goo blog サービス終了のお知らせ 

80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

蘇るPC-8801伝説/MSX MAGAZINE 永久保存版・アスキー

2007-09-30 20:14:25 | 書籍・漫画

 『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』と『MSX MAGAZINE 永久保存版』は、どちらも株式会社アスキーより発売されている、PC-88とMSXという80年のレトロPCを扱ったムック本です。これ以外にも、PC-98を取り上げた『蘇るPC-9801伝説 永久保存版―月刊アスキー別冊』、『蘇るPC-9801伝説 永久保存版 第2弾』、PC-8001・PC-6001を特集した『みんながコレで燃えた!NEC8ビットパソコン PC-8001・PC-6001』などがあります。『MSX MAGAZINE 永久保存版』の方は、現在第3弾まで発売されています。ムック本+当時のゲーム(+エミュ)という構成で、ただ記事を懐かしむだけでなく、実際に当時のゲームで遊ぶ(体験する)ことができます。価格3,000円程度と結構高価な本なのですが、当時のPCに思い入れのある世代には、値段以上の価値があるものだと思いますので紹介してみます。


 『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』は、80年代に一世を風靡した8ビットPC“PC-8801”を取り上げたムック本です。『蘇るPC-98伝説』が月刊アスキー別冊、『MSX MAGAZINE 永久保存版』が、当時発売されていたMSX MAGAZINEの復活という体裁をとっているのに対して、こちらは特定の雑誌の復刻でなく、当時の88を取り巻いていた状況に広くスポットをあてたものとなっています。その結果、赤松健氏(ボーステックよりゲームを発表)、三遊亭円丈氏(ポプコム誌に連載、ゲームも製作)、矢野健太郎氏(テクノポリス誌に漫画連載)、など幅広いゲストが登場しています。また巻頭の木屋善夫氏(ドラゴンスレイヤー)と内藤時浩氏(ハイドライド)の対談を始めとして、森田和郎氏(森田将棋、アルフォス)、五代響氏(テグザー)、古代裕三氏(イースの音楽)など、当時88の周辺で有名だった方々のインタビューが収められています。また『98伝説』、『PC-8001・PC-6001』がハード等のテクニカルな記事や、ビジネス面での記事が多いのに対して、こちらの方はかなりゲームに特化した内容となっているのも特徴です。アクション、AVG、RPG、シュミレーションなど、日本のPCゲームの発展史が詳細に解説されており、88の歴史は8ビットPCゲームの歴史だったということを、改めて実感させてくれたりもします。付属のCD-ROMには、『ブラックオニキス』と、『ファイヤークリスタル』(BPS)が、(携帯版やGBC版はありましたが)初復刻として収められ、『ハイドライド』(T&Eソフト)シリーズ全3部作や、『スーパー大戦略』(システムソフト)なども収録されています。それ以外に『アーコン』(BPS)、『リグラス』(ランダムハウス)、『うっでぃぽこ』(デービーソフト)など。残念なのは、マジカルズーの『ザ・スクリーマー』が収録される予定だったのが、中止になってしまったことでしょうか(ゲーム特集の扉に画像だけが残っている)。それは『88伝説』の第2弾に期待したいと思います。


 『MSX MAGAZINE 永久保存版』は、80年代当時MSX専門誌としてアスキーより発売されていた『MSX MAGAZINE』の復活(最新号)という形で登場しました。とはいっても、『Beep復刻版』のように当時の記事や、当時のレイアウトを復刻しているわけではなく、MSXを取り巻く現在の状況にスポットを当てたかたちになっています。


 公式エミュレーター『MSXプレイヤー』や、現在のPCでMSXのROMカセットを使用するための『ゲームリーダー』、新しい形で蘇ったMSXハード『1チップMSX』など、現在でも新しい動きがあるMSXならではということでしょうか。またすがやみつる氏の「あらし」や、荒井清和氏「べーしっ君」、桜玉吉氏「のんきな父さん」、桜沢エリカ氏「ウーくん」などの懐かしい漫画も掲載されていて、アスキー創設者にしてMSXの生みの親、西和彦氏のインタビュー・対談記事なども読むことができます。


 あまりレイアウトなどに、当時のMSX MAGAZINEのおもかげはないのですが、それは単なるレトロ本(懐古本)というよりは、現在のMSXを追うという体裁になっているためでないかと思います。CD-ROMに収められたゲームは『MSX MAGAZINE 永久保存版』第1弾、第2弾の時には、『ボコスカウォーズ』、『キャッスル』、『ぺんぎんくんウォーズ』、『ウォーロイド』などアスキー製のものが多かったのですが、第3弾では『妖怪屋敷』、『伊賀忍法帖』(カシオ)、『アレスタ』(コンパイル)、『惑星メフィウス』(T&Eソフト)、『はーりぃふぉっくす』(マイクロキャビン)、『エミーⅡ』(工画堂スタジオ)と、多彩で豪華になっています。またゲームだけでなく、カシオの低価格MSX『PV-7』などについても、当時の技術担当者にインタビューが行われ興味深い話が語られています。このように、当時のゲームを復刻して付録につけた書籍は結構高額ですが、昔のゲームはネット上でいくらでも手に入るというのは野暮で(書店にはそのような本が溢れてますが)、これらは攻略記事を含めてパッケージされた“当時の空気を買う”ものだといってよいと思います。


 この頃は、学校帰りに友達の家で88のゲームで遊び、自分ではMSXを所有していて自宅で遊んでいるという感じでした。今のように発売されるゲームも把握できないほど多いわけではありませんし、中古ソフトもあまり売られてなかったですね(コピー品などはあったようですが)。PC誌も月に一回といったペースで、毎号新作ソフトの情報を楽しみにしていました(ゲームブックもこの時期でした)。個人的には、この8ビットPC期が一番ゲームが面白くて輝いていた時期でした。この時期は、ナムコ黄金期でもありますし、FCが大ヒットをとばしていた時期でもありますので、ゲーム業界自体にも活気があったのでしょう。これからも画期的なゲームは登場してくると思いますが、新しいゲームにわくわくしていたこのような楽しい(熱気を帯びた)時間はもうないのだろうな、と思うとちょっと寂しい気もします。ちなみにこれらのムック本、『レトロPCメモリアルムック3冊セット』としてセット販売されるようです。



※参考:蘇るPC-8801伝説 永久保存版/MSX MAGAZINE 永久保存版・アスキー


最新の画像もっと見る

コメントを投稿