画は 渓齋 英泉 (けいさい えいせん)
寛政3年(1791年) ~ 嘉永元年(1848年)
独自性の際立つ 退廃的で妖艶な美人画 で知られる。
北齋に先駆けて 日本で初めて ベロ藍=紺青(こんじょう)を用いた
藍摺絵(あいずり-え)を描いた。 作
「東都 金龍山浅草寺 雪景」です。
☆晴れ、午後から雪の予報、冷え込む。
本州は気温 三月並み とか、 北海道は 寒さは例年並みだが、
雪が少ない、農業に影響が 心配です。
「売国の極み」だな、下痢壺の地元だが いの一番に 狙われるぞ、
◆https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/15391
長周新聞 2020年1月19日
◎12年で進行した 岩国の軍事要塞化
市民から遊離した消化試合のような 市長選 記者座談会
極東最大規模の米軍基地 を抱える山口県岩国市は、
1月26日に市長選の投開票を迎える。
現在のところ立候補予定者は、4選を目指す現職市長の福田良彦(自民・公明推薦)
と新人の米重政彦(共産・社民推薦)の一騎討ちという構図だが、
誰がどう見ても選挙戦は白けきっている。
2008年、当時の安倍政府による補助金凍結 という経済制裁で、
厚木からの空母艦載機部隊移駐に否定的な市長 の首をすげ替えて
福田市政が生まれてから12年 ――
岩国基地は沖合に1・5倍に拡張されただけでなく、新たに愛宕山も
米軍住宅として奪われ、海側も山側も米軍に占拠される 異様な変貌を遂げてきた。
この間、岩国を舞台に なにが進行してきたのか、
そして政党政派をこえた全市民的なたたかいとして盛り上がった運動がなぜ衰退し、
この局面を打開する課題はどこにあるのかについて 記者座談会で論議した。
A 今回の選挙戦そのものへの市民の関心は薄い。「消化試合」
「事実上の無投票」といわれ、両陣営とも一部の政党関係者が動いているだけで
積極的に市民に働きかけている様子もない。告示まで一週間を切っているのに
政策チラシも見たことがないという市民も多く、かつてない白けムードが漂っている。
双方とも相手にされておらず、市民から浮き上がっている印象だ。
そもそも4選を目指す現職に対する反発は 強い一方で、対抗馬が「共産」の党職員で、
しかも広島から連れてきた人物であるため、市民からすれば「誰だ?」
というレベルだ。似たような構図の前回も投票率47・49%(過去最低)
という前代未聞の低調選挙だったが、今回はそれに輪を掛けた無風ぶりだ。
岩国市長選といえば、これまで艦載機移駐や愛宕山への米軍住宅建設問題をめぐり
「郷土を米軍に売り飛ばすな」という党派をこえた市民世論が
地元代表者を押し立ててたたかわれてきたが、
これらの運動に乗っかってきた一党一派が 市民の運動を小集団の利害に
収斂(しゅうれん)させて、市長選にかこつけて「我が党」の売り込みをやっている
ような印象だ。 「これでは選挙になりようがない」
「選挙の形になっただけで、せいぜい市議選の名簿集めレベルにしかならない」
と市民は眉をひそめている。
B 選挙構図だけを見ると話にならないという受け止めだが、
このような右からの強権政治と「左」の裏切りという政治的な仕掛けのもとで、
岩国では米軍による街の乗っとり が急速度で進行してきた。
市民の問題意識は「どちらの候補を支持するか」といった政党レベルの争いに
収斂されるようなものではないし、この市長選の結果云々で
どうこうなるものとは誰も考えていない。
岩国市政をめぐる経過と現状について全市民的な認識を共有して
下から運動を立て直さなければ始まらない というのが多くの市民の実感だ。
☆市民を騙して 「米軍ファースト」 愛宕山も 米軍基地化
C 福田市政が登場して12年になるが、この間の岩国の変貌ぶりは
すさまじいものがある。「騒音防止のための 沖合移設」を口実に始めた
基地の埋め立てによって米軍基地は1・5倍に拡張され、
岸壁は空母も接岸可能な水深13㍍まで掘り返した。
兵舎や格納庫、管制塔、学校、商業施設など基地内施設の約7割が
リニューアルされ、総事業費は6000億円 をこえ、
被災地復興や オリンピック並みの国費 が注がれてきた。
返還予定だった敷地は返されず、基地面積は 横田基地を上回る。
原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機60機の厚木からの移駐、
最新鋭のF35Bステルス戦闘機16機の配備などがこの数年で急速に進み、
戦力でも 嘉手納基地をしのぐ 極東最大規模となった。
さらにステルス戦闘機F35B16機の追加配備を今年10月から開始する
ことも明らかになっており、現在の配備機と合わせると32機へと増強される。
地元への説明は一切なく、完全な 頭越しだ。
さらに、埋め立て土砂を削り出した愛宕山開発地につくる予定だった
「病院や学校を兼ね備えた ニュータウン」は赤字を理由に廃止し、
「第二の夕張になる」と騒いだ挙げ句 防衛省が買収し、
現在は 将校用の米軍住宅262戸 が建ち並ぶ「Atago Hills(アタゴ・ヒルズ)」
へと変貌した。
一戸あたりの建設費は約9000万円といわれ、
地下シェルターまで完備されているといわれる豪華なものだ。
ゲートには警備員が配置され、周囲を囲むフェンスには
「オフリミット(立ち入り禁止)」の看板がかけられた 完全な米軍基地だ。
この米軍住宅から岩国基地へ直結する道路はいち早く整備されたが、
市街地全域にアクセスしやすい立地のよさを売りにして新設された
国立岩国医療センター、消防防災センターなどの緊急車両は
米軍住宅内の道路を走ることはできない。
「市民のため」といって税金でつくられた宅地も道路も みな米軍が接収した。
B その他、愛宕山には艦載機受け入れの見返りとしてつくられた野球場
「キズナスタジアム」やサッカー場なども すべて米軍施設であり、
愛宕山一帯ははじめから 米軍の街にすることを前提に開発したものだった。
「騒音軽減」といって基地を沖合拡張し、「夢のニュータウン建設」
といって愛宕山開発をやったが、
その後から米軍再編による厚木からの艦載機部隊の移駐計画が浮上し、
戦闘機だけで130機以上に増えて 騒音は増加したあげく、
愛宕山まで米軍用地として奪われた。
基地人口は、軍人・軍属を含めて 1万人規模に膨れあがり、
旧市内人口の1割をこえる。
「はじめから米軍の計画があり、すべては 市民を騙すための仕掛けだった」
というのが市民の共通認識だ。
C 最近でいえば、愛宕山にあったゴミ焼却場を 米軍基地北側に隣接する
日の出地区に移転させた。焼却施設は築20年にも満たず、
まだまだ使えるものだったが、米軍住宅の建設にともなって
「米軍がゴミ焼却場の煙を嫌がる」ということで
「施設の老朽化」といい始めた。
新施設は岩国市の北端で立地の面からも利便性とはほど遠いうえに、
高台にあったものをわざわざ海抜の低い海岸端に移すため
水害や台風などの災害時には近づけなくなることが
市民の多くから指摘されていたが、隣接する米軍基地から出る膨大なゴミを
一手に引き受けるには都合がいいのだ。
事業費280億円の75%を防衛省の補助金で賄い、残りが市の負担となったが、
総合評価方式でおこなわれた入札では 市幹部のテコ入れで
競合した業者よりも 30億円高い横浜の業者に落札させるなどして
物議を醸した。
市政もまちづくりも中心は米軍であり、市民の頭越しですべてが決まる。
「基地の街」ではなく「街を基地」にする要塞都市化だ。
そのうまみを吸い上げていくのが防衛省絡みのゼネコンや県外資本
というのも定着している。
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岩国市内の道路計画
A 基地周辺の川下地区では、南バイパスから住宅地のど真ん中を抜けて
米軍基地正門に一直線に抜ける都市計画道路 「楠中津線」を整備するために
多くの住民を立ち退かせた。
幅22㍍の道路で 川下地区は南北に分断されることになる。
それに連結して愛宕山の下を通る南バイパスは由宇まで伸ばし、
