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80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

おしいれのぼうけん・ふるたたるひ・たばたせいいち/童心社

2007-12-12 20:38:05 | 書籍・漫画
 『おしいれのぼうけん』は、童心社より1974年に発行された絵本(児童文学書)です。作者は、児童文学作家で評論家の古田足日氏と、画家で絵本作家の田畑精一氏。取材の過程から二人で相互に影響を与え合って成立した作品のため、文ふるたたるひ、絵たばたせいいちではなく、二人の作となっているそうです。ちょっと変則的なネタですが、どのくらいの方がご存知でしょうか。

 物語はさくらほいくえんという保育園が舞台。このさくらほいくえんでは、人形劇に登場する『ねずみばあさん』と悪いことをするとお仕置きに入れられてしまう『おしいれ』の2つが、園児達にとってこわいものとなっています。ある日いたずらっこのさとしとあきらが、悪ふざけをして罰としてみずの先生におしいれに閉じ込められてしまいます。2人は、その押入れの中で不思議な冒険を体験することになります。保育園が舞台なのですが、実際は結構文字の多い作品のため(自分で読む場合には)2年生くらいが対象のようです。また絵本とはいっても、鉛筆書きのモノクロのイラストがついており、とても個性的なものになっています。ちなみに私は、これを小学校の時に学校の推薦図書だか、読書感想文かなにかで読んだような記憶があります。ネットでたまたま検索をしていて、世代を超えて現在までずっと読み継がれているベストセラー(ロングセラー)になっているということをはじめて知りました。

 このおしいれのぼうけんの公式サイトには、広末涼子さんの毎日新聞のインタビュー記事が掲載されています。またスチャダラパーのアニ氏が、この主人公の少年のモデルという意外な話もあります。作家さんと近所で、遊んでいるところを取材されたのだとか。さくらほいくえんという舞台も(みずのせんせいも)非常にリアリティがあり、こちらもしっかりと取材がなされているのかもしれません。また、おしいれのなかより幻想的な冒険が始まるのですが、ねずみばあさんの追跡を振り切ってトンネルを抜けると突然深夜の高速道路に出る展開など、不思議な現実感もあったりします。そういったところも、世代を超えて今の子供達にも愛読されている理由の一つなのでしょうか。時代が変わっても、人の根本的な部分というのはそれほど変わらないのかもしれませんね。それにしても、吸収力(感受性)の強い子供の頃に読んだ書籍というのは、いつまでも強い印象で残っているものです。 

目で見る駄菓子屋グッズ大図鑑DX・堤哲哉著/扶桑社

2007-10-30 23:31:40 | 書籍・漫画

 映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の公開にあわせて書店のコーナーで、「昭和ノスタルジックフェア」というのをやっていました。その中に、以前発売されていた『目で見る駄菓子屋グッズ大図鑑DX』がありましたので購入してみました。これは、駄菓子屋グッズだけでなくエポック社の野球版や魚雷船ゲーム、ガチャガチャに関する記事もあってなかなか楽しい一冊です。詳細は、また後日紹介します。




蘇るPC-8801伝説/MSX MAGAZINE 永久保存版・アスキー

2007-09-30 20:14:25 | 書籍・漫画

 『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』と『MSX MAGAZINE 永久保存版』は、どちらも株式会社アスキーより発売されている、PC-88とMSXという80年のレトロPCを扱ったムック本です。これ以外にも、PC-98を取り上げた『蘇るPC-9801伝説 永久保存版―月刊アスキー別冊』、『蘇るPC-9801伝説 永久保存版 第2弾』、PC-8001・PC-6001を特集した『みんながコレで燃えた!NEC8ビットパソコン PC-8001・PC-6001』などがあります。『MSX MAGAZINE 永久保存版』の方は、現在第3弾まで発売されています。ムック本+当時のゲーム(+エミュ)という構成で、ただ記事を懐かしむだけでなく、実際に当時のゲームで遊ぶ(体験する)ことができます。価格3,000円程度と結構高価な本なのですが、当時のPCに思い入れのある世代には、値段以上の価値があるものだと思いますので紹介してみます。


