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80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

プロレススーパースター列伝/梶原一騎・原田久仁信・道出版

2011-04-16 22:16:14 | 書籍・漫画

 『プロレススーパースター列伝』は、週刊少年サンデーで1980年から83年にかけて連載されていたプロレスを題材とした漫画です。原作は梶原一騎氏、作画は原田久仁信氏。当時人気のあった実在のレスラーをもとにした、ノンフィクション作品という体裁で連載され、当時のプロレスブームもあって人気を博していました。


 この作品はスタン・ハンセンハルク・ホーガンブルーザー・ブロディブッチャーなど実在するレスラーを取り上げ、そのエピソードをもとに各レスラーを数話形式で紹介するという構成でした。80年代当時は、ジャイアント馬場率いる全日本プロレスと、アントニオ猪木の親日本プロレスがライバルとして競い合っており、ゴールデンタイムでTV中継されるなどお茶の間にも広く浸透していて、プロレス人気全盛ともいえる時期でした。特に81年に初代タイガーマスクがデビューしてからは、相乗効果でこの作品の人気も盛り上がっていったと思います。一応ノンフィクションということで実在するレスラーの伝記的な形式だったのですが、実際は梶原一騎氏の演出、創作による部分も多く、アントニオ猪木のコメント部分まで(ほとんど)梶原氏の手によるものだったようです。それでも当時はプロレスのギミック(エンターテイメントの)部分と、競技としての真剣勝負の部分が曖昧でしたから、その曖昧な部分を補強する形でこの作品も楽しんでいたように思います。


 この作品の連載されていた時期は、タッチ、うる星やつらのヒットにより少年サンデーの全盛期でもあり、サンデーの最大部数も83年に最高を記録したそうです。漫画のほうはラブコメ漫画といわれるものが流行っていましたが、当時のプロレス人気(&タイガーマスク人気)もあって、この作品も少年サンデー人気の後押しをしたのではと思います。少年ジャンプの方は1995年に653万部という最大発行部数を記録したそうですが、この頃にドラゴンボールの連載が始まり、北斗の拳やハイスクール奇面組、キャプテン翼、キン肉マン、聖闘士聖矢など、この頃は少年漫画の人気の方も盛り上がっていて、非常に勢いがあった時期でした。


 最近では総合格闘技などに押されていますが、この頃はプロレスの方にも一般的な話題性があり、当時の風俗を紹介した『思い出の昭和こども新聞』にも、当時のトピックスとして数多く紹介されています。熊殺しウイリー・ウイリアムスとの猪木の異種格闘技戦、スタン・ハンセンのウエスタン・ラリアットと猪木の対決、タイガーマスクのデビュー、親日と全日による外人引き抜き合戦、長州のかませ犬発言、ハルク・ホーガンのアックスボンバーによる猪木失神、グレートカブキの毒霧、ラッシャー木村のマイクパフォーマンス、ロードウォーリアーズ来日、たけし軍団プロレス、プロレス巌流島、輪島全日デビュー、ブロディの刺殺事件などなど。その年を代表するニュース(トピックス)に選ばれるほど当時はプロレスに認知度があり、一般的な話題になったということなのでしょう。



 当時のプロレス人気を反映して、この頃プロレスを題材としたゲームなども登場し始めていました。プロレスを題材とした初の業務用作品“ザ・ビッグプロレスリング”/データーイースト(83)、“アッポー”/セガ(84)、バンダイのファミコン初参入作品“キン肉マン マッスルタッグマッチ”/バンダイ(85)、ザ・ビックプロレスリングのファミコン移植作“タッグチームプロレスリング”/ナムコ(85)、任天堂によるディスクシステム作品“プロレス”/任天堂(86)などなど。ということで業務用初のプロレス作品“ザ・ビッグプロレスリング”と、そのFC移植作品“タッグチームプロレスリン”の項に続きます。

参考:Wiki プロレススーパースター列伝の項、少年サンデー1983/小学館、思い出の昭和こども新聞/日本文芸社

名たんていカゲマン・山根あおおに/小学館

2010-07-31 21:14:14 | 書籍・漫画

 『名たんていカゲマン』は、70年代から80年代にかけて小学館の学習誌やコロコロコミックに連載されていたギャグ漫画です。作者は、山根あおおに氏。かっててんとう虫コミックスより全11巻が発売されており、2004年には復刊ドットコムのリクエストに応えて全3巻の復刻本もてんとう虫コミックスライブラリーとして発売されました。また内容はオリジナルとは異なっていますが、2001年には『探偵少年カゲマン』としてTVアニメ化もされています。この時代(70年代後半~80年代前半頃)に小学館の学習誌や、コロコロコミックを読んでいた世代にとっては、忘れられない作品のひとつといってよいかと思います。写真は、てんとう虫コミックスライブラリー版の名たんていカゲマン第一巻。