東は大竹までつなげて高速道路と連結させる計画だ。
これらの道路網は有事の際には、国道188号線の混雑を避けて移動するための
米軍専用道路に簡単に変わる。
B 立ち退きをめぐって「家が古いため補償金もわずかで、
新たに家を買うこともできない」と頭を抱える住民も多い。
「当初は救急車や消防車などを通すためといっていたが、
なぜ人口が減っている地域に これほど大規模な道路が必要なのか。
すべて米軍のための道路だ」と語られる。
基地に隣接する川下地区は 歴史的に基地への反発の強い地域だが、
高齢化や貧困化につけ込んで 一気に進めている印象だ。
C また基地南側の通津には、防衛装備庁が艦艇装備研究所
を新たに建設している。 艦船や潜水艦の高速化や耐衝撃性の強化、
海中での音波受信の研究などを進めるもので、わざわざ東京から移設する。
岩国では海中の環境を再現する1万1550立方㍍の大型タンクをつくり、
シミュレーション装置を使って官民が連携して
水中ドローンの研究開発をおこなうという。
他国を攻撃する 新型兵器開発の拠点であり、
これも岩国の軍事要塞化の一環だ。
B 滑走路の時間外運用についての情報公開の方法も、
米軍と海上自衛隊のどちらが飛行したのか区別できない形式となった。
これまでは時間外飛行する場合は米軍と海上自衛隊それぞれが
市に通知していたが、2018年9月からは、自衛隊が使う場合も
米軍が通知する形に変え、運用期間も「およそ一週間」 「しばらくの間」
など適当なものになった。
無通告の時間外飛行も増え、昨年5月、FCLP(陸上空母離着陸訓練)
を硫黄島でおこなったさいには、岩国基地でも光学着陸誘導装置を使って
タッチアンドゴーをおこなうなど 訓練も実戦さながらのものになっている。
A 厚木や横田よりもより北朝鮮や中国に近い場所に
このような最前線の出撃拠点ができたということだ。
普天間基地の「辺野古移設」 といって国民の目を釘付けにする一方で、
岩国の大増強計画は 米軍の要求通りにノンストップで進んできた。
市長も市議会も「アメリカ・ファースト」の追認機関となり、
米軍は 岩国まるごと「自分たちのもの」と見なしている。
☆ミサイル標的が 現実的に 人口は 著しく減少
A 基地が大改造される一方で、市内は寂れて人口減少もすさまじい。
10年前までは15万人いた人口は 今年1月時点で13万1590人になり、
近年は年間約2000人ペースで減少している。
若年層が市外に流出するなかで 高齢化率も10年前の27%から35%と拡大し、
いまや3人に1人が65歳以上の街となった。
福田市政は「子育て 日本一」といって 米軍再編交付金による
給食費や児童医療費の無料化を 「アメ」としてバラ撒いてきたが、
若年層の雇用の受け皿である産業の衰退が進み、
「そもそも子育て世代が 地元に残ることができない」といわれる。
B 基地内の民間空港や駅舎が新築されたが、駅前商店街はシャッター通りで
閑散としている。商店主の間でも「いくら米軍関係者の人口が増えても、
円高のうえに 基地内にスーパー(PX)から飲食店、ボーリングなどの
娯楽施設まで何でもあるので、市内にお金が落ちることはほぼない」
「多額の交付金が注がれながら、これほど貧乏な街はない。
商店やスーパーが減り、市街地でも買い物難民が生まれている」
「商店街にも県外チェーンの居酒屋が増え、わずかな利益も
県外へ吸い上げられていく。 道路工事をしている業者も 作業員は県外、
市外から来て ビジネスホテルに宿泊している。
地元タクシー会社はどこも運転手不足が深刻で、電話予約もままならなくなった」
「駅前再開発も 出資元をめぐって二転三転したが、
開発が終わるころには 商店街が生き残っているのかも危うい」と語られる。
期限付き、ヒモ付きの基地交付金と引き換えに 失ったものは大きい。
A 岩国は昔から日本製紙、東洋紡、帝人、三井化学などの工場が建ち並ぶ
工業地帯だったが、米軍基地増強と要塞都市化が進むなかで
工場閉鎖や縮小があいついできた。
米軍機飛行のための高度制限で 帝人の煙突が切られたのは有名な話だが、
岩国港も軍港として米軍事物資の搬入に使い始め、
商業港としての性格は薄れつつある。
かつて6000人いた帝人は 数百人規模になり、
「山陽パルプ」時代から市内最大の企業だった日本製紙は
家庭紙工場を閉鎖した。
市のもっとも有益な土地を 米軍基地が占拠し、
街全体が軍事基地としての性格を強めるなかで、
いつミサイルが飛んでくるかわからないような 物騒な場所で
安心してものづくりなどできるわけがない。
基地と産業の 「共存」など不可能である
ことを物語っている。
B 最近は基地の大規模化にともなって基地内の仕事を受注する業者が
増えたといわれ、市内でも「基地内従業員募集」の看板を目にするようになった。
「年齢を問わず雇ってもらえるので 年金暮らしのお年寄りでも
ベースに働きに行く人が増えたが、
基地内では英語ができるフィリピン人の方が待遇がよく昇級していくのに比べ、
日本人は掃除の仕事が多く、なかなか正規の従業員にはなれない」
「基地内では 学校でも掃除をする習慣がなく、子どもが食べ物をこぼしたり、
汚したりするとすぐに呼び出される」
「米軍施設は 夏は冷房、冬は暖房を24時間付けっぱなし だ。
すべて税金だ と考えると頭にくる」と語られている。
軍事的にだけでなく経済的にも基地に縛り付け、
基地の労働人口を確保している関係だ。
また川下地区では、基地外に住居を求める米兵 のために
家を貸し出す業者が増えており、「上級クラスの米兵は 家賃補助が出るので
月15~20万円でも 家を借りる。
この税金つかみどりを狙って 住宅メーカーなどが土地を買いあさり、
米兵相手の不動産ビジネスを始めている」
「数億円かけて整備した 愛宕山の米軍住宅は、
周辺に商業施設もないため入居率が低い。
そのためアクセス道路をつけ、近くの西岩国駅周辺 を再開発している。
米軍住宅の住環境を整えるためだ」と語られていた。
C だがこの間のイランとの緊張激化を受けて、基地ゲート入口での
チェックは厳しくなり、日本人は「テロ対策」の対象として
身体検査や手荷物の検査などが入念におこなわれるようになったという。
9・11テロ事件後も 警備の兵隊が銃口を市民に向けて威嚇していた
ことが話題となったが、「同盟国といいながら 市民は信用されていない」
「占領者意識の 本性丸出しだ」と語られていた。
福田市長は 「基地との共存」 「隣人とのフレンドシップ」
などといっているが、そもそも相手にそんなつもりはない。
軍事力で奪いとった基地であり植民地なのだ。
有事には 米軍の軍事拠点として
市民も含めて ミサイルの標的にされる危険性があり、
きな臭くなると 米軍家族の本国帰還訓練 を頻繁にやっている。
市民など はじめから守る対象ではないのだ。
川下地区の男性は 「イラクも日本も 同じ境遇だ。
用心棒を名乗る ならず者が、一番いいところを陣どり、
危険を煽って緊張感をつくり出すたびに 軍需産業を潤わせるために
高い買い物や負担金をせびられる。
挙げ句の果ては 軍事要塞として標的になる。
岩国だけでなく日本全体が 喉元にピストルを突きつけられている状態だ」
と語っていた。
英泉、二枚目、
「雪景」です。
☆米軍支配 vs 全市民 重要な 沖縄の教訓
A 岩国では2006 年、艦載機移駐の是非を問う住民投票(投票率58・68%)
がおこなわれ、約9割が反対に投票するなど
米軍支配に対する市民の頑強な意志 を突きつけてきた。
2007年には、艦載機移転の容認を迫り、建設中の市庁舎補助金を凍結した国
に対して市内各地から一万人の市民が錦川河畔に集まって
怒りの声を上げた。 当日は街中の家々から歩いてくる人たちが
群衆となって押し寄せるほどの一体感に満ちていた。
2009年には愛宕山の米軍基地化に反対する署名が10万人をこえて集まった。
その運動は、日本全土の植民地化を強める米軍の横暴に対する
全国の怒りを共有したものであったし、
郷土を好き勝手に蹂躙する米軍支配の
