング)


 ここまでくると、擬似3D表示の分割画面で2対戦が出来ようになっています。


 こちらは、レースゲームではありませんが、最後の蛍光表示管ゲームとなった85年発売のバンダイのスペースハリケーン。蛍光表示管をゲーム画面に使用したゲーム機は、これを最後に終焉を迎えました。


 ゲームスクリーンの内部にハーフミラーやジオラマ(情景模型)を備え、大きな操作レバーを装備するなど、蛍光表示管ゲームの最後を飾るのにふさわしい大艦巨砲主義。電子ゲームはここまで大きく豪華に発展しました。


 蛍光表示管の電子ゲームは、85年を最後に終焉を迎えましたが、液晶ゲームの方はゲーム&ウォッチからゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスと来て、NDS、PSPと現在まで発展を続けています。また、たまごっちやキーチェンのテトリスなど、安価なミニゲームとしても使われ続けています。


 自動車レースゲームの方に目を向ければ、FCの時代となりジッピーレース(83)、任天堂のF1レース(84)など、見下ろし型、擬似3D型など、様々なタイプが作られていきます。アーケードの方では、シミュレーション色の強いナムコのポールポジション(82)なども登場していました。


 86年には巨大なポリゴンを高速で表示し擬似3Dを表現したセガのアウトランが登場し、91年にはそのポリゴンによる擬似3Dを極限にまで推し進めたラッドモビール(SS版はゲイルレーサー)が登場。アーケードの方では、88年にポリゴンを使用した初のレースゲームであるウイニングラン(ナムコ)も登場しました。


 これらのゲームは、乗り込める大型の筐体を備えており、体感ゲームとも呼ばれていました。


 89年には、ポリゴンを使用したドライブシミュレーターといえるアタリのハードドライビンが登場。レースだけではなく、自動車の運転をリアルに再現するという方向性も生まれました。


 90年には、Atari Lynx、メガドライブ用として家庭にも登場。この頃から、家庭用とアーケードゲームの差が縮まっていきました。


 92年のセガのバーチャルレーシングを経由して、94年のデイトナUSA、95年のセガラリーチャンピオンシップでは、テクスチャーをポリゴンに貼ってよりリアルな3D表現が可能となりました。93年のナムコのリッジレーサーでは、車の挙動の楽しさを優先してリアルさではなくゲーム性を追及した方向性も生まれます。


 これらの流れが、実在する自動車メーカーの車を使った97年のグランツーリスモシリーズへと結実し、現在へと続いています。


 ということで、駆け足で見てきましたが、電子ゲームの始祖であり、家庭用レースゲームの源流ともいえるマテル社のマテル オートレース Mattel Auto Raceでした。

参考:Wiki Mattel Auto Race マテル オートレース、レースゲームカテゴリー、サイモン、Merlinの項、Nostalgia マテルの項、Handheld Antique、電子ゲームの世界