 物語は、少年探偵カゲマン(影万太郎)が相棒である自分の影(シャドーマン)とともに、悪党や難事件に立ち向かうというものです。作品の一番の特徴としては、カゲマンのピンチ時には意思と実体を持った自分の影(シャドーマン)が、(本人に代わって)活躍をしてくれるというところで、トレードマークである懐中電灯と、“シャドー”の掛け声と共に印象に残っている方も多いのではないでしょうか。(あらためて読み直してみると、ジョジョのスタンドの元祖みたいな感じ?何か影響はあるのでしょうか)。また“怪人19面相”を始めとして、“ギャング団のボス”、“ハイドマン&ジキール探偵”、“オオカミ男”、“クモーラーマン”、“ゴキブリ小僧”、“ミスターX”、“つきゆび男”、“ポリスマン”など、多彩な悪役や、登場人物も魅力でした。それにドリフや当時のCMなど時事ネタやパロディが多いのも特徴で、わりと堅めだった当時の学習誌の漫画の中でも異色の作品だったように思います。(まあ当時は、子供向けとは思えないお色気漫画も多かったですが)。シャドーマンは影ということもあって、敵に攻撃されることもなく、車や飛行機などどんな形にも変形できる無敵の存在ですが、明かりがないと存在できないという影ならではの弱点もあって、そのピンチをどう切り抜けるかがこの作品の肝だったように思います。


 名たんていカゲマンは、2007年に復刻された大人のコロコロ“熱血!コロコロ伝説”のVOL.2(1979-1980)にも収録されています。この頃はゲームセンターあらしが登場してきた頃で、時期的には同じような時期の作品だったのがわかります。他に有名どころとしては、あさりちゃん、おじゃまユーレイくんなど。また作者の山根あおおに氏とは別に、もうひとり山根あかおに氏という漫画家もいて、当時は謎だったのですが、あらためて調べてみると2人はともに田川水泡氏の弟子で実の兄弟だったようです(ペンネームも水泡氏によるもの)。この当時教科書などに『泣いた赤鬼』という児童文学が掲載されており、どこかそれを連想させる秀逸なペンネームだったと思います。


 ということであらためて読み直してみると、カゲマン、シャドーマンというキャラ設定や多彩な敵役といい、非常によくできた作品だと思います。カゲマンには“新名たんていカゲマン”という続編もあるようで、平成9年(1997)には“平成名たんていカゲマン ”としてCOMIC GON!創刊号にも登場したようです。またてんとう虫コミックスライブラリー版には、書き下ろしの新作も収録されています。今でも通用する作品だと思いますので、ぜひオリジナルに忠実なアニメ化を希望したいものだと思います。

参考:Wiki名たんていカゲマン、山根あおおに、山根あかおにの項、てんとう虫コミックスライブラリー・名たんていカゲマン/小学館

別冊宝島・ビックリマン・シールコレクション 悪魔vs天使編 第1弾 全シール付き・宝島社

2010-06-11 22:29:25 | 書籍・漫画
 
 これは、2010年4月に宝島社より発売された別冊宝島『ビックリマン・シールコレクション 悪魔vs天使編 第1弾 全シール付き』です。ビックリマンは、80年代に大ブームをまき起こしたシール付きのお菓子で1977年より登場しています。初めは『ドッキリシール』(77)という悪戯シールが始まりで、これがそこそこのヒットだったようです。以下『ウッシッシシール』(79)、『まんぎゃシール』(80)、『ジョーダンシール』(81)、『まねまねシール』(81)、『特ダネシール』(82)、『まじゃりんこシール』(82)、『かわりんごシール』(84)、『ギャグポスターシール』(85)と続き、そろそろシリーズも打ち切りかというところで85年に登場の第10弾目『天使vs悪魔』で大ブレイクを果たします。これは、開発者のインタビュー記事によるとコンセプトとしては、当時のRPGブームを背景に“悪魔”VS“天使”と三すくみの構造もたらす“お守り”を入れて、手のひら上で(物語を)想像させるRPGとして企画されたものだそうです。86年に“コロコロコミック”誌上などで紹介されるとブームに火がつき、コミック、TVアニメ化(1年半のTVシリーズ、2本の劇場版)、TVゲーム(ビックリマンワールド、ビックリマン大辞典など)、ゲームブック・・・と展開していき、88年には月間最高10億円という売り上げ記録を達成するまでになりました。この『天使vs悪魔』シールはシリーズ化されて、第1弾~第31弾までのシリーズが存在します。