民主主義破壊に抗う固い決意にもとづいたものだ。
既存の政党・党派の枠にとらわれたものではなく、
むしろ動きの鈍い政治家や政党を市民の力で突き上げて 引きずってきた関係だ。
国政選挙でも幾度となく 自民党候補を叩き落としてきた。
この市民の下からの世論の高まりが、当時の井原市長をして
「艦載機受け入れ反対」を表明させ、
米軍支配 vs 全市民 ともいえる一大運動を形づくっていた。
岩国の軍事拠点化は、この運動をつぶすことと セットで進行してきた。
B 岩国では歴史的に、敗戦後の米軍の土地とりあげに対して
川下の農民と労働者や教師が団結してたたかったし、
全国から米兵相手の娼婦が集められ
植民地的退廃の子どもへの影響が深刻になると、
教師や父母たちの 子どもを守り平和の担い手に育てる教育運動が発展した。
盆踊りに乱入して 女性に乱暴しようとした酔っぱらい米兵たちを
青年団の若者たちが ボコボコに殴り倒して制裁を加えたり、
弾圧に駆けつけた米軍は 住民全員が立ちはだかって追い返すなど、
はじめから「ご無理ごもっとも」で
米軍のやりたい放題を開けて通してきたわけではない。
沖縄と同じように軍事支配に抵抗してきた歴史があり、
いうといわずと市民のなかに誇りとして脈々と受け継がれている。
C だが、その積年の怒りを結集した運動に押し上げられて
政権をとった民主党が「艦載機移転 容認」の大裏切りをやり、
さらに「日共」集団などが「我が党」の旗を振り回して
運動に政党利害を持ち込み、多くの市民を運動から追い散らした
のがこの間の経過だ。
基地反対がそのまま政党支持者になどならない のは当たり前で、
政治的立場の違いをこえて結束してきたところへ
運動に党派の利害代表者が指揮棒を振るって
前面で号令をかけ始めたら ぶち壊しになる。
それがわかっていて「わが党の運動」にしてしまい、
全市的にたたかってきた基地反対運動を 愛宕山の座り込みや
「騒音訴訟」など 利害関係者だけの運動に切り縮め、
誰もついていかないものに変質させた。
そのあげく 前々回の市長選では別に票割り候補を立てて
福田市長の再選を助けるなど、極めて悪質であり、
市民のなかでは すっかりその裏切り体質が 見抜かれている。
この期に及んで、上から「野党共闘」「市民との共闘」などというが、
その野党がそもそも市民から完全に信頼を失っている。
「市民の味方」のような面をして、全市的に盛り上がった市民の運動を
鎮静化させた功労者として、福田市政にとっては
他に類のないパートナーとみなされている。
「草の根ネットワーク」をやっていた井原元市長も
今では影を潜め、存在感を失って久しい。
A 同じく米軍基地支配と対峙する沖縄でも 同じような苦難をくぐって
現在の「オール沖縄」のたたかいにたどりついている。
いわゆる「革新」系の縄張り争いのような運動ではなく、
経済界や保守層を巻き込んで「イデオロギーより アイデンティティ」
を合言葉に島ぐるみのたたかいを挑んでいる。
もともと自民党県連会長だった故翁長知事もだが、
呉屋守将会長をはじめとする経済界の重鎮が舵をとり、
政治的立場をこえて「県民が主人公」という立場で 是々非々で対応する。
近年の沖縄の島ぐるみの運動では、唯我独尊の自己主張で
市民を説教したり、政党の主義主張を押しつけるような古い体質を排し、
選挙戦での街頭集会や 決起集会でも 国政野党の代表者などの演説は
やらせず、政党や団体の旗は立たせないように徹底している。
選挙ビラなどの宣伝物も政党色の強いものは排除して、
県民組織である「うまんちゅの会」で統一した。
先の知事選の県民大会でも、どんな政党の幹部であろうが
特別扱いはしなかったし、外部からの応援部隊は水面下に撤するよう
徹底するなど、基地反対で結束する県民のたたかいを
「保守 vs 革新」や 「与党 vs 野党」などの構図にして
有権者をカヤの外に置きざりにする ようなことをしなかった。
だからこそ みんなが安心して参加できるし、
圧倒的な民意を結集しうるものになる。
C 名護市長選や沖縄県知事選、そして岩国市長選にしても、
米軍基地支配と絡む選挙はいつも「東京司令部 vs 県民、市民」のたたかいだ。
しのぎを削る厳しいたたかいになればなるほど、金融機関、各種業界団体などの
集票組織を上から締め付け、創価学会などの宗教団体が暗躍し、
電通までかかわった デマ宣伝や誹謗中傷による CIAばりの情報戦、
さらに現ナマまで 露骨に飛び交う熾烈なものになる。
岩国では首相が米軍再編に従わない地元に 経済制裁まで加えて、
従順な市長へと首をすげ替えたが、
そのえげつなさは岩国でも沖縄でも みんなが経験していることだ。
このような金力・権力をフル動員した圧力に勝利するためには、
県民・市民が主人公であるという運動の質を保証しなければならないし、
運動主体が政党や集団の党利党略を捨てて全市民の利益を代表し、
利害や私心を捨てて市民のために奉仕する立場に立たなければ機能しない。
自分たちが主人公になって「我が党についてこい」の自己宣伝をくり広げ、
有権者の頭越しの空中戦をやるなら 簡単に足元をすくわれてしまう。
これは国政についてもいえることで、これほど国政与党への国民的な憤激が
渦巻いているのに、選挙になれば野党がいつも風前の灯火である
こととも関係している。
A 沖縄の教訓に学ぶことは「オール○○」とか「○○共闘」とかの飾り文句
を真似ればいいというような小手先の話ではない。
辺野古新基地建設をめぐっても、名護市長選で敗北し、翁長知事が逝去し、
裁判所が国策判決を出すなど オール沖縄勢力が劣勢に立たされるなかで、
一部の革新系だけの運動にするのではなく、県民投票を仕掛け、
運動の舵を県民の手に委ねながら 島ぐるみの世論を喚起して
知事選に向けた新しい局面を切り拓いていった。
上からの圧力が強まれば強まるほど、諦めるのではなく、
より深く県民のなかに入り、県民の力に依拠して情勢を転換するように
導いてきたことも教訓的だ。
岩国市民の怒りは かつてなく充満しているが、運動として表面化させていく
ためには党派党略による妨害や市民を結束させない仕掛けを乗りこえて、
幅広い市民世論を束ねて導いていく政治勢力なり、新たな運動のシンボル
を押し立てることが求められている。
諦めたら街全体が米軍の要塞にされ、ミサイルの標的にされる
という境遇は沖縄と同じだ。
岩国の現状を「日本全国の縮図」として発信していく必要があるし、
下から地に足の着いた運動が始まるなら、
沖縄をはじめとする全国、同じ保守王国の山口県内で
生活基盤に根を下ろして「郷土をミサイルの標的にするな」
とたたかっているイージス・アショア配備計画に反対する 阿武町民など
全県民の思いと響きあって、新しい局面が切り拓かれることは疑いない。
英泉、三枚目、
「江尻驛 十九」です。
いい記事ですな、偽ユダの狡猾さよ、
◆https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200120-00211164-hbolz-soci
HARBOR BUSINESS Online 1/20(月)
◎カジノ業者が 警告! 「日本に カジノは要らない」。
客を外に出さないように作る カジノで、街が儲かるわけがない
☆日本国民を 米カジノ業者に売り渡した 安倍総理
2016年11月、アメリカ大統領就任を控えていた
当時のドナルド・トランプ氏と安倍晋三総理は初会談を行った。
その直後、政府は カジノ実現に向けた動きを一気に加速させ、
翌12月には「カジノ解禁法」
(正式名称:特定複合観光施設区域の 整備の推進に関する法律)
を成立・施行してしまった。
その背景には、それまでクリントン勝利と踏んでいて
トランプ側との接点がなかった安倍政権が、
大統領当選を受けてなんとかパイプを繋ごうとし、
頼った先が アメリカのカジノ大手、「ラスベガス・サンズ」の
シェルドン・アデルソン会長だったからだ と言われている。
しかし、ギャンブル依存症の問題がすでに深刻化している日本で、
カジノは本当に必要なのか?