 『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』は、80年代に一世を風靡した8ビットPC“PC-8801”を取り上げたムック本です。『蘇るPC-98伝説』が月刊アスキー別冊、『MSX MAGAZINE 永久保存版』が、当時発売されていたMSX MAGAZINEの復活という体裁をとっているのに対して、こちらは特定の雑誌の復刻でなく、当時の88を取り巻いていた状況に広くスポットをあてたものとなっています。その結果、赤松健氏(ボーステックよりゲームを発表)、三遊亭円丈氏(ポプコム誌に連載、ゲームも製作)、矢野健太郎氏(テクノポリス誌に漫画連載)、など幅広いゲストが登場しています。また巻頭の木屋善夫氏(ドラゴンスレイヤー)と内藤時浩氏(ハイドライド)の対談を始めとして、森田和郎氏(森田将棋、アルフォス)、五代響氏(テグザー)、古代裕三氏(イースの音楽)など、当時88の周辺で有名だった方々のインタビューが収められています。また『98伝説』、『PC-8001・PC-6001』がハード等のテクニカルな記事や、ビジネス面での記事が多いのに対して、こちらの方はかなりゲームに特化した内容となっているのも特徴です。アクション、AVG、RPG、シュミレーションなど、日本のPCゲームの発展史が詳細に解説されており、88の歴史は8ビットPCゲームの歴史だったということを、改めて実感させてくれたりもします。付属のCD-ROMには、『ブラックオニキス』と、『ファイヤークリスタル』(BPS)が、(携帯版やGBC版はありましたが)初復刻として収められ、『ハイドライド』(T&Eソフト)シリーズ全3部作や、『スーパー大戦略』(システムソフト)なども収録されています。それ以外に『アーコン』(BPS)、『リグラス』(ランダムハウス)、『うっでぃぽこ』(デービーソフト)など。残念なのは、マジカルズーの『ザ・スクリーマー』が収録される予定だったのが、中止になってしまったことでしょうか(ゲーム特集の扉に画像だけが残っている)。それは『88伝説』の第2弾に期待したいと思います。


 『MSX MAGAZINE 永久保存版』は、80年代当時MSX専門誌としてアスキーより発売されていた『MSX MAGAZINE』の復活(最新号)という形で登場しました。とはいっても、『Beep復刻版』のように当時の記事や、当時のレイアウトを復刻しているわけではなく、MSXを取り巻く現在の状況にスポットを当てたかたちになっています。


 公式エミュレーター『MSXプレイヤー』や、現在のPCでMSXのROMカセットを使用するための『ゲームリーダー』、新しい形で蘇ったMSXハード『1チップMSX』など、現在でも新しい動きがあるMSXならではということでしょうか。またすがやみつる氏の「あらし」や、荒井清和氏「べーしっ君」、桜玉吉氏「のんきな父さん」、桜沢エリカ氏「ウーくん」などの懐かしい漫画も掲載されていて、アスキー創設者にしてMSXの生みの親、西和彦氏のインタビュー・対談記事なども読むことができます。


 あまりレイアウトなどに、当時のMSX MAGAZINEのおもかげはないのですが、それは単なるレトロ本(懐古本)というよりは、現在のMSXを追うという体裁になっているためでないかと思います。CD-ROMに収められたゲームは『MSX MAGAZINE 永久保存版』第1弾、第2弾の時には、『ボコスカウォーズ』、『キャッスル』、『ぺんぎんくんウォーズ』、『ウォーロイド』などアスキー製のものが多かったのですが、第3弾では『妖怪屋敷』、『伊賀忍法帖』(カシオ)、『アレスタ』(コンパイル)、『惑星メフィウス』(T&Eソフト)、『はーりぃふぉっくす』(マイクロキャビン)、『エミーⅡ』(工画堂スタジオ)と、多彩で豪華になっています。またゲームだけでなく、カシオの低価格MSX『PV-7』などについても、当時の技術担当者にインタビューが行われ興味深い話が語られています。このように、当時のゲームを復刻して付録につけた書籍は結構高額ですが、昔のゲームはネット上でいくらでも手に入るというのは野暮で(書店にはそのような本が溢れてますが)、これらは攻略記事を含めてパッケージされた“当時の空気を買う”ものだといってよいと思います。


 この頃は、学校帰りに友達の家で88のゲームで遊び、自分ではMSXを所有していて自宅で遊んでいるという感じでした。今のように発売されるゲームも把握できないほど多いわけではありませんし、中古ソフトもあまり売られてなかったですね(コピー品などはあったようですが)。PC誌も月に一回といったペースで、毎号新作ソフトの情報を楽しみにしていました(ゲームブックもこの時期でした)。個人的には、この8ビットPC期が一番ゲームが面白くて輝いていた時期でした。この時期は、ナムコ黄金期でもありますし、FCが大ヒットをとばしていた時期でもありますので、ゲーム業界自体にも活気があったのでしょう。これからも画期的なゲームは登場してくると思いますが、新しいゲームにわくわくしていたこのような楽しい(熱気を帯びた)時間はもうないのだろうな、と思うとちょっと寂しい気もします。ちなみにこれらのムック本、『レトロPCメモリアルムック3冊セット』としてセット販売されるようです。