 同時に加熱しすぎたブームは社会問題ともなり、子供がシール目当てにお菓子を捨てたり、偽物(ロッチ)のシールが登場するなどの現象も引き起こしました。結局行政が腰を上げ、1988年に公正取引委員会よりレアシールなどの原価を超えたものは射幸心をあおり「不当景品及び不当表示防止法」に抵触する可能性があるとして、メーカー各社に指導が入り(各社とも)自粛することとなります。そうしてブームは徐々に沈静化してゆきます。しかし以後もビックリマンチョコの販売は続き、第11代目『スーパービックリマン』12代目『ドッキリダービー』、13代目『超念写探偵団』、14代目『ビックリマン2000』、15代目『ガッツ!シンクロX』、16代目『ゴースト村の何事件』、17代目『ビックリマン 21st Anniversary ひかり伝』、18代目『ビックリマンプロ野球チョコ』・・・と現在まで続くロングセラーになっています。ということで、80年代に子供自体をすごした世代にとっては当時を振り返るのになくてはならないアイテムのひとつといってよいでしょう。


 この別冊宝島『ビックリマン・シールコレクション 悪魔vs天使編 第1弾 全シール付き』は、そういったビックリマン直撃世代をターゲットにしたものだと思います。ビックリマンを扱った書籍は近年でも、“ビックリマンシール完全大百科 増補版”(2002)、“ビックリマン大教典”(2006)、“超完本ビックリマン”(2007) (いずれも小学館)と出ているようですが、この本の売りは“悪魔vs天使編”の第1弾 37枚全シール付きというところ。この本を買うことで、いきなり悪魔vs天使編”第1弾 全シールがコンプリートできるようになっています。シート状になったシールが天使シール12枚、悪魔シール12枚、お守りシール12枚、ヘッドシール1枚と封入されています。残念ながらシールは別冊宝島のオリジナル復刻シールで、シート状になったシールを切り分ける必要があり、ロッテ純正のほんものとはいえないようです。本物の当時ものもお宝ショップ等で手に入りますので、こちらはコレクター向きというよりは、どちらかというと当時を懐かしむ層に向けてのものだと思います。記事の方では、『天使VS悪魔』シリーズ1~19弾までのストーリの解説や、シールの紹介や解説も掲載されていて、複雑なビックリマンの世界を俯瞰できるようになっていたり、ビックリマンの開発者(ビックリマン博士・反後四郎氏)のインタビューなども載っていて、当時を知る人にとっては十分満足できるものになっていると思います。


 私は、おまけシールのコレクションもアニメの方も直撃世代ではないのですが、今あらためて見ると当時のRPG的な要素だけではなく『聖闘士聖矢』や、(当時全盛期だった)少年ジャンプのバトル漫画的なテイストも入っているような気もしますね。これは直撃世代であったら、やはり熱中したかなあと思います。

参考:ビックリマン・シールコレクション、80年代こども大全/ともに宝島社、Wikiビックリマン、ビックリマンシールの項

もう一度見たい!「科学」と「学習」 (Gakken Mook)・学研大人のマガジン編集部

2010-06-05 15:27:58 | 書籍・漫画

 もう一度見たい!「科学」と「学習」は、Gakken Mookとして学研大人のマガジン編集部の特別編集により2010年4月に発売された、大人の科学の増刊号。


 これは、学研(学研教育出版)より刊行されていた小学生向けの学習誌“科学と学習”の付録(学習教材)に主にスポットをあて、歴代の付録を紹介したものとなっています。学研の科学学習誌は、“たのしい科学”として1957年に創刊されており、1963年にはプラスチック成型品の教材付録を付けた“○年の科学”が誕生しています。初期には直販や学校での販売という販売方法をとっていたようですが、1971年に消費者団体より抗議を受けたのをきっかけに販売員(俗に学研のおばちゃんと呼ばれる)による販売員制度へと変わっています。ここから勢いを増してゆき第二次ベービーブーマーが小学校への入学を始める1979年には、670万部という最高部数を記録しています。その後も80年代、90年代と販売は続いていますが、少子化の影響や価値観の変化などから部数を減らし“学習”は2009年冬号(季刊になってたんですね)、“科学”は2010年3月号をもって休刊となっています。ということで、この『もう一度見たい!「科学」と「学習」』は、その“科学と学習”の休刊を惜しむ声に応えて企画されたものと言えると思います。