安倍政権は、トランプに媚びへつらうために 日本国民を
米国カジノ業者に売り渡した のではないか。
21日発売の『月刊日本 2020年2月号』では、
第3特集として「カジノが 国を滅ぼす」と題した特集を打ち、
真正保守の立場から 断固としたカジノ反対の主張をしている。
今回は その中から、同誌編集部によるカジノ建築を手掛けてきた
日本人建築デザイナー、村尾武洋氏への取材記事を紹介したい。
☆客が破産するまで カネを貸すカジノ
2019年12月26日、横浜市内で「カジノ・ニューヨーク からの警告」
と題する講演会が開かれた(主催「カジノを考える市民フォーラム」)。
講師はニューヨーク在住の建築デザイナーの村尾武洋氏。
村尾氏は2004年から米国でカジノのデザインに携わり、
これまで数十件もの仕事を手掛けてきたプロだ。
カジノの内幕を知る人物は、なぜ「日本に カジノは要らない」
と警告するのか。
「私は2004年から カジノのデザインを請け負ってきた。
最初の仕事は4億円で ニューヨークにあるカジノの内装デザインだった。
その店がオープンしてから6週間後、事業主から『よくやった。モトはとった』
と言われた。
次は12億円の内装デザインで、オープン8週間後に同じことを言われた。
こうしてカジノの内装を 毎年2~3件ずつ請け負うようになり、
カジノからカジノへ 全米を回るようになった」
だが、だんだんとカジノの正体に 気づいたという。
「カジノが儲かるということは、誰かが損をしている
ということだ。 カジノの収益は 誰かの負け金だ」
「忘れられない光景がある。ネバダ州リノにあるカジノタウンの近くで、
紳士然とした男性が高級なオープンカーを手で押していた。
彼は私に『5ドル貸してくれ』と頼んだ。
話を聞くと、週末に新婚の妻とカジノに来て、全財産をスッたという。
クレジットカード、普通預金や当座預金も使い果たした。
家も抵当に入れた。妻には別れられ、結婚指輪も失った。
手元に残ったのは腕時計と愛車だけで、ガソリン代もない。
彼は普通の人だったのだと思うが、2~3日のカジノで全て失ってしまった」
カジノでは驚くような大金が動く。
「たとえば、バカラ。 インディアンポーカー とほぼ同じゲームで、
1勝負 5秒で終わる。
レートは色々だが、最高レートだと1勝負に 1000万円を賭ける。
負ければ5秒で1000万がなくなる。
パチンコで1000万をなくそうとしたら 何十日もかかるが、カジノでは数秒。
1億も 1時間あればなくなる」
☆構造そのものが 客からカネを搾り取る 「罠」
しかも、カジノには 破産するまで賭けさせる仕掛けがある。
「カジノには必ず クレジットルームがある。
そこで客は職業や給与を示してカネを借りる。
クレジットカードの上限一杯まで借りることもできれば、
家を抵当に入れて借りることもできる。
カジノは客が限界まで負けられるように カネを貸し出すのだ」
さらに、カジノには客を逃がさない仕掛け もあるという。
「客はカジノにいればいるほどカネを使う。
だから我々は客をカジノから出さないようにする。
まず時間が分からないように時計は置かない。窓も作らない。
屋内照明は 夕方5~7時くらいの落ち着いた明るさに調整する
光の調子、音の反響具合、カーペットの厚さ、肘掛けの高さ、
クッションの柔らかさ、すべて計算している。
非常出口はあるが、出口も見えないように 複雑に作る」
カジノの外側も 客を逃がさないように作られている。
「まずカジノを中心に置いて、その周囲に関連施設を作る。
駐車場から ホテル、レストラン、コンサートホール、
どこへ行くにも カジノを通るように設計している」
カジノは構造そのものが 〝罠〟なのだ。
☆ターゲットは 日本人
そのカジノが何故いま 日本で開かれようとしているのか。
「リーマンショック後、カジノ業界は ベガスやマカオも含めて
全体的に苦しい。 その中で日本は数少ないフロンティアの一つだ。
日本にカジノを作るのは、日本人のタンス預金 を獲りたいからだ。
日本のカジノは 外国人が対象だと言われるが、
実際のターゲットは日本人だ」
「アメリカでは 2004年から都心にカジノを作り始めた。
ニューオーリンズを皮切りに、ボルチモア、セントルイスと続いたが、
都心にカジノを作る狙い は地元住民のカネを獲ることだ」
横浜市などカジノ誘致に名乗りを上げた自治体は、
街の活性化などのメリットを挙げている。
「我々は客が カジノから出ないように、街に出ないように作っている。
だから、カジノの恩恵が街に還元される なんてことはありえない。
あれば、我々の負けだ。
シカゴやインディアナのカジノは 周辺にガソリンスタンドが数軒あるだけ。
客は カジノの中だけでギャンブル、宿泊、食事、買い物を済ませるから
周りはスッカラカンだ」
実は、自治体が強調しているメリットは
カジノ業界のプロパガンダ なのだという。
「カジノ業界が 自治体に進出する際は 新聞、テレビ、ラジオ、
インターネットを利用しながら、2年ほどかけて
少しずつカジノ誘致の素晴らしさ を広告する。
税収増や雇用増の具体的数字を 予想グラフにしてプレゼンも行う。
そして市長や地元有志を抱き込み、住民の賛成が 51%以上になれば勝ちだ。
そうなれば、49%以下の反対派の住民が何を言おうが
カジノはオープンできる」
実際にカジノで国や自治体は儲かるのか。
政府の方針では、カジノ収益の分配率は
国15%、自治体15%、事業者70%だというが。
「カジノは産業の一つとして ネイティブの居住地区に作られる
ことが多いが、その場合、収益の配分は 自治体70%、事業者30%くらい。
日本では数字が逆転しているから 驚いた」
予想通りに収益が上がらなかったらどうなるのか。
今のところ、IRのカジノは 1店舗、IR全体のうち3%の面積 とされているが。
「蓋を開けて 収益が上がらなかった場合は
カジノの面積を5%、10%と拡大していく、
それでも収益が上がらなければ カジノを増やして
競争原理を働かせるという方向 に行くのではないか。
しかしカジノが成功したら、それだけ損をする人が増える。
カジノの成功は 良いことではない」
☆カジノにつきものな 「売春システム」 も必ずできる
ギャンブルで負ける以外に、どんなデメリットがあるのか。
「いちばん怖いのは 売春。
カジノでは 『飲む・打つ・買う』がセットだ。
ラスベガスやマカオで遊んでいる客 を呼ぶのに、
日本だけ『女性が いない』というわけにはいかない。
裏で そういうシステムは 必ずできる。
言い方が悪いが、日本人女性は 世界的に人気がある。
横浜にカジノができれば、地元の女のコに 声がかかるだろう」
女性だけでなく 子供にも影響があるという。
「カジノの近くには レストランやビュッフェ、ブティックなど
家族が足を運ぶ場所 を作る。
カジノの隣に 保育所すら作る。
子供たちはカジノを目で見て 耳で聞いて 楽しみ、
『いつか自分も 遊びに行ける』と思う。
こうして次世代の顧客を育てる。
カジノはそこに存在するだけで 身体の一部になる」
「『日本にカジノを作る 必要はない』、
ただただ それを伝えたかった。
横浜は カジノがなくても 人が来る。
粋な街だ。 このままで良い」。
カジノが国民を不幸にすることは 火を見るよりも明らかだ。
<取材・文 / 月刊日本編集部>
↑
お江戸は 博打に 厳しかった。
定町廻りに 捕まると 寄せ場送り 常習だと 島流し です。
☆https://mainichi.jp/articles/20160420/dde/012/070/013000c
田中優子の 江戸から見ると 賭博
違法カジノが話題になっている。
日本は そもそも賭博に厳しい国で、江戸時代では重大犯罪だった。
たび重なる場合は 流罪、死罪になった。
ばくちで負けて 金銀財宝衣服を取られた者が訴え出れば、
罪を許した上で取られたものを取り返してやる、という法令が出たこともある。
この法令には、自分も加担したのに許すのはおかしいという
反論もあり、また、素人が訴え出れば商売人(プロ)の博徒を捕まえる
ことができるのだから 良いやり方だ、という論もあり、