※参考:蘇るPC-8801伝説 永久保存版/MSX MAGAZINE 永久保存版・アスキー

電子ゲーム70’s & 80’sコレクション/bean’s・オークラ出版/ソニーマガジンズ

2007-09-24 21:53:55 | 書籍・漫画

 FC関連のレトロ本は、近年でも出版されていますので手に入れやすいですが、電子ゲーム関連はそれも難しい部分があります。近年(といっても2004年12月号で、3年近く前)では、携帯誌ケンガイで特集記事が組まれたのが話題になりました。ケイブン社などの当時ものは、物自体がありませんし、あってもプレ値が付いていたりします。洋書もちょっと敷居が高かったり。ということで、比較的最近のものでわりと入手しやすいものとして、オークラ出版の『電子ゲーム70's&80'sコレクション』と、ソニーマガジンズの『bean's』(電子ゲーム特集)の2冊を紹介してみます。


 『電子ゲーム70's&80'sコレクション』は、オークラ出版より2000年に発行されたものです。これは電子ゲーム好きな方には、今更紹介するまでもない一冊なのですが、ご存じない方もいらっしゃるかと思いますので紹介してみます。この本は大きく3部に分かれていて、ファミコン前夜のTVゲーム(VIDEO GAMES)65機種、蛍光表示管ポータブルゲーム(LSI)113機種、液晶ゲーム(LCD)113機種、それ以外に電子ゲームの歴史、アタリショック等のコラム、コレクターへのインタビュー記事などが収録されています。


 FC、カセットビジョン、マックスマシーンなどの有名機種はもとより、TVテニス(国産初のTVゲーム)、ODYSSEY(世界初のTVゲーム)、高速船、ATARI2800、コレコビジョン等、主要なものは一通り押えてあります。FL(蛍光表示管)に関しては全て網羅されているわけではありませんが、バンダイ、トミー、エポック、学研など主要メーカーの有名どころは一通り取り上げられいて、液晶に関してもG&W、ゲームデジタル、ポケットデジコムなど、“当時見たことあるなあ”と、十分に懐かしいと感じさせるものは押えられています。もちろんTVゲーム、蛍光表示管、液晶と幅広く紹介されていますので、コレクターの方からするともの足りない部分もあるようです。ただ一般の人が懐かしんだり、これから電子ゲーム収集を始めようという人が、相場などを調べたりするのには丁度良いのではないでしょうか。最近のもので、ここまで詳細に電子ゲームを扱った書籍はなかったと思われますので、レトロゲーム機好き、電子ゲーム好きにはお勧めできる一冊ではないかと思います。


 もう一方の『bean's』は、ソニーマガジンズより発行されている“小さくてかわいい雑貨”や、“お洒落なTOY”などを紹介した(どちらかというと女性向けの)おもちゃ雑誌です。こちらの方は専門誌ではなく、ちょっとファッション系のMOOKでお洒落でレトロな雑貨・玩具の雑誌といった感じです。ミニカーやフィギュア、北欧などの素朴な玩具、絵本などに混じって25ページほど電子ゲームの特集がされています。


 とはいっても一般誌で、おまけに“レトロ=ちょっとお洒落なゲーム”みたいなノリですので、G&Wは一通り紹介されていますが、蛍光表示管(FL)は見開き1ページのみ、海外製のLED機や高速船などを少し、ボードゲームやグッズが少しといった感じです。まあ雑誌が雑誌ですから、(読者層を考えても)マニアックな情報を期待するほうが間違いで、本の帯にゲームウォッチのキャラがちりばめられているなどの雰囲気を楽しむためのものといった感じですね。ただゲームとは関係のない記事も、結構なごんだりはしますので、気楽にペラペラっと眺めるのには丁度良いかもしれません。こちらは雑誌のため、バックナンバーで入手するということになるのですが、ソニーマガジンズのページを見るとまだ手に入るようです。特に注文してまでは、(男性の)レゲー好きにはお勧めはしませんが、普段ホビー誌ではまず見ないような素朴な玩具が掲載されていますので、個人的には意外と新鮮でした。


 『電子ゲーム70's&80'sコレクション』の方は、一般書店や古本屋などで偶然見つけるという確率は低いでしょうから、注文をされるのが早いと思います。私は直接書店にて注文をして入手しました(ただしかなり以前の事ですから、現在あるかどうかは不明です)。アマゾンにも、(2007年9月27日現在)在庫があるようです。『PLAY & TIME』さんの所では、当然2冊とも紹介されているのですが、『電子ゲーム70's&80'sコレクション』の方は協力をされたようで、さすがに次元が違います。