 学研大人のマガジン編集部の特別編集ということで、大人の科学に準じた作りになっています。付録の収められた箱と本誌です。付録はミニチュアの人体骨格モデルと、1976年度の科学と学習を復刻した豆本。


 『もう一度見たい!「科学」と「学習」』本誌の方は、永久保存版ふろく百科と銘打って著名人による回想、人気ふろくベスト10、年代別、学年ごとに科学の付録を収録したふろくクロニクル、学習のふろく紹介、まんがクロニクルとして連載漫画の紹介、科学と学習誌に掲載されていた科学記事による年代ごとの世相の振り返り、編集や付録製作の裏話、などが収められています。特にふろくクロニクルでは、1965年から1995年まで一年毎に学年別に1年生から6年生までの付録が掲載されており(写真が小さいのが難点ですが)、この30年間の間に科学や学習を定期購読していた人には(どこか)見覚えのある付録が見つかるようになっています。また付録を作る際のコストや材料の調達、学校での販売ができなくなった後の販売ルートの確保、販売網の構築など、子供の頃には考えたこともなかったような裏話が紹介されており、それらもなかなか興味深いものだと思います。


 シーモンキーの飼育セット。これは好評だったのか、年代を超えて何度も付録に付けられた定番となった。同じようなタイプには、カブトエビの飼育セットや、蟻の巣を観察できるキットもあった。このような感じで代表的なふろくが年代別に収録されている。


 付録として付いているミニチュアの人体骨格モデル。外箱まで付録を再現しています。


 裏には保護者に向けた注意書きまで。


 箱の開口部まで当時の付録を再現。惜しむらくは、コストの問題が大きいのでしょうがモデルが小さく作りもチャチなこと。ここが良ければ完璧だったのに。


 豆本の方は1976年度の5年の科学7月号を部分復刻したもの。良くできていますが、こちらも惜しいことに小さい。こちらは本誌に収録して教材のみに絞った方がよかったかも。


 裏面からは1980年度の4年学習より、まんが“名たんてい荒馬宗介”の収録もされています。


 昭和40年代、50年代の学研は、電子ブロックやマイキットのような科学玩具も発売しており、科学と学習の巻末にはこれらの広告が織り込まれていた。高価な玩具だったので、買ってもらえるあてはなかったが、これを眺めるのも楽しみのひとつだった。


 電子ブロックは、最終的にはシンセサイザーやマイコンを内蔵した機種にまで発展した。大人の科学では、この電子ブロックに内蔵された4ビットマイコンを復刻して付録としたものもある。


 80年代頃になると、78年からのスペースインベーダーブームに乗って、電子ゲーム、LSIゲームと呼ばれるゲーム機がブームとなり、この時に学研も参入した。科学と学習の巻末には、これらの広告も載るようになった。こちらは、学研が一番最初に発売した電子ゲームのLSIゲーム インベーダー。


 当時東大生が開発したゲームということで話題となった電気音響の平安京エイリアンを、電子ゲームに再現したLSIゲーム 平安京エイリアン。


 インベーダーを戦闘機、UFOを戦艦に置き換えた、インベーダーのキャラ換えバージョン、ジェットファイター。


 液晶をレーシング型の筐体に使用した、インディチャンピオン。


 学研の初期の電子ゲームは、バンダイやエポック社のような玩具専門メーカーのものと比べると、少し垢抜けていなかった。真面目な子が無理しているような、居心地の悪さもあった。また、玩具メーカー製のものと比べると、学習教材的というか、玩具なんだがどこか科学の勉強の香りがした。


 個人的には、当時小学館の○年生を定期購読していて、科学と学習は学年によって学習にしたり科学にしたりといった感じで購読していました。巻末に次号の付録予告が載るのですが、科学・学習ともに両方とも載るんですね。両方とれれば良かったのでしょうが、それはできなかったため今回は科学の付録がよいとか、学習の方がよいとかで、学年によって科学と学習を変えていた感じでした。シーモンキーやカブトエビ、プラネタリウムといった付録が好きでしたね。また一番印象に残っているのは、これらの巻末についていたLSIゲームや、電子ブロックの広告でしょうか。こたつに入って(クリスマスや正月まで)繰り返し繰り返し、飽きることなく電子ゲームの広告を眺めていたことを思い出します。