幕府も悩んでいたことがわかる。
公職にあるもの、国会議員などが IR推進 など 気狂い沙汰 なんですよ。
寛政3年(1791年) ~ 嘉永元年(1848年)
独自性の際立つ 退廃的で妖艶な美人画 で知られる。
北齋に先駆けて 日本で初めて ベロ藍=紺青(こんじょう)を用いた
藍摺絵(あいずり-え)を描いた。 作
「東都 金龍山浅草寺 雪景」です。
☆晴れ、午後から雪の予報、冷え込む。
本州は気温 三月並み とか、 北海道は 寒さは例年並みだが、
雪が少ない、農業に影響が 心配です。
「売国の極み」だな、下痢壺の地元だが いの一番に 狙われるぞ、
◆https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/15391
長周新聞 2020年1月19日
◎12年で進行した 岩国の軍事要塞化
市民から遊離した消化試合のような 市長選 記者座談会
極東最大規模の米軍基地 を抱える山口県岩国市は、
1月26日に市長選の投開票を迎える。
現在のところ立候補予定者は、4選を目指す現職市長の福田良彦(自民・公明推薦)
と新人の米重政彦(共産・社民推薦)の一騎討ちという構図だが、
誰がどう見ても選挙戦は白けきっている。
2008年、当時の安倍政府による補助金凍結 という経済制裁で、
厚木からの空母艦載機部隊移駐に否定的な市長 の首をすげ替えて
福田市政が生まれてから12年 ――
岩国基地は沖合に1・5倍に拡張されただけでなく、新たに愛宕山も
米軍住宅として奪われ、海側も山側も米軍に占拠される 異様な変貌を遂げてきた。
この間、岩国を舞台に なにが進行してきたのか、
そして政党政派をこえた全市民的なたたかいとして盛り上がった運動がなぜ衰退し、
この局面を打開する課題はどこにあるのかについて 記者座談会で論議した。
A 今回の選挙戦そのものへの市民の関心は薄い。「消化試合」
「事実上の無投票」といわれ、両陣営とも一部の政党関係者が動いているだけで
積極的に市民に働きかけている様子もない。告示まで一週間を切っているのに
政策チラシも見たことがないという市民も多く、かつてない白けムードが漂っている。
双方とも相手にされておらず、市民から浮き上がっている印象だ。
そもそも4選を目指す現職に対する反発は 強い一方で、対抗馬が「共産」の党職員で、
しかも広島から連れてきた人物であるため、市民からすれば「誰だ?」
というレベルだ。似たような構図の前回も投票率47・49%(過去最低)
という前代未聞の低調選挙だったが、今回はそれに輪を掛けた無風ぶりだ。
岩国市長選といえば、これまで艦載機移駐や愛宕山への米軍住宅建設問題をめぐり
「郷土を米軍に売り飛ばすな」という党派をこえた市民世論が
地元代表者を押し立ててたたかわれてきたが、
これらの運動に乗っかってきた一党一派が 市民の運動を小集団の利害に
収斂(しゅうれん)させて、市長選にかこつけて「我が党」の売り込みをやっている
ような印象だ。 「これでは選挙になりようがない」
「選挙の形になっただけで、せいぜい市議選の名簿集めレベルにしかならない」
と市民は眉をひそめている。
B 選挙構図だけを見ると話にならないという受け止めだが、
このような右からの強権政治と「左」の裏切りという政治的な仕掛けのもとで、
岩国では米軍による街の乗っとり が急速度で進行してきた。
市民の問題意識は「どちらの候補を支持するか」といった政党レベルの争いに
収斂されるようなものではないし、この市長選の結果云々で
どうこうなるものとは誰も考えていない。
岩国市政をめぐる経過と現状について全市民的な認識を共有して
下から運動を立て直さなければ始まらない というのが多くの市民の実感だ。
☆市民を騙して 「米軍ファースト」 愛宕山も 米軍基地化
C 福田市政が登場して12年になるが、この間の岩国の変貌ぶりは
すさまじいものがある。「騒音防止のための 沖合移設」を口実に始めた
基地の埋め立てによって米軍基地は1・5倍に拡張され、
岸壁は空母も接岸可能な水深13㍍まで掘り返した。
兵舎や格納庫、管制塔、学校、商業施設など基地内施設の約7割が
リニューアルされ、総事業費は6000億円 をこえ、
被災地復興や オリンピック並みの国費 が注がれてきた。
返還予定だった敷地は返されず、基地面積は 横田基地を上回る。
原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機60機の厚木からの移駐、
最新鋭のF35Bステルス戦闘機16機の配備などがこの数年で急速に進み、
戦力でも 嘉手納基地をしのぐ 極東最大規模となった。
さらにステルス戦闘機F35B16機の追加配備を今年10月から開始する
ことも明らかになっており、現在の配備機と合わせると32機へと増強される。
地元への説明は一切なく、完全な 頭越しだ。
さらに、埋め立て土砂を削り出した愛宕山開発地につくる予定だった
「病院や学校を兼ね備えた ニュータウン」は赤字を理由に廃止し、
「第二の夕張になる」と騒いだ挙げ句 防衛省が買収し、
現在は 将校用の米軍住宅262戸 が建ち並ぶ「Atago Hills(アタゴ・ヒルズ)」
へと変貌した。
一戸あたりの建設費は約9000万円といわれ、
地下シェルターまで完備されているといわれる豪華なものだ。
ゲートには警備員が配置され、周囲を囲むフェンスには
「オフリミット(立ち入り禁止)」の看板がかけられた 完全な米軍基地だ。
この米軍住宅から岩国基地へ直結する道路はいち早く整備されたが、
市街地全域にアクセスしやすい立地のよさを売りにして新設された
国立岩国医療センター、消防防災センターなどの緊急車両は
米軍住宅内の道路を走ることはできない。
「市民のため」といって税金でつくられた宅地も道路も みな米軍が接収した。
B その他、愛宕山には艦載機受け入れの見返りとしてつくられた野球場
「キズナスタジアム」やサッカー場なども すべて米軍施設であり、
愛宕山一帯ははじめから 米軍の街にすることを前提に開発したものだった。
「騒音軽減」といって基地を沖合拡張し、「夢のニュータウン建設」
といって愛宕山開発をやったが、
その後から米軍再編による厚木からの艦載機部隊の移駐計画が浮上し、
戦闘機だけで130機以上に増えて 騒音は増加したあげく、
愛宕山まで米軍用地として奪われた。
基地人口は、軍人・軍属を含めて 1万人規模に膨れあがり、
旧市内人口の1割をこえる。
「はじめから米軍の計画があり、すべては 市民を騙すための仕掛けだった」
というのが市民の共通認識だ。
C 最近でいえば、愛宕山にあったゴミ焼却場を 米軍基地北側に隣接する
日の出地区に移転させた。焼却施設は築20年にも満たず、
まだまだ使えるものだったが、米軍住宅の建設にともなって
「米軍がゴミ焼却場の煙を嫌がる」ということで
「施設の老朽化」といい始めた。
新施設は岩国市の北端で立地の面からも利便性とはほど遠いうえに、
高台にあったものをわざわざ海抜の低い海岸端に移すため
水害や台風などの災害時には近づけなくなることが
市民の多くから指摘されていたが、隣接する米軍基地から出る膨大なゴミを
一手に引き受けるには都合がいいのだ。
事業費280億円の75%を防衛省の補助金で賄い、残りが市の負担となったが、
総合評価方式でおこなわれた入札では 市幹部のテコ入れで
競合した業者よりも 30億円高い横浜の業者に落札させるなどして
物議を醸した。
市政もまちづくりも中心は米軍であり、市民の頭越しですべてが決まる。
「基地の街」ではなく「街を基地」にする要塞都市化だ。
そのうまみを吸い上げていくのが防衛省絡みのゼネコンや県外資本
というのも定着している。
▼https://www.chosyu-journal.jp/wp-content/uploads/2020/01/
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岩国市内の道路計画
A 基地周辺の川下地区では、南バイパスから住宅地のど真ん中を抜けて
米軍基地正門に一直線に抜ける都市計画道路 「楠中津線」を整備するために