(思い出の)続・昭和こども新聞・日本文芸社

2007-09-16 21:28:10 | 書籍・漫画
 これは、日本文芸社より発行されている、『にちぶんMOOK・(思い出の)続・昭和こども新聞』です。昭和54年~平成元年(1979~89)までの出来事を、新聞形式で綴ったもので、2005年に発売されていた『懐かしの昭和こども新聞―大好きだったテレビもマンガもおもちゃも大集合!』(昭和38年~昭和53年)の続編にあたります。昨年2006年に発売されていたものですが、現在は37年以前を扱った『昭和こども新聞 <昭和21年~昭和37年編>』が発売されています。また、この“にちぶんMOOK”には、新聞シリーズと銘打った『新版・日本史新聞』、『世紀の号外!新版・歴史新聞』があり、もともとは歴史もののシリーズだったようです。昭和21年~昭和37年編が発売されたことにより再販されたのか、現在でも書店で見かけることができます。

 これは、昭和54年から平成元年までを一年ごとに、その年におきた事件、ニュース、流行などを解説したつくりになっています。昭和54年~平成元年を西暦になおすと、1979年~89年ですから、まさに80年代の風俗にスポットをあてたものになります。また、前作『懐かしの昭和こども新聞』(昭和38年~昭和53年)が、『仮面ライダー』や『ウルトラマン』等のTV番組をメインにすえていたのに対して、こちらはホビーをメインにすえた作りになっています。年代別に、インベーダー・平安京エイリアン・スライム(79)、なめ猫・TVベーダー・G&W(80)、カセットビジョン・ゴールドライタン(81)、ガンプラ・ゲームセンターあらし(82)、キャベツ畑人形・FC・SG-1000・SG-3000・ゼビウス(83)、FC(ロードランナー、パックマン、ゼビウス)・キン消し(84)、スーパーマリオ・セガマークⅢ・トランスフォーマー(85)、ビックリマン・ゾイド・ディスクシステム・高橋名人vs毛利名人(スターソルジャー)(86)、ミニ四駆・PC-E・RPGブーム(ドラクエ、FF、女神転生・・)・ビックリマンアニメ化(87)、ドラクエⅢ・メガドライブ・SDガンダム(カードダス)(88)、おぼっちゃまくん・ゲームボーイ(89)などが取り上げられています。これを見ると、80年代は(子供の数が多かったということもあってか)、ホビー関連の流行が熱かった時代だったということがよく分かります。とにかく大人にとってはバブル景気、子供にとってはホビーのブームと、(意味も無く元気で)熱気があった時代だったといえるような気がします。

 また、この書籍はもともと歴史もののシリーズから派生していますから、ホビーだけではなく印象的なニュースや、流行一般にも多くページを割いてあります。寺から虎が逃げたニュース(79)に始まって、MANZAIブーム・王選手引退(81)、ツッパリブーム(82)、東京ディズニーランド開園(83)、ロス五輪(84)、グリコ森永事件(85)、チャレンジャー爆発(86)、国鉄民営化(87)、ソウル五輪(88)等など・・。それ以外に時代を感じるものとしては、プロレスの記事が多い(ハンセン、ホーガン、ブロディ)ということと、アイドルに関する記事が多いということでしょうか。またアニメやTVドラマ、映画に関する記事もそれに続きます。特に84~85年は、グレムリン、ゴーストバスターズ、ゴジラ、ナウシカ、インディ・ジョーンズ/魔球の伝説、プロジェクトA(84)、グーニーズ、ネバーエンディングストーリー、ターミネーター、バック・ツゥ・ザ・フューチャー(85)と、この辺りは映画の当たり年だったことが分かったりして、微妙に面白いです。アイドルに関しては松田聖子のデビュー以降、(男性アイドルも含め)アイドル全盛期とでもいうべき状態になりました。この流れは、80年代中盤以降もおニャン子、スケバン刑事、光GENJI、少年隊、Winkへと続いていきます。このムックはもともと大人(年配)向きの歴史本で、出版社もゲーム・ホビー系の出版社ではありませんので、それらのひとつひとつの事柄については、それほど詳しくはありません(新聞という形式をとっているため、記事もモノクロ)。しかし時代全体を俯瞰して見るという意味では、十分にその役割を果たしてくれると思います。

 写真左側は、最近出版された宝島社の『80年代こども大全』なのですが、こちらはホビーメインで『こども新聞』とは補完の関係といえますから、こちらもあわせて見ることでより楽しめるかもしれませんね。60年代、70年代(あるいは昭和30年~40年代)をテーマとしたレトロ本は多いですが、それらに比べると80年代ものはまだまだ少ないです。現在発売中で、気軽に手に入れやすいものとしては、これらの2冊はお勧めできるのではないかと思います。

参考:にちぶんMOOK・(思い出の)続・昭和こども新聞/日本文芸社