参考:もう一度見たい!「科学」と「学習」(Gakken Mook)、Wiki 科学と学習の項

MSX MAGAZINE&楽しい!!MSXエミュレータ&ゲームス・アスキー/秀和システム

2009-02-22 15:38:26 | 書籍・漫画

 『MSX MAGAZINE 永久保存版』は、株式会社アスキーより2002年12月に出版されました。これは、80年代にMSX規格の専門書として出版されていた『MSX MAGAZINE』の最新号という位置付けで、実に十年ぶりの復活ということになりました。MSXマガジンは、MSX規格の衰退とともに1992年8月で休刊になっていますので、この10年ぶりの最新号では公認エミュレータ“MSX PLAYer”にまつわる記事と、CD-ROMに収録されたゲーム紹介記事、関係者へのインタビューがメインになっています。これが好評だったためか、『MSX MAGAZINE』は第3弾まで、『蘇るPC-9801伝説』、『みんながコレで燃えた!NEC8ビットパソコン PC-8001・PC-6001』、『蘇るPC-8801伝説』、『蘇るPC-9801伝説 第2弾』と、昔のPC誌の復刻本+当時のゲームという書籍が次々と出版されました。


 これが発売された2002年前後は、ダウンロード販売で古いPCゲームを、Windows上で遊べるようにしたサービス“プロジェクトEGG”(2001年末)が開始されるなど、(ネット上での)古いPCゲーム関係の動きが活発になっていた時期でした。個人的に(仕事以外では)PCより遠ざかっていましたので、ネットに触れるようになったのは、結構遅くて2000年前後でした。まずMSXなどの8ビット機や、電子ゲームなどの、古くて懐かしい情報にのめり込んだのを覚えています。また古いアーケードゲームが、Windows上で動くということに衝撃を受けたりもしてました。(今ではその手の書籍は、書店に溢れていて珍しくないですが、この辺りまではまだまだ情報が少なかった)。そのような感じで、これが発売される時にはリアルタイムでネットの記事を追いかけ、わくわくしていました。


 MSX関係の商標や、権利関係の管理を行う「MSXアソシエーション」が発足したり、永久保存版の公式サイトがオープンしたり、かなり盛り上がっていたように思います。その後もMSXの周辺では、公認エミュ『MSXPLAYer』を皮切りに、Windows機でカートリッジを読み込める『MSXゲームリーダー』、MSXを1チップ化した『1chipMSX』等が製品化されていきました。


 『楽しい!!MSXエミュレータ&ゲームス』(著・高木 啓多/岩堀 将吾)は、永久保存版と同じく2002年の12月に秀和システムより出版されました。こちらにも公認エミュの『MSXPLAYer』が収録され、『MSX MAGAZINE 永久保存版』が出版されるまでの経緯や悲喜こもごも、(CD-ROMに収録されている)当時の市販ゲーム『ハイドライド3』、『ドラスレファミリー』、『スーパーレイドック』、『レリクス』などの攻略記事が入っています。こちらは、ネットでレトロPC関係の活動を行なわれている“RetroPC.NET”の管理人氏の著書ですので、どこか同人誌的でマニアックな作りになっています。今だったら、わざわざお金を出してまで古いゲームで遊ばなくてもという気にもなるのですが、当時を知ってる身としては一本数千円もしたソフトが、これでもかと詰め込まれている豪華な作りにはやはりかないません。永久保存版復活までの裏事情も面白いのですが、やはり目玉は『ハイドライド3』と、『ドラスレファミリー』だろうと思います(人によって違うでしょうが)。最後までの詳細な攻略記事も掲載されていますので、当時最後までいけなかった人も思いを果たせるようになっています。


 今現在はどうなっているのかわかりませんが、この2002年前後はレトロPC関係の復刻の動きが活発で、ネットの記事を追いかけているのが非常に楽しかった記憶があります。80年代にログインやBeep、コンプティーク、テクノポリス等を見ながら、新作ゲーム記事を追いかけていた頃の楽しさ(熱気)が、ちょっとだけ甦ってくるような感じがありました。この頃に、MSX専門サイトや、電子ゲームサイト、レトロPC関連サイトを巡っていたことが、自分でもこのようなレトロブログを作るきっかけになっていると思います。