多くの住民を立ち退かせた。
幅22㍍の道路で 川下地区は南北に分断されることになる。
それに連結して愛宕山の下を通る南バイパスは由宇まで伸ばし、
東は大竹までつなげて高速道路と連結させる計画だ。
これらの道路網は有事の際には、国道188号線の混雑を避けて移動するための
米軍専用道路に簡単に変わる。
B 立ち退きをめぐって「家が古いため補償金もわずかで、
新たに家を買うこともできない」と頭を抱える住民も多い。
「当初は救急車や消防車などを通すためといっていたが、
なぜ人口が減っている地域に これほど大規模な道路が必要なのか。
すべて米軍のための道路だ」と語られる。
基地に隣接する川下地区は 歴史的に基地への反発の強い地域だが、
高齢化や貧困化につけ込んで 一気に進めている印象だ。
C また基地南側の通津には、防衛装備庁が艦艇装備研究所
を新たに建設している。 艦船や潜水艦の高速化や耐衝撃性の強化、
海中での音波受信の研究などを進めるもので、わざわざ東京から移設する。
岩国では海中の環境を再現する1万1550立方㍍の大型タンクをつくり、
シミュレーション装置を使って官民が連携して
水中ドローンの研究開発をおこなうという。
他国を攻撃する 新型兵器開発の拠点であり、
これも岩国の軍事要塞化の一環だ。
B 滑走路の時間外運用についての情報公開の方法も、
米軍と海上自衛隊のどちらが飛行したのか区別できない形式となった。
これまでは時間外飛行する場合は米軍と海上自衛隊それぞれが
市に通知していたが、2018年9月からは、自衛隊が使う場合も
米軍が通知する形に変え、運用期間も「およそ一週間」 「しばらくの間」
など適当なものになった。
無通告の時間外飛行も増え、昨年5月、FCLP(陸上空母離着陸訓練)
を硫黄島でおこなったさいには、岩国基地でも光学着陸誘導装置を使って
タッチアンドゴーをおこなうなど 訓練も実戦さながらのものになっている。
A 厚木や横田よりもより北朝鮮や中国に近い場所に
このような最前線の出撃拠点ができたということだ。
普天間基地の「辺野古移設」 といって国民の目を釘付けにする一方で、
岩国の大増強計画は 米軍の要求通りにノンストップで進んできた。
市長も市議会も「アメリカ・ファースト」の追認機関となり、
米軍は 岩国まるごと「自分たちのもの」と見なしている。
☆ミサイル標的が 現実的に 人口は 著しく減少
A 基地が大改造される一方で、市内は寂れて人口減少もすさまじい。
10年前までは15万人いた人口は 今年1月時点で13万1590人になり、
近年は年間約2000人ペースで減少している。
若年層が市外に流出するなかで 高齢化率も10年前の27%から35%と拡大し、
いまや3人に1人が65歳以上の街となった。
福田市政は「子育て 日本一」といって 米軍再編交付金による
給食費や児童医療費の無料化を 「アメ」としてバラ撒いてきたが、
若年層の雇用の受け皿である産業の衰退が進み、
「そもそも子育て世代が 地元に残ることができない」といわれる。
B 基地内の民間空港や駅舎が新築されたが、駅前商店街はシャッター通りで
閑散としている。商店主の間でも「いくら米軍関係者の人口が増えても、
円高のうえに 基地内にスーパー(PX)から飲食店、ボーリングなどの
娯楽施設まで何でもあるので、市内にお金が落ちることはほぼない」
「多額の交付金が注がれながら、これほど貧乏な街はない。
商店やスーパーが減り、市街地でも買い物難民が生まれている」
「商店街にも県外チェーンの居酒屋が増え、わずかな利益も
県外へ吸い上げられていく。 道路工事をしている業者も 作業員は県外、
市外から来て ビジネスホテルに宿泊している。
地元タクシー会社はどこも運転手不足が深刻で、電話予約もままならなくなった」
「駅前再開発も 出資元をめぐって二転三転したが、
開発が終わるころには 商店街が生き残っているのかも危うい」と語られる。
期限付き、ヒモ付きの基地交付金と引き換えに 失ったものは大きい。
A 岩国は昔から日本製紙、東洋紡、帝人、三井化学などの工場が建ち並ぶ
工業地帯だったが、米軍基地増強と要塞都市化が進むなかで
工場閉鎖や縮小があいついできた。
米軍機飛行のための高度制限で 帝人の煙突が切られたのは有名な話だが、
岩国港も軍港として米軍事物資の搬入に使い始め、
商業港としての性格は薄れつつある。
かつて6000人いた帝人は 数百人規模になり、
「山陽パルプ」時代から市内最大の企業だった日本製紙は
家庭紙工場を閉鎖した。
市のもっとも有益な土地を 米軍基地が占拠し、
街全体が軍事基地としての性格を強めるなかで、
いつミサイルが飛んでくるかわからないような 物騒な場所で
安心してものづくりなどできるわけがない。
基地と産業の 「共存」など不可能である
ことを物語っている。
B 最近は基地の大規模化にともなって基地内の仕事を受注する業者が
増えたといわれ、市内でも「基地内従業員募集」の看板を目にするようになった。
「年齢を問わず雇ってもらえるので 年金暮らしのお年寄りでも
ベースに働きに行く人が増えたが、
基地内では英語ができるフィリピン人の方が待遇がよく昇級していくのに比べ、
日本人は掃除の仕事が多く、なかなか正規の従業員にはなれない」
「基地内では 学校でも掃除をする習慣がなく、子どもが食べ物をこぼしたり、
汚したりするとすぐに呼び出される」
「米軍施設は 夏は冷房、冬は暖房を24時間付けっぱなし だ。
すべて税金だ と考えると頭にくる」と語られている。
軍事的にだけでなく経済的にも基地に縛り付け、
基地の労働人口を確保している関係だ。
また川下地区では、基地外に住居を求める米兵 のために
家を貸し出す業者が増えており、「上級クラスの米兵は 家賃補助が出るので
月15~20万円でも 家を借りる。
この税金つかみどりを狙って 住宅メーカーなどが土地を買いあさり、
米兵相手の不動産ビジネスを始めている」
「数億円かけて整備した 愛宕山の米軍住宅は、
周辺に商業施設もないため入居率が低い。
そのためアクセス道路をつけ、近くの西岩国駅周辺 を再開発している。
米軍住宅の住環境を整えるためだ」と語られていた。
C だがこの間のイランとの緊張激化を受けて、基地ゲート入口での
チェックは厳しくなり、日本人は「テロ対策」の対象として
身体検査や手荷物の検査などが入念におこなわれるようになったという。
9・11テロ事件後も 警備の兵隊が銃口を市民に向けて威嚇していた
ことが話題となったが、「同盟国といいながら 市民は信用されていない」
「占領者意識の 本性丸出しだ」と語られていた。
福田市長は 「基地との共存」 「隣人とのフレンドシップ」
などといっているが、そもそも相手にそんなつもりはない。
軍事力で奪いとった基地であり植民地なのだ。
有事には 米軍の軍事拠点として
市民も含めて ミサイルの標的にされる危険性があり、
きな臭くなると 米軍家族の本国帰還訓練 を頻繁にやっている。
市民など はじめから守る対象ではないのだ。
川下地区の男性は 「イラクも日本も 同じ境遇だ。
用心棒を名乗る ならず者が、一番いいところを陣どり、
危険を煽って緊張感をつくり出すたびに 軍需産業を潤わせるために
高い買い物や負担金をせびられる。
挙げ句の果ては 軍事要塞として標的になる。
岩国だけでなく日本全体が 喉元にピストルを突きつけられている状態だ」
と語っていた。
英泉、二枚目、
「雪景」です。
☆米軍支配 vs 全市民 重要な 沖縄の教訓
A 岩国では2006 年、艦載機移駐の是非を問う住民投票(投票率58・68%)
がおこなわれ、約9割が反対に投票するなど
米軍支配に対する市民の頑強な意志 を突きつけてきた。
2007年には、艦載機移転の容認を迫り、建設中の市庁舎補助金を凍結した国
に対して市内各地から一万人の市民が錦川河畔に集まって
怒りの声を上げた。 当日は街中の家々から歩いてくる人たちが
群衆となって押し寄せるほどの一体感に満ちていた。
2009年には愛宕山の米軍基地化に反対する署名が10万人をこえて集まった。
その運動は、日本全土の植民地化を強める米軍の横暴に対する
全国の怒りを共有したものであったし、
郷土を好き勝手に蹂躙する米軍支配の
民主主義破壊に抗う固い決意にもとづいたものだ。
既存の政党・党派の枠にとらわれたものではなく、
むしろ動きの鈍い政治家や政党を市民の力で突き上げて 引きずってきた関係だ。
国政選挙でも幾度となく 自民党候補を叩き落としてきた。
この市民の下からの世論の高まりが、当時の井原市長をして
「艦載機受け入れ反対」を表明させ、
米軍支配 vs 全市民 ともいえる一大運動を形づくっていた。
岩国の軍事拠点化は、この運動をつぶすことと セットで進行してきた。
B 岩国では歴史的に、敗戦後の米軍の土地とりあげに対して
川下の農民と労働者や教師が団結してたたかったし、
全国から米兵相手の娼婦が集められ
植民地的退廃の子どもへの影響が深刻になると、
教師や父母たちの 子どもを守り平和の担い手に育てる教育運動が発展した。
盆踊りに乱入して 女性に乱暴しようとした酔っぱらい米兵たちを
青年団の若者たちが ボコボコに殴り倒して制裁を加えたり、
弾圧に駆けつけた米軍は 住民全員が立ちはだかって追い返すなど、
はじめから「ご無理ごもっとも」で
米軍のやりたい放題を開けて通してきたわけではない。
沖縄と同じように軍事支配に抵抗してきた歴史があり、
いうといわずと市民のなかに誇りとして脈々と受け継がれている。
C だが、その積年の怒りを結集した運動に押し上げられて
政権をとった民主党が「艦載機移転 容認」の大裏切りをやり、
さらに「日共」集団などが「我が党」の旗を振り回して
運動に政党利害を持ち込み、多くの市民を運動から追い散らした
のがこの間の経過だ。
基地反対がそのまま政党支持者になどならない のは当たり前で、
政治的立場の違いをこえて結束してきたところへ
運動に党派の利害代表者が指揮棒を振るって
前面で号令をかけ始めたら ぶち壊しになる。
それがわかっていて「わが党の運動」にしてしまい、
全市的にたたかってきた基地反対運動を 愛宕山の座り込みや
「騒音訴訟」など 利害関係者だけの運動に切り縮め、
誰もついていかないものに変質させた。
そのあげく 前々回の市長選では別に票割り候補を立てて
福田市長の再選を助けるなど、極めて悪質であり、
市民のなかでは すっかりその裏切り体質が 見抜かれている。
この期に及んで、上から「野党共闘」「市民との共闘」などというが、
その野党がそもそも市民から完全に信頼を失っている。
「市民の味方」のような面をして、全市的に盛り上がった市民の運動を
鎮静化させた功労者として、福田市政にとっては
他に類のないパートナーとみなされている。
「草の根ネットワーク」をやっていた井原元市長も
今では影を潜め、存在感を失って久しい。
A 同じく米軍基地支配と対峙する沖縄でも 同じような苦難をくぐって
現在の「オール沖縄」のたたかいにたどりついている。
いわゆる「革新」系の縄張り争いのような運動ではなく、
経済界や保守層を巻き込んで「イデオロギーより アイデンティティ」
を合言葉に島ぐるみのたたかいを挑んでいる。
もともと自民党県連会長だった故翁長知事もだが、
呉屋守将会長をはじめとする経済界の重鎮が舵をとり、
政治的立場をこえて「県民が主人公」という立場で 是々非々で対応する。
近年の沖縄の島ぐるみの運動では、唯我独尊の自己主張で
市民を説教したり、政党の主義主張を押しつけるような古い体質を排し、
選挙戦での街頭集会や 決起集会でも 国政野党の代表者などの演説は
やらせず、政党や団体の旗は立たせないように徹底している。
選挙ビラなどの宣伝物も政党色の強いものは排除して、
県民組織である「うまんちゅの会」で統一した。
先の知事選の県民大会でも、どんな政党の幹部であろうが
特別扱いはしなかったし、外部からの応援部隊は水面下に撤するよう
徹底するなど、基地反対で結束する県民のたたかいを
「保守 vs 革新」や 「与党 vs 野党」などの構図にして
有権者をカヤの外に置きざりにする ようなことをしなかった。
だからこそ みんなが安心して参加できるし、
圧倒的な民意を結集しうるものになる。
C 名護市長選や沖縄県知事選、そして岩国市長選にしても、
米軍基地支配と絡む選挙はいつも「東京司令部 vs 県民、市民」のたたかいだ。
しのぎを削る厳しいたたかいになればなるほど、金融機関、各種業界団体などの
集票組織を上から締め付け、創価学会などの宗教団体が暗躍し、
電通までかかわった デマ宣伝や誹謗中傷による CIAばりの情報戦、
さらに現ナマまで 露骨に飛び交う熾烈なものになる。
岩国では首相が米軍再編に従わない地元に 経済制裁まで加えて、
従順な市長へと首をすげ替えたが、
そのえげつなさは岩国でも沖縄でも みんなが経験していることだ。
このような金力・権力をフル動員した圧力に勝利するためには、
県民・市民が主人公であるという運動の質を保証しなければならないし、
運動主体が政党や集団の党利党略を捨てて全市民の利益を代表し、
利害や私心を捨てて市民のために奉仕する立場に立たなければ機能しない。
自分たちが主人公になって「我が党についてこい」の自己宣伝をくり広げ、
有権者の頭越しの空中戦をやるなら 簡単に足元をすくわれてしまう。
これは国政についてもいえることで、これほど国政与党への国民的な憤激が
渦巻いているのに、選挙になれば野党がいつも風前の灯火である
こととも関係している。
A 沖縄の教訓に学ぶことは「オール○○」とか「○○共闘」とかの飾り文句
を真似ればいいというような小手先の話ではない。
辺野古新基地建設をめぐっても、名護市長選で敗北し、翁長知事が逝去し、
裁判所が国策判決を出すなど オール沖縄勢力が劣勢に立たされるなかで、
一部の革新系だけの運動にするのではなく、県民投票を仕掛け、
運動の舵を県民の手に委ねながら 島ぐるみの世論を喚起して
知事選に向けた新しい局面を切り拓いていった。
上からの圧力が強まれば強まるほど、諦めるのではなく、
より深く県民のなかに入り、県民の力に依拠して情勢を転換するように
導いてきたことも教訓的だ。
岩国市民の怒りは かつてなく充満しているが、運動として表面化させていく
ためには党派党略による妨害や市民を結束させない仕掛けを乗りこえて、
幅広い市民世論を束ねて導いていく政治勢力なり、新たな運動のシンボル
を押し立てることが求められている。
諦めたら街全体が米軍の要塞にされ、ミサイルの標的にされる
という境遇は沖縄と同じだ。
岩国の現状を「日本全国の縮図」として発信していく必要があるし、
下から地に足の着いた運動が始まるなら、
沖縄をはじめとする全国、同じ保守王国の山口県内で
生活基盤に根を下ろして「郷土をミサイルの標的にするな」
とたたかっているイージス・アショア配備計画に反対する 阿武町民など
全県民の思いと響きあって、新しい局面が切り拓かれることは疑いない。
英泉、三枚目、
「江尻驛 十九」です。
いい記事ですな、偽ユダの狡猾さよ、
◆https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200120-00211164-hbolz-soci
HARBOR BUSINESS Online 1/20(月)
◎カジノ業者が 警告! 「日本に カジノは要らない」。
客を外に出さないように作る カジノで、街が儲かるわけがない
☆日本国民を 米カジノ業者に売り渡した 安倍総理
2016年11月、アメリカ大統領就任を控えていた
当時のドナルド・トランプ氏と安倍晋三総理は初会談を行った。
その直後、政府は カジノ実現に向けた動きを一気に加速させ、
翌12月には「カジノ解禁法」
(正式名称:特定複合観光施設区域の 整備の推進に関する法律)
を成立・施行してしまった。
その背景には、それまでクリントン勝利と踏んでいて
トランプ側との接点がなかった安倍政権が、
大統領当選を受けてなんとかパイプを繋ごうとし、
頼った先が アメリカのカジノ大手、「ラスベガス・サンズ」の
シェルドン・アデルソン会長だったからだ と言われている。
しかし、ギャンブル依存症の問題がすでに深刻化している日本で、
カジノは本当に必要なのか?
安倍政権は、トランプに媚びへつらうために 日本国民を
米国カジノ業者に売り渡した のではないか。
21日発売の『月刊日本 2020年2月号』では、
第3特集として「カジノが 国を滅ぼす」と題した特集を打ち、
真正保守の立場から 断固としたカジノ反対の主張をしている。
今回は その中から、同誌編集部によるカジノ建築を手掛けてきた
日本人建築デザイナー、村尾武洋氏への取材記事を紹介したい。
☆客が破産するまで カネを貸すカジノ
2019年12月26日、横浜市内で「カジノ・ニューヨーク からの警告」
と題する講演会が開かれた(主催「カジノを考える市民フォーラム」)。
講師はニューヨーク在住の建築デザイナーの村尾武洋氏。
村尾氏は2004年から米国でカジノのデザインに携わり、
これまで数十件もの仕事を手掛けてきたプロだ。
カジノの内幕を知る人物は、なぜ「日本に カジノは要らない」
と警告するのか。
「私は2004年から カジノのデザインを請け負ってきた。
最初の仕事は4億円で ニューヨークにあるカジノの内装デザインだった。
その店がオープンしてから6週間後、事業主から『よくやった。モトはとった』
と言われた。
次は12億円の内装デザインで、オープン8週間後に同じことを言われた。
こうしてカジノの内装を 毎年2~3件ずつ請け負うようになり、
カジノからカジノへ 全米を回るようになった」
だが、だんだんとカジノの正体に 気づいたという。
「カジノが儲かるということは、誰かが損をしている
ということだ。 カジノの収益は 誰かの負け金だ」
「忘れられない光景がある。ネバダ州リノにあるカジノタウンの近くで、
紳士然とした男性が高級なオープンカーを手で押していた。
彼は私に『5ドル貸してくれ』と頼んだ。
話を聞くと、週末に新婚の妻とカジノに来て、全財産をスッたという。
クレジットカード、普通預金や当座預金も使い果たした。
家も抵当に入れた。妻には別れられ、結婚指輪も失った。
手元に残ったのは腕時計と愛車だけで、ガソリン代もない。
彼は普通の人だったのだと思うが、2~3日のカジノで全て失ってしまった」
カジノでは驚くような大金が動く。
「たとえば、バカラ。 インディアンポーカー とほぼ同じゲームで、
1勝負 5秒で終わる。
レートは色々だが、最高レートだと1勝負に 1000万円を賭ける。
負ければ5秒で1000万がなくなる。
パチンコで1000万をなくそうとしたら 何十日もかかるが、カジノでは数秒。
1億も 1時間あればなくなる」
☆構造そのものが 客からカネを搾り取る 「罠」
しかも、カジノには 破産するまで賭けさせる仕掛けがある。
「カジノには必ず クレジットルームがある。
そこで客は職業や給与を示してカネを借りる。
クレジットカードの上限一杯まで借りることもできれば、
家を抵当に入れて借りることもできる。
カジノは客が限界まで負けられるように カネを貸し出すのだ」
さらに、カジノには客を逃がさない仕掛け もあるという。
「客はカジノにいればいるほどカネを使う。
だから我々は客をカジノから出さないようにする。
まず時間が分からないように時計は置かない。窓も作らない。
屋内照明は 夕方5~7時くらいの落ち着いた明るさに調整する
光の調子、音の反響具合、カーペットの厚さ、肘掛けの高さ、
クッションの柔らかさ、すべて計算している。
非常出口はあるが、出口も見えないように 複雑に作る」
カジノの外側も 客を逃がさないように作られている。
「まずカジノを中心に置いて、その周囲に関連施設を作る。
駐車場から ホテル、レストラン、コンサートホール、
どこへ行くにも カジノを通るように設計している」
カジノは構造そのものが 〝罠〟なのだ。
☆ターゲットは 日本人
そのカジノが何故いま 日本で開かれようとしているのか。
「リーマンショック後、カジノ業界は ベガスやマカオも含めて
全体的に苦しい。 その中で日本は数少ないフロンティアの一つだ。
日本にカジノを作るのは、日本人のタンス預金 を獲りたいからだ。
日本のカジノは 外国人が対象だと言われるが、
実際のターゲットは日本人だ」
「アメリカでは 2004年から都心にカジノを作り始めた。
ニューオーリンズを皮切りに、ボルチモア、セントルイスと続いたが、
都心にカジノを作る狙い は地元住民のカネを獲ることだ」
横浜市などカジノ誘致に名乗りを上げた自治体は、
街の活性化などのメリットを挙げている。
「我々は客が カジノから出ないように、街に出ないように作っている。
だから、カジノの恩恵が街に還元される なんてことはありえない。
あれば、我々の負けだ。
シカゴやインディアナのカジノは 周辺にガソリンスタンドが数軒あるだけ。
客は カジノの中だけでギャンブル、宿泊、食事、買い物を済ませるから
周りはスッカラカンだ」
実は、自治体が強調しているメリットは
カジノ業界のプロパガンダ なのだという。
「カジノ業界が 自治体に進出する際は 新聞、テレビ、ラジオ、
インターネットを利用しながら、2年ほどかけて
少しずつカジノ誘致の素晴らしさ を広告する。
税収増や雇用増の具体的数字を 予想グラフにしてプレゼンも行う。
そして市長や地元有志を抱き込み、住民の賛成が 51%以上になれば勝ちだ。
そうなれば、49%以下の反対派の住民が何を言おうが
カジノはオープンできる」
実際にカジノで国や自治体は儲かるのか。
政府の方針では、カジノ収益の分配率は
国15%、自治体15%、事業者70%だというが。
「カジノは産業の一つとして ネイティブの居住地区に作られる
ことが多いが、その場合、収益の配分は 自治体70%、事業者30%くらい。
日本では数字が逆転しているから 驚いた」
予想通りに収益が上がらなかったらどうなるのか。
今のところ、IRのカジノは 1店舗、IR全体のうち3%の面積 とされているが。
「蓋を開けて 収益が上がらなかった場合は
カジノの面積を5%、10%と拡大していく、
それでも収益が上がらなければ カジノを増やして
競争原理を働かせるという方向 に行くのではないか。
しかしカジノが成功したら、それだけ損をする人が増える。
カジノの成功は 良いことではない」
☆カジノにつきものな 「売春システム」 も必ずできる
ギャンブルで負ける以外に、どんなデメリットがあるのか。
「いちばん怖いのは 売春。
カジノでは 『飲む・打つ・買う』がセットだ。
ラスベガスやマカオで遊んでいる客 を呼ぶのに、
日本だけ『女性が いない』というわけにはいかない。
裏で そういうシステムは 必ずできる。
言い方が悪いが、日本人女性は 世界的に人気がある。
横浜にカジノができれば、地元の女のコに 声がかかるだろう」
女性だけでなく 子供にも影響があるという。
「カジノの近くには レストランやビュッフェ、ブティックなど
家族が足を運ぶ場所 を作る。
カジノの隣に 保育所すら作る。
子供たちはカジノを目で見て 耳で聞いて 楽しみ、
『いつか自分も 遊びに行ける』と思う。
こうして次世代の顧客を育てる。
カジノはそこに存在するだけで 身体の一部になる」
「『日本にカジノを作る 必要はない』、
ただただ それを伝えたかった。
横浜は カジノがなくても 人が来る。
粋な街だ。 このままで良い」。
カジノが国民を不幸にすることは 火を見るよりも明らかだ。
<取材・文 / 月刊日本編集部>
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お江戸は 博打に 厳しかった。
定町廻りに 捕まると 寄せ場送り 常習だと 島流し です。
☆https://mainichi.jp/articles/20160420/dde/012/070/013000c
田中優子の 江戸から見ると 賭博
違法カジノが話題になっている。
日本は そもそも賭博に厳しい国で、江戸時代では重大犯罪だった。
たび重なる場合は 流罪、死罪になった。
ばくちで負けて 金銀財宝衣服を取られた者が訴え出れば、
罪を許した上で取られたものを取り返してやる、という法令が出たこともある。
この法令には、自分も加担したのに許すのはおかしいという
反論もあり、また、素人が訴え出れば商売人(プロ)の博徒を捕まえる
ことができるのだから 良いやり方だ、という論もあり、
幕府も悩んでいたことがわかる。
公職にあるもの、国会議員などが IR推進 など 気狂い沙汰 なんですよ。